
子供とサンポールを使ったメッキ実験をしています。
金属から出る泡と澱みの正体は何なのか、お教えいただけると助かります。
実験装置は次の通りです。
溶液は、トイレ用洗剤「サンポール」を水で5倍ほどに薄めた液およそ300ミリリットルです。
この溶液に、直径25ミリ、厚さ2ミリほどの銅ワッシャと、大きさ20ミリ角で厚さ0.1ミリほどの真鍮板を銅の針金で吊しています。
そしてアルカリ単一乾電池2個を直列につないで3Vにして、銅ワッシャ側を+極に、真鍮板側を-極につなぎました。
すると、真鍮板から泡が出て、銅ワッシャからはどんよりとした澱みが下の方へモヤモヤと降り始めました。
この泡の正体と、モヤモヤの正体は一体なんでしょうか?
よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
サンポールには塩酸が含まれています。
塩酸は塩化水素を水に溶かしたものですが、この塩化水素は水中で分解して、塩化物イオン(Cl-)と水素イオン(H+:正確には水素イオンと水が反応したヒドロニウムイオン H3O+)に分かれています。
そこに電極を入れて通電しますと、+に帯電している水素イオンは、-に帯電している-極に引かれて、-極の方へと移動し、-極の表面で電子を受け取って水素(H2)となります。
水素は常温常圧では気体ですから、液体中では泡となります。
おそらくこれが、-極で発生する泡の正体です。
サンポールには界面活性剤(洗剤の成分)も含まれていますから、出来た泡は、なかなか消えないと思います。
一方、+極側では、-に帯電している塩化物イオンが集まって来ると共に、銅ワッシャ等に含まれている銅の原子が、電子を失って銅イオンとなります。
塩化物イオンが集まって、塩化物イオンの濃度が高くなっていると共に、銅イオンも溶けているのですから、薄い塩酸と比べて、液の質量密度は高くなります。
液体の密度や成分が異なれば、光の屈折率も異なって来ますから、光が屈折されている処が陽炎となって見えます。
又、銅イオンは青い色をしていますから、銅イオンが濃い所は、青みがかって見えるかも知れません。
これが、もやもやの正体ではないかと推測致します。
更に、使用した銅ワッシャが純銅製ではなく、銅合金製であった場合には、銅以外の成分も含まれていますから、塩酸には溶け難い成分があれば、銅が溶けた後には、溶け難い成分で出来た微粒子が残され、これが沈殿となって沈んで行きます。
例えば、りん青銅等に含まれているリンは塩酸には溶けません。
又、青銅の類に含まれている錫(スズ:Sn)は、銅よりは塩酸に溶けやすいものの、銅も錫も濃塩酸でなければなかなか溶けませんし、錫イオンと塩化物イオンが反応して出来る塩化錫(II)は、水中では徐々に水と反応して、溶け難いオキシ塩化錫(Sn(OH)Cl)となりますから、これも沈殿となってモヤモヤノ中に含まれている可能性もないとは言えません。
お礼を書くのが遅くなって、申し訳ありませんでした。
ご親切に教えてくださり、ありがとうございます。
なるほど、たしかに濃度の違いでモヤモヤが見えることはよくあります。塩化物イオンや銅イオンの集まりで濃度が上がるとは全然気づきませんでした。
サンポール自体がかなり派手な緑色をしているので、銅イオンの青みがかった色の具合が観察できなかったのがつくづく残念です。透明の塩酸入り洗剤を探してみようと思います。
銅合金かもしれないというのも全然気がつきませんでした。ていねいにご説明くださったのでとてもよくわかりました。
親子共々、深く感謝いたします。 ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
サンポールに含まれる塩酸と反応して塩化銅(I)または塩化銅(II)のいずれかができていると思われますが、サンポールに含まれる界面活性剤などの成分と二次的に反応しているかもしれませんね。
塩化銅は劇物指定される毒物ですので、お子さんと一緒の実験ではくれぐれも注意してください。真鍮側から出ている気体は水素でしょう。多分の話ですが、沈殿が出ているとの事ですから多分塩化銅(I)でしょう。ちなみに塩化銅(I)はCuClで、塩化銅(II)はCuCl2です。
お礼を書くのが遅くなって、申し訳ありませんでした。
早速にお教えくださり、ありがとうございました。
泡は水素で、モヤモヤは塩化銅だったのですね。とても助かりました。
実験後の廃液は少量ですので、子供が通う学校の理科室の廃液タンクに入れさせてもらおうと思います。
親子共々、ご親切に感謝いたします。ありがとうございました。
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