No.2
- 回答日時:
「結局人は一人だ」
としても、そういった「個」を共有しあっているということも言えるでしょう。
人が「自己認識」(我思う故に我あり)をすることで、「自己」を「外部」から切り出しつづけていることで、「自己を保ち続けている」ことこそが「私が私という主体性を保って生きている」ということになります。
でも、そうやって「外部から切り出し続けている」それぞれの「個」は、「切り出し続ける」からこそ「外部」が存在し続けることで自身を見いだすことができるのです。
「個」ということを徹底的に追求するとき、実は、「その外部」という概念を半ば否定的であれ、意識しているのです。そうして、そういった意識は、非常に強い「能動性」を有していると言えるでしょうし、逆説的に(無意識的に、もっと言えば、否定神学的に)「外部」や「受動性」を肯定しているとも言えます。
ようするに、「全て」が構成要素である孤立した「個」のみで成り立っていると突き詰めて知的に思索(空想)すればするほど、「関係」や「繋がり」、そうして「受動性」といった概念が浮かび上がってくるということです。
死生観が異なるであろう西洋哲学の一部でも、同様の思索がありますので、よろしければ参考にしてください。
共同体の否定神学を超えて?/浅田彰
>>> http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/s …
ナンシーの共同体論の鍵となるのは、『声の分有』(原著1982年刊:邦題は『声の分割』[以文社])で最初に提起され、『無為の共同体』で一般化された、「分有(分割=共有)」 partage という言葉である。人間はばらばらに分割されているが、まさしくそのように分割されているということを共有する、というわけだ。これはいわば不在の共同体/共同体の不在をもって実質的な共同体に代える、共同体の否定神学とでも言うべきものではないか。
だが、もう少し詳しく見てみよう。たとえば、死を考えるとき、この問題がもっとも先鋭な形で見えてくる。本書に対する大澤真幸の簡潔な書評(「読売新聞」9月30日号)を引こう。「死は人を絶対的に分離する。」実際、私の死は私以外の誰のものでもない。「ところが、死は『私』が独力で為しうる行為ではない。死は、行為不能状態への移行だからだ。」言い換えれば、主体としての「私」は途中で消滅してしまうからだ。したがって「死は『私』に属していない。」むしろ「死を出来事として完結させるのは、それを看取る他者なのである。」もちろん、その「他者」にとって「私」の死は他者の死でしかなく、「われわれは本来的な意味で他者の死を体験しない」(ハイデガー)。しかし――もういちど大澤真幸の書評に戻れば――「死において互いにどうしようもなく分離されているという『限界』こそが、人々の間で分有されているのだ。」これこそナンシーの考える「無為の共同体」の根拠である。
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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
「生ずるは独り、死するも独り、共に住するといえど独り、さすれば、共にはつるなき故なり 」とは
一人で生まれて、一人で死んでゆく、生活を共にしていたとしても、
心の奥底までも共にすることはかなわない。だから一緒に果てることは
ないのだ。というような意味だそうです。寂聴氏談
それと「生かされている自分」というのは意味が違うと思います。
これは「自分ひとりで生きているのではない。」という意味で
世間の中で生かされている自分が奢ってはならないという感謝と戒め的な意味です。
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