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重力に抵抗して、生き物が立ち上がっている力は、筋力だけなのですか?

植物に筋肉はありませんし、動物(人間を含んで)は骨格という支柱があるにせよ、筋肉や筋膜のゴム状、ネット状のものが
それら骨格を上手くバランス良く立たせる事が、本当に可能なのでしょうか?

例えば、動物の骨格模型(もっと簡単な作りでもいいですが、バラバラの部品ということで)
にゴムバンドやネットを上手く張り巡らせて、立たせる事が出来るとは思えないのです。。。
立つとしますと、それは骨(部品)を積み木のように積み上げるという、ゴム(筋肉)とは無関係だと思うのです。

どなたか、よろしくお願い致します。

A 回答 (9件)

>>この筋力は、いわゆるインナーマッスル(深層筋)によるものと考えていいわけですね?


>>姿勢維持のために使う筋力。(何も深層とは限らないと思いますが・・・)

単純にインナーマッスルとひとくくりにしていいかは分かりかねますが、抗重力筋と呼ばれる筋肉群が特に姿勢維持に関わっております。
スポーツの指導者をされているというのであれば、お聞きになったこともあるかもしれませんね。


>>つまり、筋にはその重心を支える調整役と、動きを生み出すための(いわゆる外側の大きな筋群のように)役割と
>>2つの役割を考えた方が良いということですね。

そうですね。極端に言ってしまえばどちらの働きも筋肉の収縮と弛緩によるものですが、特に調整役という意味では筋肉の感覚器官としての役割が重要なようです。前述した筋紡錘と呼ばれる器官の働きですね。
ちなみにこの感覚器官としての機能は筋肉がリラックスしていないと十分発揮できないらしいです。
暗闇で、そ~っと当たりを手探りするときの腕や足のゆっくりした動きを連想すれば分かりやすいかと。


>>これは人間でいうと、項靭帯になるのでしょうか?
>>それとも人間の場合は僧帽筋か頭板状筋のような筋肉になってしまうのでしょうか?

申し訳ありません。これらの専門家ではないので、ちょっと、正確には分かりかねますが、位置や機能的には項靭帯がこれに近い働きをしているようですね。
ただ、四足動物のように頭部が横に長く突き出しているのとは違って、人間は直立歩行しているので靭帯による固定的な支えはそれほど発達はしていません。
四足動物の首というのは、言ってみれば、手に重りを持って、横にまっすぐ伸ばしているような状態です。これを筋肉のような動的な器官で支えているとすぐに疲労が溜まるので、腱や靭帯のような固定的な支持組織で支えているわけです。




>>可能であれば、また何かの機会にいろいろと教えて頂ければ嬉しいのですが、
>>個人間のやり取りは禁止とのことで・・・
>>どうしたら、また確実にお話を聞かせて頂けるのでしょうか?

プロのスポーツトレーナーの方にそこまで高く評価していただけるとは大変光栄に思います。
ただ、私自身はアスリートではなく、専門も実をいうと腸機能でして、今回お話させていただいた内容はあくまで大学生物系学部での一般教養レベルにすぎません。
スポーツ生理学や体育学について専門に学んだわけではないので、今回以上に詳しい話や、スポーツに活かせるような専門知識はというと、正直自信がありません(笑)。

雑学レベルでよろしければ知っている限りでお話させていただきますが、あまり高度な話を期待されるとメッキが剥がれてしまうかも(汗)。

それでよろしければ、例えばこのページを残しておいて、回答No.8や、今書き込んでる回答のお礼欄か補足欄を残しておいて、何か疑問が出れば、書き込んでいただければと思います。
毎日とはいきませんが、ページをチェックしておきますので、私の知識の範囲で回答させていただきます。

それに、質問者さまのIDはメモしておきますので、生物カテで新しい質問があれば出来る範囲でお答えさせていただきます。

こちらも質問者さまの考えや発想に出会って、色々考えさせられ、自分の理解度や知識の不足を実感したり勉強になりましたのでありがたく思っております。

では、いったんここで筆をおかせてもらいます。

この回答への補足

本当に素晴らしい方と、こうして出会うことができ、嬉しく思います。
ありがとうございます。

大学生物系学部での一般教養レベルのことすら、何も分らずにトレーナーというのも、恥ずかしい限りです。

今回の問題に限らず、
人間の障害として、腰痛や外反母趾の原因が直立2足歩行や、ハイヒールなどのせいだといわれますが、
こうしたことも、どうにも腑に落ちないのです。

