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楽典を勉強している音大を目指している者ですが
「楽典練習115」という問題集の中に、カッコ内を答えさせる問題で、

異名同音的転回した音程が完全1度および完全8度と全く同じ響きを持つものは[半音階的音程]の中からは一応削除されてはいるが、その理由のひとつは[不協和音程]として扱うには響きがあまりにも透明でありすぎる点によっている。たとえば[減2度]および[増7度]などがそれである。

という問題があったのですが、減2度や増7度が半音階的音程から削除されている、というところに疑問を持ちました。半音階的音程には全音階的音程の異名同音程も含まれているらしく(増6度など)・・“一応削除されてはいるが”と書いてあるのはどういうことなのか、それとも単に自分が問題解釈を誤っているだけなのかもしれませんが、分かる方が居りましたら教えて下さい。

A 回答 (1件)

「一応」という言葉の使い方に違和感を感じます。


「一応削除されてはいるが」というからには「通常は削除せずに含める」みたいな文が
続きそうな気がしますよね。引用部分の続きはないのでしょうか。
以下では私の理解を説明します。

半音階的音程とは、半音階に含まれる音程のうち全音階的音程以外のものをいいます。
しかし、この定義通りだと具体的にどんな音程が含まれているか想像しにくいため、
実用的には「増・減音程のうち、全音階的音程である増4・減5を除いた音程」というふうに
覚えることになっています。しかし実際は、増7・減2は半音音階に出てきません。
ではこれを確かめてみましょう。

半音音階は上行はシャープ、下行はフラットに統一します。
どちらで説明しても同じなのでここではシャープ系で説明します。

ハ 嬰ハ ニ 嬰ニ ホ ヘ 嬰ヘ ト 嬰ト イ 嬰イ ロ

この中に出てくる音程を種類別に分類し、登場回数が多い順に並べると・・・

完全1度(完全8度)12通り
完全5度(完全4度)11通り
長2度(短7度)10通り
長6度(短3度)9通り
長3度(短6度)8通り
長7度(短2度)7通り
増4度(減5度)6通り←ここまでが全音階的音程
増1度(減8度)5通り
増5度(減4度)4通り
増2度(減7度)3通り(ハ~嬰ニ、ヘ~嬰ト、ト~嬰イ)
増6度(減3度)2通り(ハ~嬰イ、ヘ~嬰ニ)
増3度(減6度)1通り(ヘ~嬰イ)←ここまでが半音音階的音程
増7度(減2度)なし

こんな感じになります。2列目のカッコの中は転回音程です。
すると増7・減2はやはり存在しないことがわかります。
よって定義通りに考えればわざわざ「一応削除されている」なんてことを言う
必要はないはずなんです。実際に無いわけですから。

ではどうして初めから「増・減音程のうち、増4・減5・増7・減2を除いた音程」
としないのかという疑問が生まれると思いますが、端的に言うと増7・減2なんて
めったに出てきませんから大した問題じゃないんです。
このあたりをしっかり議論するには、そもそも全音階的音程と半音音階的音程を区別する
意義は何なんだというところから話す必要が出てきます。

ピタゴラス音律や中全音律では減2度は完全1度にはなりませんが、
現代主流の平均律では響きの上では完全1度(異名同音)です。
この平均律における事情を考慮するならやはり増7・減2は半音音階的音程に含めるべきでは
ないということになります。これが引用された文の趣旨だと思います。

しかし、だからといって全音階的音程に含めるのも気持ち悪いですよね。
個人的な意見では、増7・減2は、上の表に書かなかった重増・重減音程とまとめて
微分音階的音程とでも呼ぶべきだと思っています。
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この回答へのお礼

引用部分の続きはありません。
とても分かりやすい説明ありがとうございます。
全音階的音程と半音階的音程の区別は難しいですが
初めは全く分からずもやもやしていたものが解消されました。
ありがとうございます。

お礼日時:2010/09/01 12:01

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