あなたの習慣について教えてください!!

有機ELの論文を読んでいるんですが、調べてみても4か所ほどよくわからないところがあり困っています。わかる範囲でいいので、どうか手助けお願いします。

・「EL素子作動中のジュール熱のため、簡単にホール輸送層の結晶化を引き起こしてしまう」と訳せるところがあるんですが、これはどうゆう意味でしょうか?なぜジュール熱によって結晶化が引き起こされるのでしょうか?

・The high power efficiency should be greatly important in the reduction of power assumption for practical applications. とあるんですが、power assumptionというのはどうゆう意味でしょうか?

・「MoO3バッファ層を差し込んだ素子の場合、ITOからホール輸送層へのホールの注入はさらに効率的になる。これはNPB/ITO offset energy の減少によるためである。」と訳せるとこらがあるんですが、offset energy はどうゆうことを意味しているんでしょうか?

・「interface stability at anode」とよくでてきて、どうやらバッファ層を差し込んだEL素子は、この陽極での界面の安定性(?)が増すということが書かれているんですが、界面の安定性とはどういう意味なのでしょうか?

A 回答 (3件)

4つに質問に順番に番号をつけました。



(1) 結晶化の原文(英語)は何でしょうか。文章全体を提示していただけると助かります。

(2) 意味的には power consumption(消費電力 or 電力消費)だと思うのですが、誤植でしょうか。assumption(仮定)だと意味が分かりません。消費電力とすれば以下の訳になります。
   特定の応用での消費電力を低減させるには、エネルギー(変換)効率を高めることが極めて重要である。
論文タイトルはAPLの Improved performances of organic light-emitting diodes with metal oxide as anode buffer だと思いますが、閲覧契約していないと abstract しか見れないので前後の文章が確認できませんが。

(3) この offset energy は、接触している物質界面での LUMO のエネルギー差、無機半導体での価電子帯不連続(valence-band discontinuity)のことです。このofset(エネルギー差)は正孔に対するエネルギー障壁になるので、これが大きいとITO側の正孔がNPB側に行きにくくなります(動作電圧を高くしないと所望の電流が流れない)。価電子帯下端のエネルギーが ITO と NBP の間にある(と思われる) MoO3 を間にはさむことで、正孔が ITOから NBPに流れやすくなる(駆動電圧を低くできる)ということを狙ってバッファ層を挿入しているのだと思います。無機半導体の発光デバイスでも動作電圧低減のためにそういう構造が使われることがあります。

(4) ここで言う interface は ITO と NBP の界面のことだと思いますが、バッファ層を入れないと、(3)で書いたように、動作電圧が大きくなって素子全体がジュール熱で発熱するため、(1)で書かれているように、ホール輸送層(NBP?)の熱劣化が起こりやすい(NBPは耐熱性が低い?)、つまり安定性に欠けるという意味だと思います。バッファ層を入れることで、発熱が抑えられてデバイスの信頼性が向上するということだと思います。
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ANo.1 です。


(3)の LUMO は HOMO の間違いでした。
ここ(http://www.msl.titech.ac.jp/~hara/PSI(4-24).pdf)の2ページのベンゼンからグラファイトに至るまでの HOMO の段差が ofset です。

この回答への補足

わかりやすい回答ありがとうございます!
(1)の英文ですが、
It is generally easier to induce the crystallization of hole transport layer by the introduction of an improper buffer layer due to Joule heat during device operation.
となっています。

補足日時:2010/10/12 12:10
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論文の全文を見ました。


(1) この文章を訳すと
   しかしながら、不適切なバッファ層を導入すると、デバイス動作中のジュール熱によって
   正孔輸送層が結晶化しやすくなることが多く、極端な場合、デバイスの安定性が損なわ
   れてしまう。
となります。crystallization は結晶化でいいと思います。この文の末尾に文献9,10がついているので、その文献を見てみたところ、文献9で crystallization という用語がかなり出てきます。文献10は、ITO/CuPc/NPB 構造(CuPcがバッファ層)とすることによって、長期動作時の動作電圧の上昇が抑えられるというもので、crystallization という用語は出てきません。文献9の Fig. 8 には、ITO/CuPc(10nm)/TPD (100nm)/Alq (50nm)構造を90℃と110℃で30分アニールしたときの光学顕微鏡写真が出ていて、110℃でアニールしたときにTPD層の結晶化が顕著なことが分かります。結晶化と動作電圧の上昇との関係は本文で述べられているのかもしれませんが、論文が13ページもあるので全部読みきれていません。文献9をじっくり読んでみてはいかがでしょうか。

(2) 原文は assumption でした。学術論文誌で誤植はないと思うでのですが。どちらにしても、power efficiency( lm/W 単位での発光効率)が高いということは重要だという一般的なことを言っているだけのようです。

(4) ご質問の論文の Fig.3 の挿入図に ITO/MoO3/NPB のバンドラインナップが出てますね。予想した通り、ITOのHOMOレベルが一番浅く、MoO3、NPB の順番で深くなっています。MoO3バッファ層なしだと、HOMOのオフセットは 5.7-4.8 = 0.9eV と大きいですが、バッファを入れることによって、このオフセットが 0.5eVと0.4eVに分割されるので、動作電圧低減の効果があるということだと思います。

私は有機物は専門でないので、正孔輸送層が結晶化すると動作電圧が高くなる理由は分かりません。専門の方のコメントを頂けると助かります。
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この回答へのお礼

本当に助かりました!
これをふまえてもう一度読んでみようと思います。
ありがとうございました!

お礼日時:2010/10/13 10:58

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