また改めて質問させて下さい。
今後ともよろしくお願い致します。

補足日時:2011/02/06 21:14
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すいません。


訂正です。
骨の主成分は炭酸カルシウムではなくリン酸カルシウムでした。

大変失礼しました。
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>>液体である細胞が集まって、なぜ骨のような堅い組織になるのか、感覚的には実感できませんが、不思議かつ凄いことですね。



これについてですが、たしかに細胞=液体の塊、と考えると不思議に思うかもしれません。
ですが、細胞の構造を理解すればけして不思議なことではありませんよ。
例えば液体のような不定形の単細胞生物のアメーバ。あれは液体のようにも思いますが、自由自在に形を変えるには液体では不可能です。
細胞内に細胞骨格と言われる物理的な支持機構が存在し、それがATPを消費することで形を代えて、アメーバの形状を変化させています。(実際にはもっと複雑な機構が存在するのですがややこしくなるので省きます)

人間の細胞も同様。細胞の内側には細胞骨格があり、細胞膜である脂質二重膜は液体に近い構造ですが、膜タンパクというタンパク質が脂質二重膜の縦横を走っており、さらにコレステロールなどが支持体となって細胞膜を物理的に強固にしています。

骨については炭酸カルシウムが膠原繊維に沈着することで堅く頑丈な構造を作っています。
骨以外の組織でも基底板やコラーゲン線維などのタンパク質性の繊維ががっちりと組織を補強し形作っています。
ですので、きちんと物理的に強固な機構が生体を支えているのです。



>>テンセグリティーですが、そうしますと、生まれたての動物がすぐに立ち上がれたりするというのは、
>>このテンセグリティー構造を使いこなす能力が高いからだ、と考えて良いのでしょうか?

そうですね。使いこなす、というのが適切かは分かりませんが、草食動物が生まれつき運動神経系と筋肉が発達しており短時間で立つ、歩くなどの動きが可能になっているのは確かだと思います。
そこに至る発生のメカニズムや進化の過程などは分かりかねますが、とても興味深いことだと思っております。



>>決して重たいもの(重たい体)を持ち上げる(押し上げる)というような感覚ではなく、
>>構造体を変形させるということであって、そのために、素人が考える程、筋力を要さないということになるわけですか?

そうですね。テンセグリティーという考え方でいいと思います。
哺乳動物は自分の体(体重)を純粋に筋力で支えているわけではないんです。もしそうだとすればタコと同じで潰れちゃいますし、仮にそれが可能な筋力があったとしてもすぐに疲れ果ててしまいます。

まず、骨格と腱が巧妙に配置され、筋力に頼ることなく立てるような設計になっています。
そういう意味では筋力で重力に抵抗する、というよりは筋力は重心を支えるための構造の調整役としての役割が大きいと考えられます。

四足動物の骨格で例えるなら、前足は上から重さがかかると体を後ろに押す方向に倒れるように設計されており、同時に後足は体を前に押す方向に倒れるように設計されています。
すると、前後の足に体重がかかると、これらのベクトルが複合し、体を押し上げる力が発生するようになっているのです。
自分で雑巾がけの要領で四つん這いになってみると分かりやすいかもしれません。
また、前述しましたが、牛やキリンなどの四足動物の横に付きだした頭部は太くて頑強な腱によって胴体の脊椎と結び付けられており、筋力に頼らず支えられるようになっています。

これらの構造的なパワーは体勢を変えることで強めることも弱めることも可能です。足の角度を変えれば犬みたいに容易にペタンと伏せの状態になれますよね。一方、足を突っ張れば体を高く押し上げられる。
これは筋力と構造の力の複合があってこそと言えると思います。

