とある、超繁華街の大きな交差点の光景です。
老若男女様々な人々が行きかう。人にぶつからないで歩くのも大変なくらいです。
盛んに宗教宣伝をスピーカーで行っている。
車の騒音、人々の会話、その宗教宣伝が入り混じって、この上ない喧騒に包まれている。
宗教宣伝は「キリストの救い」が趣旨だった。
「紙の申し子であるイエスキリストが、全ての人の罪をあがなったのです…世界は終わりを迎えようとしている…」
というテープを流しながら立て看板を持ってたたずむ男がいます。
サラリーマン風の男がせわしなく歩きながら
「そうか、世界はもうすぐ終わるのか?」
と何気なく復唱していました。このサラリーマンも、仕事とは関係ない哲学にいくぶんかの救いを求めたいのでしょうかね。何らかの影響を受けていた。宗教宣伝の効果は全く無駄でもないらしい。
また、その交差点で移動しない人がもう1人いて、ローン会社の立て看板をもったいわゆるサンドイッチマン(ただ看板を持っているだけ)がその宗教宣伝要員と、大通りをへだてて立っていました。
この男は、おそらく何時間もこの「キリストの救い」を聞いているわけです。
この男の表情はなにか薄ら笑いを浮かべているようだった。
この宗教宣伝要員と、この看板を持ってたたずむ男は、一体どんな経歴を歩んできたんだろうか?
そう考えると戦慄をおぼえる。
そのた大多数は、おそらくそれなりの幸せを感じて何気なく毎日を送っている、宗教活動にもローン会社の立て看板にも一顧だにしないで、会話を弾ませて通り過ぎる健康そうな男女である。その対比がすさまじくないでしょうか?
こういう光景から、なにか感じるところはありますか?
私は、ああ、世の中って恐ろしいなとどうしても思いますね。そんなことはないのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
今ここに座り、パソコンを見ている、その「存在」「命」といった
本質に対して、自分があまりにも無知なことにこそ、戦慄を覚えます。
「金もうけ」や「虚栄心」といった“上”ばかり見て、足元が闇の中、
ていう。(その闇を晴らすことの大変さは分かるが、だからといって
『とりあえず上だけ見て歩こう』という多くの人の大胆さには感心する)
No.3
- 回答日時:
「その対比はすさまじく、戦慄を覚える」
指摘されてみれば、全くそのように思います。
これが現実、これが人間の社会なのだなぁ、と。
だからといって、人は宗教宣伝要員の行為を止めさせる権利はないし、サンドイッチマンの代わりになってあげられるわけでもありません。
やはり一人ひとりが自分自身を生きるしかないので、こうした状況が生まれるのだと思います。
人に備わった能力が等しければこんな格差のある社会はなくなるのでしょうけれど。
諦めに近い感想ですが、いま眼にしている現実なんて、ほんの一粒の砂。
よりよい社会を作ろうとの活動は、やはり眼に見えないところで地道に行われているんでしょうね。
No.4
- 回答日時:
あなたが感じた恐ろしさはどういうものかはわかりませんが、
あなたの見た光景から私が感じた恐ろしさは、別のものかもしれません。
あなたの見た光景は、私にとってはむしろ「平和」の光景のワンシーンです。その交差点は、様々な人生こもごもがが、まさに交差するかのような「人生の交叉点」でもあります。本当に人々が自由に生きられる国の素晴らしさを感じます。ただ、それは、社会の表面にだけ存在する平和の一角に過ぎません。現実社会は地獄です。現実社会には圧倒的に不幸な境遇にある人々が多いからです。あなたが見た平和な光景は、平和ボケ日本と揶揄されるような国特有のものでしょう。
しかも、それとて表面だけの話です。
悲しみの涙なくしては語れない・・・社会の真実は、表ではなく、裏にこそあるのです。過酷で残酷な様相を呈しているのです。
今こうしている一分一秒の間にも、病気や飢えで死んでいく人が考えられない数だけ存在するのです。
葛藤の末、自殺する者や人を殺す者・・・経済的勝者になるためだけの人生しか教えられなくなった歪んだ教育・・・
中東の戦争、宗教間宗派間の対立と抗争、貧富の差がもたらす暴動など、現実の社会は、いつ何が起きてもおかしくない時代なのです。
幸せや自由を謳歌できるのはほんの一握りなのです。
私が怖いことがあるとすれば、現実に大多数が不幸な境遇に生きている社会の一方で何食わぬ顔をして、平和に生きている脳天気な人々のギャップが恐ろしいと思うのです。
「一度は本気で死ぬ気で生きてみろ!!」とか「そん贅沢よくやってられるな!!」とか
「悲しんでいる人がいるのに、よくテレビ見て笑ってられるな!!」とか「宗教を信じれば死刑になる国もあるのに・・・」とか
「日本人も一度は北朝鮮に全員拉致されてみなさい!!」
「そうすれば、どれだけ今までの自由のありがたみがわからなかった行動をしていたか、そのバカさがよくわかるだろうよ!!」
そんな言葉が次々につい出てきそうになるのです。
恐ろしいのは、自分の立場しか考えなくなってしまったことです。
悲しむべきなのに笑ったりしている・・・
