No.2ベストアンサー
- 回答日時:
拡散現象は酔歩問題(ランダムウォーク)を併せて議論されたりしますが、酔っ払いが一体どこにたどり着くかという問題に興味を持って、随分以前ですが少しだけ調べたことがあります(←大袈裟、ほんのさわりだけ)。
拡散の熱力学はmomotarosamuraiさんが書かれていますので異なる観点から少し述べてみます。
固体内の拡散機構として4つの機構が提案されています。
1)格子間機構:結晶格子間をランダム歩行しながら原子が移動。
2)空孔機構:熱励起や不純物の添加で生じた結晶中の空孔が隣接する原子と位置を交換しながらランダム歩行していく。
3)準格子間拡散機構:1)と2)を併せたようなもので、格子と格子の間に原子が移動して格子間原子となり、これが次々とランダム歩行していく。
4)リング機構:空孔のような格子欠陥の存在を必要とせず、隣接する原子同士がリングを作り、リングを作った原子が互いに同時に位置を交換し合い、この交換を順次繰り返して拡散していく。
拡散の種類として
1)固体内部の拡散を体積拡散
2)固体表面の原子が表面に沿って拡散するのを表面拡散
●3)粒界拡散:結晶粒界に沿って原子が拡散
→結晶粒界(結晶粒間に生じる界面)やその近傍では原子の配列が乱れていますので、その乱れのお陰で原子は拡散しやすいということになります。
4)転位拡散:結晶中の欠陥である転位(原子配列あるいは結晶格子の乱れが1つの線に沿って生じている欠陥)に沿って原子が拡散
尚、粒界拡散の具体例は「セラミックス」で検索されればそこそこでてくると思います。
下記URLはアルミニューム合金の拡散に関するレポートで拡散の概論を知る上で参考になると思います。
参考URL:http://inaba.nims.go.jp/diff/DIF_Hirano/DIF3/hir …
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
29歳の大学院生でセラミックスについて研究しています。そもそも粒界拡散とは、セラミックスのような多結晶体に起こる現象です。用語の説明をしますと、単結晶:シリコンに代表されるような、物質自体が単一の結晶でできているもの
多結晶:セラミックスに代表されるような、いくつかの単結晶がより合わさってできているもの。
多結晶はいくつかの単結晶がより合わさっているので、当然結晶と結晶の間に境界面ができます。これを粒界といい、空孔や欠陥(要は隙間です)ができます。
拡散とは、物質に熱エネルギーなどをあたえると、エントロピーが増大する方向に向かい、原子が束縛を脱して移動することをいいます(例えば、氷を暖めれば水になり、水をさらに温めれば水蒸気になりますよね?)。
粒界拡散とは、セラミックスのような多結晶体に起こる現象で、熱エネルギーなどで粒界に沿って原子が移動することです。拡散の種類は他にもいろいろとありますが、ここでは粒界拡散のみを取り上げます。
わかりにくいところがあったら申し訳ありません。私もまだまだ素人なもので・・・。
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