いかがでしょう?
骨格と筋肉の構成は非常に面白い内容です。
ご興味が出られたのなら調べてみられてはどうでしょうか。

この回答への補足

>細胞内に細胞骨格と言われる物理的な支持機構が存在し、それがATPを消費することで形を代えて、アメーバの形状を変化させています。


細胞骨格というのがあるんですね。
全く知らなかったのですが、前回のご回答を頂いた後、私も細胞のことを少し検索しまして、細胞骨格の存在を知りました。
難しくてよくは分らなかったのですが、ATPを使っているということは、筋肉と似たようなところがあるのですね。
細胞膜もテンセグリティー構造ということは、やはりフラクタルが成り立っているわけですね。
とてもすっきりします。


>筋力は重心を支えるための構造の調整役としての役割が大きいと考えられます。

この筋力は、いわゆるインナーマッスル(深層筋)によるものと考えていいわけですね?
姿勢維持のために使う筋力。(何も深層とは限らないと思いますが・・・)

つまり、筋にはその重心を支える調整役と、動きを生み出すための(いわゆる外側の大きな筋群のように)役割と
2つの役割を考えた方が良いということですね。


>牛やキリンなどの四足動物の横に付きだした頭部は太くて頑強な腱によって胴体の脊椎と結び付けられており、筋力に頼らず支えられるようになっています。

これは人間でいうと、項靭帯になるのでしょうか?
それとも人間の場合は僧帽筋か頭板状筋のような筋肉になってしまうのでしょうか?


>前後の足に体重がかかると、これらのベクトルが複合し、体を押し上げる力が発生するようになっているのです。

この、上から重さがかかることで、押し上げる力が発生するというのは、面白いですね。
足裏のアーチ構造のようなことが、胴体と手足でもあるわけですね。
とても勉強になります。目が開かされました。


私は身体表現者であり、同時に動きに関するトレーナーとして活動をしているのですが、
今回の件では、本当に勉強になり(とはいいましても、ご回答頂いた内容が非常に難しく、分りやすく書いて下さっているものの、
私の知識レベルでは、どこまで分ったのか、甚だ疑問ではありますが・・・)
本当に助けられました。ありがとうございます。


可能であれば、また何かの機会にいろいろと教えて頂ければ嬉しいのですが、
個人間のやり取りは禁止とのことで・・・
どうしたら、また確実にお話を聞かせて頂けるのでしょうか?

補足日時:2011/02/06 00:45
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完全な間違いではないですね。




まず実際、腹腔と胸腔はバランスボールのように頭の重量を支えています。
そういう意味では人体を風船に例えるのは間違いではないんです。
しかしながら、そのパワーを生み出してるのは筋肉と骨格の構造力学的なものです。
いわゆる圧力ではないんです。
横隔膜を含めた体幹の様々な方向性に走る複雑な筋肉群と骨の構成によって生み出されているのです。
ですので、単純な筋力では表しにくいですが、総合的には風船のごとき運動エネルギーを生み出しています。
古武術や中国武術ではこうした総合的な筋肉群や構造力学によって生み出される運動エネルギーを『気』とか『勁』という用語で説明しているようですね。
古流武術研究家の甲野氏の書籍などを参考にすることをお勧めします。
こうした力を力学的に分析し、スポーツ科学などに応用されている方です。
近代スポーツではこの風船のようなパワーを鍛えるための体幹の筋肉群のトレーニング法が発展しています。



貴方の最大の勘違いはミクロとマクロを混同されているところだと思います。

確かに細胞は液体成分の生み出す力で構造を形成しています。ですが、マクロな肉体構造はその水圧だけじゃ圧倒的に支えられません。物理的に強固なタンパク質や脂質で構成された結合組織によって細胞同士は接着し、臓器は形を形成します。
ミクロレベルでは確かに風船ですが、マクロレベルではむしろスポンジに近いんです。
そして、この適度な水分調節がなければ筋肉や神経だって正常に機能しません。
だから水を失えば神経や筋肉が機能を停止して人は倒れます。
ですが、人間を立たせている力は、いわゆる圧力ではないんです。骨格と筋肉です。
水は筋肉や各種臓器を適正に生存させるための主要因ですから確かに水分がなければ人は死ぬし、老人は皮膚を構成しているコラーゲンなどが劣化し、水分を保持できずしわしわになります。
でも、立てなくなるのは、筋肉組織や、筋肉を調整してる神経組織の衰えによる運動能力低下のためです。

