先日、染色体DNAの単離実験を行ったのですが、以下の事項が分かりません。
(1)
50mM Tris-HCl
100mM NaCl
20mM EDTA
1% SDS
H2O
上記の試薬に、使用直前にプロテインキナーゼKを加えて溶解バッファーを調製するというプロトコルでした。
ここでの調製した試液の目的が、タンパクの変性を起こす。及び酵素で分解するという事はわかるのですが、
キレート剤のEDTAが変性を起こさせる作用はどのようなものなのでしょうか?
もしくは別の理由なのでしょうか?
(2)
また、上で調製した試液とサンプルを混和後に恒温槽で反応させる際、おなじくタンパクである酵素が失活しないのですか?
(反応時間は2時間でした。)
SDSや入っているところに酵素を入れるのはどうかと思ったのですが…。
回答、どうかよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
1、染色体DNAを取りたいので、DNAが分解されては困ります。
DNA等を分解するヌクレアーゼはマグネシウムイオン存在下で働くのでキレート剤であるEDTAを入れることによって、ヌクレアーゼが働かないようにしているのだと思います。2、プロテインキナーゼKはプロテアーゼKの間違いかと思います。いくらかのSDSがあったほうがプロテアーゼKの活性が高いとか、活性が残るとかです。
すいません。プロテイナーゼKと打ったつもりになってました。
酵素の活性に関しての事だったのですね。
SDSと酵素活性の関係は初めて知りました。
ありがとうございました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
(1)EDTAは一般にDNA分解酵素が2価のイオンMg2+などひつようとするために、EDTAでこれらが効かないようにするために入れているモノで、変性の為ではありません。
(2)Proteinase Kは、真菌類Tritirachium albumから単離された28KDaの分子量サイズをもつセリンプロテアーゼです。この酵素は、未変性、変性タンパク質に対して分解活性を示すため、DNA、RNAの精製時に汎用されます。酵素活性は、SDS(1%)などの変性剤存在下や50~60℃の温度環境で上昇することがしられているために、上記のようなprotocolになるのです。
逆を返せば、ProKは変性条件下で熱をかけられてもなかなか失活しない強い酵素ということです。真菌類もすごい酵素をもっているものですね。
高温で活性を持つことはPCRで普通に用いられているので疑問は感じませんでしたが、SDSで活性があがるというのは初耳でした!
回答ありがとうございました!
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