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昨日のフィギアスケート世界選手権男子フリーでの織田信成は高橋大輔選手よりジャンプの崩れもなかったし、まとまった演技に見えたのですが、高橋選手のほうが点数が上でした。織田選手は3回転ジャンプの飛びすぎ以外にも点数が低くなる部分があったのですか?それとも高橋選手が加点があったのでしょうか?どの部分なのでしょうか?また、小塚選手が3位のロシアの選手よりよかった部分はどこですか?

A 回答 (2件)

実際に、各選手のプロトコルをご覧になると、ジャッジの意図が多少はつかめるかな?と思います。



リンクを貼っておきますね。
英語で読みにくいと思いますが、上位選手順に掲載されてます。

男子ショート プロトコル
http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_ …

男子フリー プロトコル
http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_ …

フィギュアスケートのそれぞれの技には、既定の基礎点があります。
それにジャッジ各々が技の出来栄えを判断し、GOEという名の7段階(-3~+3)評価を加えます。
GOEは最高点ひとつと最低点ひとつを除外した合計数値の平均GOEとなり、それに応じた実際の配点(プロトコルには掲載されていません)が、基礎点と合わされ、最終的な得点が決まります。

今回、集計対象ジャッジは9名いたようですが、織田選手のフリーのGOEには、「フライング足換えコンビネーションスピン」で-1を付けたジャッジがひとりいます。
これは計算上、得点からはカットされます。
他の項目は評価0、もしくは評価1~2と、マイナス要素は並んでいません。
技術点では、織田選手のまとまった演技の評価はキチンとなされていることが伺えます。

プロトコルで、今回のフリーの織田選手・高橋選手の基礎点(BaseValue)を見比べてみると、高橋選手の方が持ち点の高い技を組み込んでいることが判ると思います。
今回、それぞれトラブルがあって、織田選手はトリプルアクセル+トリプルトゥーループは無得点、高橋選手は冒頭のトゥーループを1回転の扱いで基礎点を付与されたものの、出来栄えを示す項目GOEの影響で最終的には、織田選手が高橋選手を0.61点上回る技術点を獲得しました。

そんなふたりのフリーの得点差を生んだ要因となる演技構成点の算出方法は、GOEと同じ法則で計算された平均値が採用されます。

演技構成点には5つの項目があります。
今回、この5項目全てで、高橋選手は織田選手を上回る平均評価を得ています。

「スケート技術(スケーティングの質やスピード)」で0.21点差。
「要素のつなぎ(技と技との間のエッジ捌きや技への入り方・出方)」で0.22点差。
「演技力(動作や身のこなし・スピードの緩急などの工夫)」で0.07点差。
「振り付け(プログラム構成の調和)」で0.54点差。
「曲の解釈(音との合わせ方・音楽の表現力)」で0.78点差。

この時点で、高橋選手は織田選手を1.82点上回りますが、フリーの演技構成点の場合、この算出数値×2倍が最終的な得点となります。
これは競技ごとに演技構成点の係数が定められているためで、男子シングルの場合、ショートプログラムでは係数1、フリースケーティングでは係数2です。
プロトコルの「Factor」の下に記載された数値、ショートでは「1.00」、フリーでは「2.00」とあるのが係数です。

結果、フリーのふたりの点差は、演技構成点だけで3.64点。

この演技構成点、とりわけ「振り付け」「曲の解釈」といった採点項目は、ジャッジの嗜好や主観ですよね…。

次に、「小塚選手がロシアのガチンスキー選手よりよかった点」についてですが、プロトコルを見る限り、「総ての項目」といえそうです。
技術点で12.87点、演技構成点で4.4点と、大きな点差。

小塚選手の場合、8回組み入れることができるジャンプの内、得点が1.1倍となる演技後半に連続ジャンプや基礎点の高いジャンプを5回組み入れて成功させ、GOEでは冒頭ふたつのジャンプは最高評価に近く、他の技でもマイナス要素を寄せ付けなかった点が功績に繋がったようです。

フィギュアスケートのジャンプには細かい規程があり、見た目は成功でも減点を食らい、得点が伸び悩む場合があります。
その理由は、選手自身の過失もあれば、ジャッジの偏見もあります。
ガチンスキーは、今回、アクセルやフリップといった得点源のジャンプで点数を抑えられています。

一方で、小塚選手は2~3年前からジャンプの矯正に取り組んで来た労が報われたためか、今回の試合でもe(エラー)判定を受けていません。
また、ジャンプに限らず、定評のあるスピンや緩急をうまく使い分けたステップ、派手さに走らずフィギュア王道の技術と美しさで音楽との融合を工夫するなど、色んな貯金を活かし、結果に繋げたのが、今回の小塚選手かなと思います。
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この回答へのお礼

とても納得しました。両方の質問に詳しく答えてくださってありがとうございました。

お礼日時:2011/04/29 22:05

ISUの採点結果を貼っておきました。



技術点は織田選手の方が高いですが、演技構成点は高橋選手の方が高いですね。
織田選手 技術点 72.25 演技構成点 78.44
高橋選手     71.64       82.08

高橋選手は、どの試合でも演技構成点は高く、点数を稼ぐ事が出来るので得な選手だと思います。
演技を観ているとわかるのですが、曲に乗ってキレよく上半身と下半身が良く動きます。織田選手はそこの部分では、高橋選手には及ばないと思います。
ただ、ジャンプでは織田選手の方が加点が付きます。完璧なジャンプを跳べば3点の加点を貰うこともありますし。

ジャンプが崩れても点数が出る選手にランビエールやジェフリーバトルがいます。引退しましたが。彼らも演技構成点は高かったですね。特にランビエールは。彼は高橋選手の演技が好きで振り付けも担当しています。彼らのような選手はたとえジャンプが崩れても観ていて楽しいです。

小塚選手の場合も↓の採点結果を見るとよくわかると思います。

参考URL:http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_ …
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この回答へのお礼

ジャンプが崩れると見ていて楽しくないのはジャンプしかみてない素人だからかもしれません。ご丁寧に回答いただきありがとうございました。

お礼日時:2011/04/29 14:37

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