圧力で人は立っていません。



さらに説明するとすれば、立つ、ということで重要なのは足ですよね。
足首や膝がきちんとしてなければ立てないでしょう。
ここでは分かりやすく考えるために膝を支えているのは圧力と仮定しましょう。
圧力を生み出すには、圧力を伝える物理的な媒介が必要であり、それは何らかの流体(気体や液体のこと)である必要があります。
残念ながら『気』という空想上の概念では圧力は生み出せませんので無視します。
圧力を生み出すには、密封された構造の中に流体が入り、なおかつその流体に力を加える必要があります。そうすれば圧力が発生し、運動エネルギーが発生します。実際、ロボットにはそういう油圧や気圧を利用した筋肉状構造で動くものもあります。
では、流体に圧力を生み出させる機構はどうか?機械ならモーターや燃料の爆発などで運動エネルギーを生み出します。
流体は運動エネルギーを発揮するための媒介であり、流体だけでは運動エネルギーは生み出せません。
浸透圧などで外部から水を吸収させる、という手もありますが、これははっきり言って運動エネルギーとしては弱すぎます。雑草を支えるのが精いっぱい。
体内で燃料を爆発させるわけにもいかないので筋肉ですね。筋肉が収縮し、流体袋を締め付け、運動エネルギーを生み出すことで膝を動かすのでしょうか?
それが可能なら、脛や太股の肉を思い切り締め付ければ膝が伸びたりするはずです。
しかし、現実にはそうはなりません。筋肉が壊死するか骨折するのがせいぜいでしょう。
解剖学的にも完全に否定されます。

ここ以外の関節についても同様。
どうでしょう?納得いったでしょうか?

ほかに疑問などあれば捕捉でお願いします。

この回答への補足

補足ということではないのですが、こちらを使わせていただきます。

非常によく分りました。
ありがとうございます。

つまり骨や筋などによるテンセグリティー構造が、ここまでのお話で出てきた圧力的な力を生み出しているわけですね。
張力と圧縮力による釣り合いであって、決して内側からの圧力ではないということですね。

ですから、その構造を形作っている筋などに問題が生じると、張力と圧縮力による釣り合いが崩れるということなのですね。


ミクロとマクロの混同ですが、本当にそうですね。
フラクタルのように、ミクロの構造がそのままマクロの構造に繋がるのでは?
と思っていたですが、違うようですね。
単純に考え過ぎていました。。。

骨にしても筋にしても、そのミクロのレベルでは液体としての力が生きているわけですが、
それらが集まった組織として骨や筋になると、今度は液体の力でなく、それらが建築的な構造を形作る事で力を生み出すわけですね。

液体である細胞が集まって、なぜ骨のような堅い組織になるのか、感覚的には実感できませんが、不思議かつ凄いことですね。


>浸透圧などで外部から水を吸収させる、という手もありますが、これははっきり言って運動エネルギーとしては弱すぎます。雑草を支えるのが精いっぱい。

そうですね。人間を支えるほどのエネルギーではないのでしょうね。
けれど、浸透圧が雑草くらいなら支えられるほどのエネルギーにはなる、というのは、やはり凄いですね。


ここまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
一般的に、人体を支えている構造が、だるま落とし的だと聞くものですから、どうにも腑に落ちなかったのですが、
おかげさまで本当にすっきりと、よく分りました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
重ね重ね、ありがとうございました。

補足日時:2011/02/05 08:38
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この回答へのお礼

補足や、お礼などの項目を、使いこなせずすみませんが、こちらを使わせていただきます。

テンセグリティーですが、そうしますと、生まれたての動物がすぐに立ち上がれたりするというのは、
このテンセグリティー構造を使いこなす能力が高いからだ、と考えて良いのでしょうか?

決して重たいもの(重たい体)を持ち上げる(押し上げる)というような感覚ではなく、
構造体を変形させるということであって、そのために、素人が考える程、筋力を要さないということになるわけですか?

