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ある工作機械メーカーの社長さんが
自社の工作機械のボールねじを内製しようとしたところ
あのような精度の高いものは、うちで内製するのは無理ですと、
技術担当の役員に言われたそうです。

ボールねじの精度が要求されるというのは、どのようなことを指すのでしょうか?
加工段階のことを言っているのでしょうか?
素人考えですと、工作機械をそろえて、加工すれば、できるような気がするんですけれども
この辺にお詳しい方、教えてください。

A 回答 (2件)

工作機械のボールねじですからバックラッシュをなくすためにミクロン単位以下の工作精度と硬さが求められます。


非常に硬い材料で半円形の溝をこの精度で切って表面を高精度に磨かなければなりません。
どれほど高価な機械を導入したとしても、その加工方法や鏡面研磨は熟練した職人の技術が無ければボールが噛んでスムーズに動きませんし長時間の使用に耐えることはできません。
このような特殊技術は長年の経験を持った職人に付いて10年以上の訓練を受ける必要があります。
ですから工作機械の価格は何千万円にもなります。
工作機械でなくて自動車用のステアリングにボールねじ使うこともありますが、この程度の物であれば、ある程度経験すれば製作も可能でしょう。
北朝鮮やイランでウラン濃縮のための日本製の高速遠心分離機を密かに手に入れる理由はこんな所にあります。
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この回答へのお礼

なるほどー。
関係ないご質問ですが
ボールねじは、日本のメーカーが強いのでしょうか?
それとも、ドイツやアメリカが強いのでしょうか?

お礼日時:2011/01/18 23:33

工作機械を使って作る製品の精度は、あくまで人の管理があって成り立つものです。


ボールねじと言えば、工作機械の加工精度に関係する大切な部品です。

1mの鉄の棒は、気温が1℃変化すると0.1mm長さが伸び縮みします。
いくら高価な工作機械を導入してボールねじを作っても、熟練した工員の経験に基づく『管理技術』がなければ使い物にならないボールねじを作ってしまうことに成りかねませんよ。
素人が加工データを入力しても、保証した精度になるボールねじを歩留まり良く製作するのは困難です。
工作機械によっては、環境温度を1/100℃レベルで管理しないと安定した精度を保つことができません。(実際にそのような機械を使っていますので)

できあがったボールねじの品質管理も大変です。
測定器は、測定できる範囲と分解能で価格に違いが出てきて、特に分解能が高くなればなるほど桁違いに高額になります。
恐らくボールねじを作る工作機械や測定器など、一式揃えると億単位の投資が必要となります。
当然これら機械や装置の管理をしなければ、精度などの保証もできません。

内製するためには、
1.熟練した加工技術を持っている人が必要。(刃物や砥石などの工具の技術も含めて)
2.莫大な投資が必要。(ペイできるほどの売り上げが期待できるか)
3.機械や装置の管理技術も、精度を保証するためには重要な技術となる。
4.トータルして、社内の管理体制を今以上に厳しくする必要もあります。

今思いつく限りで4つ挙げましたが、もっといろいろと必要なものがあると思います。
結局、『人』、『金』、『技術』、『管理』など、問題が出てきます。
これらをすべてクリヤしないと、なかなか内製はうまく行くものではありません。

先にも少し書きましたが、
>工作機械をそろえて、加工すれば、できるような気がするんですけれども・・・
実際は、工作機械にも『誤差』や『癖』と言うものがあり、1mmとか0.5mmレベルの精度であれば問題ありませんが、1ミクロンとか、それ以下のナノのレベルになると、大変厳しい温度管理や振動の管理が必要になってきます。
2mの高さの機械が設置してあるところの環境温度が、1℃変化すると0.2mm変化し、それがそのまま加工物の精度に影響します。
おまけに工作機械は主軸やテーブルなどが動きます。
動けばかならず『熱』が発生します。
この熱を如何にして、加工精度に影響を与えないように制御するか。

1ミクロンの精度を保証する工作機械を作ろうとすると、一般的にはその工作機械に使われているボールねじ(内製しようとしている物)の精度保証は1/10以下にする必要があります。
つまり、0.1ミクロン(1/10000mm)の精度を保証しなければなりません。

ボールねじの製作の難易度については今回は触れませんでしたが、実は大変に難しく、加工技術や測定技術も大変高度な技術が要求されます。
今回はその前の段階の、『管理』と言う面で大変であることを知っていただきたいと思います。

ボールねじを作ることを生業にしようと言うような覚悟であれば、そりゃあ何があろうとも進んで行く必要がありますが、今の時期、数年単位での莫大な投資をする可能性があるようなことを始めようとすると、よほど企業としての体力があるところしかできないと思います。

精度の高いものを作ろうとすると、普段ではあまり考えない温度だとか振動などの影響が大きくなります。
変化を「0」にするのは実際難しいので、変化しても影響を極力抑える『技術』が必要となります。
教えてもらって、1日や1週間でできるものではなく、長年取り続けたデータなどの積み重ねで良くなって行く技術です。
精度の高いボールねじに限らず、精度の高い加工物についてはすべて言えることです。
加工する工作機械は、あくまで『手段』。
精度を出すには、『人の管理・技術』が不可欠なものなのです。
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この回答へのお礼

フライス盤を製造している大手の牧野さんの記事が日経産業新聞に出ていました。
牧野さんが内製したかったらしいのですが、担当の役員さんに、無理と断られたそうです。
それで、ボールねじに興味を持ちました。
THKという会社もボールねじをやっていて、最後発でボールねじを始めたようですが、
高品質の製品を作っているようです。それで、高い工作機械を買ってくれば、できるのかな?と
素人考えで、つい書き込んでみましたが、ボールねじ、奥が深いと反省しています。

お礼日時:2011/01/20 22:24

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