人の心の痛みに鈍感なら、既にそれだけで充分に不幸なのです。
怖いのは・・・一見なんでもない平和な光景に自己中心性、愛のなさ、鈍感、不寛容、脳天気、etc.etc.を見て取れる時です。
その交差点で行きかう人々が、血の通わない無機物や人形に見える時です。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは、garcon2001さん。
うーん、このお話を読んで何を思ったか。
立て看板を持ってたたずむ男の対比の内じゃ
静と動 沈黙と雄弁
と、みえもするのだけれど…
実、新規にローンを組む人と新規に宗教団体に属する人の数を比べれば宗教団体に属する人の数に比べローンを組む人の数の方がはるかに勝っているんじゃないか?なんか不思議だね。動けば、その動きに比例して加入者が増えるかと思えば、結果反比例。動かず黙すことで加入者が増える。誰が言ったかは知らないが、“沈黙は金なり”なんて言葉がある。ローン会社の立て看板をもったいわゆるサンドイッチマン(ただ看板を持っているだけ)は、動かず黙すことで対価を得る。地味だけど、これも堅実な生き方のひとつなのか?この世の終わりを高らかに謳いあげるスピーカーから流れ出る音、それに添えられた字幕のような文字看板。目の見えぬ者、耳の聞こえぬ者たちへ供するものだったのか?日も暮れその日の活動を終わらせ帰途に向かうとき、男二人、ハタと、何処からともなく聞こえてくる虫の音。腹の虫。日中の喧噪はなりをひそめ、かわりに首をひそめ肩を丸め両肘を抱えながら腹の虫をなだめすかす姿がそこにある。真夜中の交差点、誰もいなくなったその場所に夜風が舞う、冷たくツンと。
あくせくはたらき、税金納め、六五歳のその時を迎え―――なんだかなぁ
あくる日、交差点には男が三人。
ローン会社の立て看板を持ち並んで佇んでいた。
そのうち一人は、昨日と同じ男。
あとの二人をよくよくみれば…
昨日まで宗教宣伝をしていたであろうあの男二人。
肩を寄せ合うこともなく、ただその場に佇む三人のサンドイッチマン。
看板には「無理のない返済計画を」と
道理にはずれたことが世の中に行われれば、正しいことがなされなくなる
「正しさ」ってなんだろう?
『真っ直ぐ歩く』
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/makj/sub2_3.html
No.6
- 回答日時:
こんにちは。
ご質問の光景(たたずむ人と道行く人との対比)から、時期的に『マッチ売りの少女』を思い浮かべてしまいました。
http://hukumusume.com/douwa/PC/world/12/31.htm
最後の一文「少女がマッチの火でおばあさんに会い、天国にのぼったことなど、誰も知りませんでした。」のくだりが、私にはとても印象に残りました。
多少は「繁華街を道行く現代の人々(私たち)」と重なるところがあるようにも思えます。
さて、物語の主人公はあくまで少女の方です。
「マッチをどんどん擦らざるを得ない少女」と「現代のたたずむ人々(私たち)」とは、悲哀の度合いも境遇も全く異なるはず。
でも、全く無関係かというと、意外とそうではないかもしれません。
宗教活動もローン会社の立て看板もこの時代ならではの対比のようにも映ります。
物語が記された19世紀半ばのヨーロッパ以上に、エコ意識はあるけれど、現代の私たちは今なお≪人よりもより多くを所有し消費する≫に縛られながら生きています。
かつては、古今東西の歴史に照応しても、ごく一部の特権階級や富裕層のみが、徹底的なまでに快楽主義を貫いてきました。
それはむろん国の文化や世代間の相違(或いは途上国/南北問題?)が大きいでしょうし、これに異を唱える主張も噴出してきているのでしょうけれど。
私たちの様々な形態の消費は、相応な快楽や興奮を一時的にもたらします。
けれど≪自己生産的な真の喜び≫などを見出さない限り、所有に潜む「失う」という不安から逃れることなど到底無理でしょうし、よりもっと多くを得ようと欲する、その繰り返しではないでしょうか。
つまり「マッチを擦り続けなくてはならない」わけです。
そんな今の時代性、官僚的な経済システムに組み込まれた社会においては、年の瀬でなくとも、孤独、無関心、或いは平和等々について、時にふと立ち止まり自問してしまうのかもしれません。
そしてまた、少女の如く「マッチを擦る」今の自分とは、と。
でも、仮にそうだとしても、独りで思考してどうにかできる次元のものではないでしょうし、また、自分だけ良ければそれでいいという話でもないはずです。
地球レベルにおいても今や、所有や消費と平和とは、相反するようにも映りますしね、COP15もあの通りでしたし。
いつの時代にも世の中の世知辛さというものは感じられたのかもしれませんが、殊更現代においては、社会全体または世界全体を通じて、何らかの形で改革が求められているように感じた次第です。
無駄に冗長になってしまい、申し訳ありませぬ。
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