お礼日時:2011/02/05 09:03

ちょっと捕捉です。



大気圧は全周囲から押しつぶそうとする力
重力はものを下へと引っ張る力

ということを考えてみて下さい。
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>>気圧、重力に抵抗していられるというのは、内側からの圧力があってこそではないかと思うのです。


ロボットを作る際に、骨に当たる支柱部材以外を、柔らかな(ゴム状のものも含んで)素材でとなりますと、
最も外側の形を作るには、気体か液体かで内部を満たす事をしませんと、陥没してしまうと思うのです。


失礼ながら質問者様は気圧と重力をごちゃまぜにして考えておられるようですが、この二つは全く別物です。
まず、確かに生体の骨格以外の柔らかい組織は水分が細胞に満ちていなければその形を維持することはできません。
カサカサに干からびればミイラになります。
ただしそれはあくまで構造の維持にすぎません。例えば風船は空気が入っていなければぺしゃんこになります。
ですが、空気入ってパンパンになっていても、安定が悪ければコロンと転がってしまいます(この場合、風船の中身は通常の空気で、浮かばない重さとします)。

事実、生体は体内の浸透圧を維持するために体液中のイオン濃度を一定に保とうとします。
これは人間でも動物でも魚でも虫でも同じです。ですが、これらはあくまで水分とイオン濃度の維持のシステムであって、運動エネルギーは発生しません。
また、大気圧や水圧に対抗するように生体の内部から外部への圧力は確かにあります。
ですが、この内側からの圧力と立つことは全く別問題です。
立つことは物理的なバランスの維持ですから、体内の細胞でいくら圧力を発生しようと全く無関係です。
ついでにいうと、細胞レベルの圧力の維持とマクロな組織レベルの圧力の維持も別問題です。
マクロレベルの圧力の維持を細胞レベルの水圧でどうこうしようとしたら細胞は内側から破裂します。

人間の体は骨に支えられた水袋のような構造になっているのは確かですし、ある程度水分がなければ形も生体反応も維持できません。
ですがそれはあくまで人間という構造を維持するシステムであって運動器官ではないんです。
風船の例ですが細長い風船を折って、動物の形にするパフォーマンスがあります。あれで、人間の形をした風船人形を作ったとしましょう。
それが立ったとしても、それは圧力による力ではなく、安定した物理的な構造によるものです。
空気が抜けたら潰れてたっていられなくなるじゃないか!と思うかもしれませんが、それは人間を殺したら立っていられなくなるじゃないか、というのと同じ理屈です。

あくまで人間が立てるのはヤジロベーと同じで、純粋な物理的なバランスの維持の結果にすぎません。
立った状態で常に重心維持のために体が動くのは単純に二足歩行の人体の安定が悪いからにすぎません。

もう一度言います。水圧(気圧でも油圧でもいいですが)とは内側から膨らむ圧力であり、それが重心バランスの維持には関与はしません。あくまで生体組織の維持にしか関わりません。

水圧を利用した筋肉状の運動組織があれば話は別ですが、当然哺乳類にはそんな組織はありません。
筋肉はATPを利用した分子モーターで稼動しています。


圧力と重心維持は全く別問題です。
浮力のない陸地ではタコもイカも地を這うことしかできない。これをよく考えてみて下さい。

そして、肉体を物理的に支えているのが骨格であり、運動組織として重心の維持を行っているのが筋肉であり、それを制御する中枢神経系です。


ダイビング中の人体の圧力耐性については専門知識がないのでお答えできませんが、少なくとも、それが陸地で立っていられるメカニズムとは無関係だとは断言できます。

私の文章と知識の問題もあって分かりづらいかもしれませんが、ひとまずここで筆を置きます。
さらに捕捉などございましたら、よろしくお願いします。

この回答への補足

根気よく、丁寧に詳しく答えいただきありがとうございます。

>空気入ってパンパンになっていても、安定が悪ければコロンと転がってしまいます

これは、例えば人間の頭より下の体を、ひとつの大きな風船とし、その風船の上に、頭というそれなりの重量が載っている
と考えるのは、無理がありますか?

