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固体イオン伝導体のイオン導電率と活性化エネルギーの関係について教えてください。

固体イオン伝導の活性化エネルギーというのはイオンがホッピングするときの障壁に相当するエネルギーと理解していますが、同じイオン伝導モデルを有していてキャリアの数も同等である材料の場合は、活性化エネルギーが低い物質は必ず高いイオン導電率を示すのでしょうか?

学術論文等を読んでいると、しばしばこれらの関係が逆になっているケースを見かけます。
つまりアレニウスプロットにて、ある材料Aのプロットの傾きが材料Bよりも大きいにも拘らず、導電率の値がBよりも高くなっているような図を見かけます。
同じイオン伝導モデルを有していると考えると、これらの関係に矛盾を感じます。

回答していただきたいのは、

1) 活性化エネルギーが低い物質は必ず高いイオン導電率を示すものなのか?
2) 1)の関係が必ず成り立つとは限らないのならば、その理由として考えられることは何か?
3) セリア系の酸素イオン伝導体において「キャリアの数=酸素空孔の数」と考えても良いのか?

の3点です。

知識不足からトンチンカンな質問になっているかも知れませんが、ご回答をよろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

現象論的には,活性化エネルギーが小さいということは電気伝導度の温度依存性が小さいということを言い換えているだけ.ただそれだけです.電導度の絶対値については何も言えません.



酸素空孔数をキャリア数と近似できる場合もあるでしょうし,そうでない場合もあるでしょう.材料やドープの方法,焼結状態,結晶程度,その他によって,どうなるかは変化しうるでしょう.

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。
>活性化エネルギーが小さいということは電気伝導度の温度依存性が小さいということを言い換えているだけ
確かに言われて見ればそうですね。理解できます。
しかしそうすると、同一の機構の場合でも「エネルギー障壁の大小」は「電気の通る量」とはあまり関係がないということでしょうか?
ここがまさに自分が矛盾を感じている部分になります。

3)の質問に対する回答については非常によく納得できました。

補足日時:2011/08/27 23:09
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> 同一の機構の場合でも「エネルギー障壁の大小」は「電気の通る量」とはあまり関係がないということでしょうか?



一般論から言えば,温度依存性が小さいと,低温では電導度が高いようでも,高温にしても大して増えない,一方,低温では電導度が低いようでも,高温では急激に大きくなる,ということですよ.この2試料では,温度域によっては電導度が逆転しても不思議ないじゃないですか.

同一機構ということは活性化エネルギーも大差ない,そうであれば電導度の逆転はおこらないかもしれませんが,そうなるとキャリア数の方が電導度の大小には支配的な影響を与えると言うことになりますね.論理的には.
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
おかげさまで自分の中で考えがだいぶ深まりました。
また機会がございましたらよろしくお願いいたします。

お礼日時:2011/08/30 09:47

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