トレーニングに使われるバランスボールという、大きな風船のようなものがあります。
その上に載って(座ってでも、立ってでも)バランスを取ったりするのですが、
上手くバランスが取れている時は、ある意味で安定状態(動的均衡が保たれている)です。

人間の体もどこか、そんな感じなのではないかと。。。

バランスボールの場合は、載っている人がバランスを崩す事で、落ちてしまいますし、
単純に風船(パンパンではない方がいいと思いますが)の上に、重りを載っけているだけですと、
余程上手くバランスがとれていないことには、安定していられませんが、
逆にそのバランスを崩す事で、動きが生まれるとも考えられるのでは?
と思うのです。


もちろん、運動器官としての筋力の働きや、物理的な支えとしての骨格の働きは、おっしゃる通りで承知してはいるのですが、
例えば、年をとってくると重力に逆らいづらくなり、また小さくしぼんだようになってきますが、
それは筋力の低下や椎間板などの萎縮など様々な要因があるとはいえ、
水圧のようなものが、年をとってくると弱くなり、内側から張り出す力が低下し、
それが重力に逆らいづらくなる原因のひとつになっているのではとも思うのです。

もしかすると、それはいわゆる水圧ではないのかもしれませんが・・・


>空気が抜けたら潰れてたっていられなくなるじゃないか!と思うかもしれませんが、それは人間を殺したら立っていられなくなるじゃないか、というのと同じ理屈です。


そうですよね。
となりますと、先ほど「いわゆる水圧ではないのかもしれませんが」と申し上げたように、空気や水圧ではなく、
よくいわれるところの生命の「気」のようなものが、その圧力となっているのでしょうか?

バランスボールを内側から「気」で膨らませ、たまたまそのバランスボールの形が人の体の形で、中には骨や筋肉などがあり、
頭というもう1つの重いバランスボールを載っけているような・・・


やはり、無理な考えでしょうか?

ご意見のほど、よろしくお願い致します。

補足日時:2011/02/05 00:41
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動物も風船、ですか。


非常にユニークな考え方です。
それも完全な間違いではないとは思います。
肺がある胸腔、消化管の詰まった腹腔がある種の風船的な圧力で胴体を支えているのは確かです。
また、個々の細胞、組織、臓器の形を液体成分による圧力で支えているのも事実です。
ですが、それらの静水圧によって立つ、というのはあり得ないと私は考えます。
なぜならば静水圧とは水の詰まった内腔全体に等しく圧力がかかるわけで、それで体全身を支えようとする、そういう圧力のこもった管状組織が全身に張り巡らされていなくてはならず、そしてその圧力を制御する筋肉が必要です。
植物の場合は維管束という水分を通す管が全体に通っています。
しかし、もし人体にそんな組織があれば体は常にピンとのびたまま動けなくなりますね。
それに、体操選手のように自由自在に体を曲げたり斜めに傾けたりは困難になるでしょう。
万一大けがをしてその管に穴が開いたら体液がすごい勢いで出て体がぺしゃんこにつぶれそうです。

ですが、人体には解剖学的にそんな器官は存在していません。
言うまでもないですが、血管やリンパ管にはそんなパワーも機能もありません。

そもそも、静水圧で体を支える植物ってごく小さい雑草レベルの草花くらいですよ。
静水圧には体重数十kgの人体を支えられるパワーはありません。
あくまで毛細管現象による現象でしかないですから。


>>いくら筋肉などの組織をコントロールしても、骨などの部材を下から積み上げるような動き(それも何段階にも渡って)
を生み出せないと思うのです。

残念ながら、生み出せるとしか答えようがないですね。
それだけ動物の骨格は合理的な構造をしており、筋肉のパワーと精度、そして脳の制御能力が優れているのです。
動物の骨格標本を実際に手に取ってみるとその合理性にほれぼれせざるをえません。
それに、人体を模したロボット(本田技研のアシモなど)は人体構造をもとに設計され、きちんと立って歩いていますよ。
いうまでもないですが、ロボットに静水圧は関係ないですね。

一応、生物系の大学を出て、筋肉や骨格の勉強もして、動物の解剖にも立ち会った経験のある身としては、このように考えております。

よろしければ、なぜ筋肉と骨格では人は立てないとお考えなのか、お答えいただけるでしょうか?

この回答への補足

詳しくありがとうございます。
とても分りやすいご回答で、助かります。

そうですね、もちろん、私も静水圧だけで立ち上がれるとは思っていないのですが、
気圧、重力に抵抗していられるというのは、内側からの圧力があってこそではないかと思うのです。

ロボットを作る際に、骨に当たる支柱部材以外を、柔らかな(ゴム状のものも含んで)素材でとなりますと、
最も外側の形を作るには、気体か液体かで内部を満たす事をしませんと、陥没してしまうと思うのです。

さらに、ロボットは土台の接地面積や重さが、動物と比較しますと、かなり大きかったり重かったりします。
そして、ロボットは基本的に、止まっている時は、本当に止まっていますけれど、
人間(動物)は、ただ立って止まっている時ですら、ずっとバランスをとるために、動き続けています。

確かに、動物の骨格は非常に合理的な美しい構造をしていると思うのですが、その構造だけに頼っては立っていられない、
あるいは、立たないようになっているのでは?と思うのです。

脳(かどうかは、私には分りませんが・・・)が制御しているもののひとつに、静水圧に相当するような
内側からの圧力があるのではないか?
と考えてしまいます。

例えで挙げました風船、その無数とも言える風船(細胞ひとつひとつも風船だと考え)の空気の量(内側からの圧力)を
制御することで、体全体の動きを生み出しているのでは?
ということも、考えられるような気がするのです。

ダイビングで水深何十メートルと潜った場合に、かつての科学的な計算では、
人間の骨格などが、その水圧に耐えられずにぺしゃんこになると考えれていたものが、
実際にはその限界値を超えて、人間は潜れています。


なぜ筋肉と骨格では人は立てないと考えるのかを、うまく説明出来ず申し訳ないのですが、
筋肉と骨格で人が立てているという考え方に、不足を感じるのです。
説明しきれていない感じがしてしまうのです。

専門的なところから、また、お話をいただけますでしょうか?
よろしくお願い致します。

補足日時:2011/02/04 19:21
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先ほどの質問にも答えさえていただきましたので、こちらでもお答えしようと思います。



まず、細い草などの植物については、静水圧によるところが大きいです。
細い管に水を入れれば圧力でピンと管がのびます。その力で茎を支えていますね。
野菜など、乾燥するとしなびてしまうのは静水圧を失い、張りがなくなるからです。
ある程度太い植物や木のレベルになると、単純に頑強な組織によって自重を支えます。
詳しくはセルロース、リグニンで調べてみてください。これらの分子の働きにより、組織を木化することで重量比においては鋼鉄以上の頑強な組織を作り出しています。


次に、動物ですね。
これは質問者さんもおっしゃっていますが、物理的には骨格、筋肉、結合組織の3つによってなされています。
まず骨格。
前の質問で、幼い草食動物の細い足で重量を支えられるとは思えないと、とおっしゃっていましたが、結論からいえば支えられます。
まず骨の強度は重量を支えるという点ではレンガやコンクリートより頑丈です。単純な物理的強度だけでなく、力学的に非常に無駄なく体重を支えられるようにアーチ状構造や中空構造で構成されており、建築学的な視点からみてもきわめて合理的な設計となっています。
ただし固定してへし折るように力がかかると割とあっさり折れたりしますけれども、少なくとも、敵対者に関節技でもかけられないかぎり問題ではないですね。

次に、筋肉。おそらく質問者様は、足が細い→骨も細い→筋肉もついてない→立てない、と認識されてるのではないかと思うのですが、これは大きな間違い。構造学的には手足の末端に筋肉がついてても邪魔な重りにしかなりません。
構造的には手足のような骨の細い部位には筋肉はあまり多数付着できない上に、てこの原理上、筋力を十分発揮できないのです。
なので、人間にせよ、動物にせよ、手足を支える筋肉の大半は胴体についています。
そして、胴体の大きくて強力な筋力を腱などの結合組織が手足の末端に伝えています。
テレビで格闘家を観察してみてください。意外と前腕やすねはほっそりしてて、背中や太ももの筋肉がすごく盛り上がっているのがわかるかと思います。ボクサーやキックボクサーなどが顕著ですね。
ただし絞め技などを使う人は前腕の筋肉も使うので手足が太い人もいますけど、これは体を支えるという意味では無関係です。
ブロードマッスルとか体幹トレーニングとかで調べてみてください。

次に腱などの結合組織。
これは、タンパク質でできた細くても頑丈な紐、くらいに考えてください。筋肉の力を骨に伝えるほかに、四つ足の草食動物の場合、頭を直接背骨とつなげて支える働きがあります。部位によっては骨化して体の重量を支えます。人間では膝の皿なんかがそうです。
ちなみに結合組織という言葉は腱以外にも血管など様々な組織を表すので、すべてが体を支える組織ではないですのでご注意を。

以上、脊椎動物はこれら骨格と筋肉と結合組織が精妙にくみ合わさって、重力に耐えてたっています。
生まれたばかりの草食動物も同じです。

しかし、これらを組み合わせただけでは立てません。
最も重要な組織、それは「脳」です。それも運動を司る小脳。そして平衡感覚を司る目と三半規管も重要ですね。
小脳は全身の筋肉や腱に存在する筋紡錘や腱紡錘という感覚器官から、各筋肉や腱にどの程度力がかかっているかをチェックし、全身の姿勢や重心位置をモニターしています。そして三半規管や目の視覚情報から得られた重力の方向のデータをもとに肉体を支える最適な姿勢をとれるように精密に全身の筋肉を制御しています。
この小脳の精密な筋肉制御によって我々は平然とたつことができるのです。

なお、筋肉は実は圧力や重力を察知するセンサーとしての働きをもっていることがわかっています。

すなわち、
ハード=骨格、筋肉、腱
ソフト=脳、感覚器官
この両輪の精密な働きが動物をたたせているといえます。

より詳細に調査されたいのであれば、筋紡錘、筋感覚、などの用語で検索することをおすすめします。
まだ不明な点があれば補足に書いていただければ可能な限りお答えいたします。

この回答への補足

いろいろと詳しくご丁寧にありがとうございます。
勉強になります。

ところで、植物にしましても、動物にしましても、様々な組織で支えているということは、
ある程度自分でも分っていると思うのですが、
なぜ、上の方向に向かって立ち上がっていけるのか?
これが分らないのです。

筋組織や結合組織といったものは確かに、重力に耐えることはしていると思うのですが、

質問に
「動物の骨格模型(もっと簡単な作りでもいいですが、バラバラの部品ということで)
にゴムバンドやネットを上手く張り巡らせて、立たせる事が出来るとは思えないのです。。。」
と書きましたように、

いくら筋肉などの組織をコントロールしても、骨などの部材を下から積み上げるような動き(それも何段階にも渡って)
を生み出せないと思うのです。
上から吊り下げられていれば、分るのですが・・・


端的に言いますと、動物にも植物と同じような静水圧が働いているのではないか?
ということなのです。

人間の体は60~70%が水分だと聞きます。
その水分を、例えば脳が吸い上げるような(花に水分が上がっていくように)形で、
重力方向以外へと、体を内側から押し上げているのではないか?
と考えているのです。
膨らました風船みたいな感じです。

大きな風船の中にたくさんの小さな風船が入っていて、その小さな風船にもまた、さらに小さな風船が入っていて・・・
という感じなのではないかと思うのです。


脳自体も、この風船の一種であり、と同時に多くの風船の位置や動きを感じ、コントロールしているのではないか?
と考えるのですが、

どうなのでしょう?


お話をお聞かせいただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。

補足日時:2011/02/04 14:57
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生きようとする気力






気力がないと、つい寝そべってしまいます。
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この回答へのお礼

全く、その通りですね。

本当に「気」の力は重要だと思います。

ただ、今回は生物学的といいますか物理学的といいますか、そんな観点からのお答えをいただければと思います。
何卒よろしくお願い致します。

お礼日時:2011/02/04 11:56

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