平安時代は薙刀が主体で、中世に槍が出現すると薙刀はほとんど使われなくなったっと言われます、
確かに、平清盛を見ていると、槍はありません。一方で戦国時代のシーンだと薙刀は、女性が訓練するのに使われているぐらいで、戦闘には全然使われません。
槍は刺すのが主体、集団戦法に良いので戦国時代は主力になったと言われますが、日本号も槍で、集団戦法もとらない勇士の武士も、槍を使って薙刀は使わない気がします。赤穂浪士の討ち入りでは、槍を持って行く人間はいますが、薙刀を持っていく義士はいません。
個人で戦う場合でも、やっぱり槍のほうが薙刀より実戦的なものでしょうか?
No.3
- 回答日時:
薙刀だと重心位置が、手元よりもかなり離れた位置に来ますから、敵と対峙した際の疲労度が段違いかと思います。
武器の重量としては遥かに軽い刀を使用する剣術でさえも、対峙時の疲労度が少なくなる様な刀の持ち方をした構え(八相の構え等)が存在しているくらいですし。
まあ、薙刀の利点は重心位置が遠くに有る為、遠心力を用いて強力な斬撃出来るという利点(だから女性用の武器として後年多用された)が有りますが、そもそも戦国時代の武将クラスであれば遠心力に頼らずとも敵を倒せるだけの腕力があるでしょうし、斬撃をかわされた際の隙の方がデメリットとして大きすぎです。
遠心力の弊害を抑えた槍であれば、隙の少ない連突や棒術の様な変幻自在の薙ぎ払い跳ね巻き上げ等を連続で繰り出す事が出来ます。
近接格闘や関節技の補助としての技も槍術には含まれますし…。
この回答への補足
ご回答有難うございます。薙刀を持って歩く人を見ると、皆、戦わないときは、刃を天に向けて棒はまっすぐ持っています。まっすぐにしたほうが持ちやすいからなんでしょうね。
集団戦法だと、振り回す薙刀はあべこべ密集できないから、使いづらいのでしょうけど、一人で戦うなら、薙刀も槍もそんなに技術に差があるんでしょうか・・・
No.4
- 回答日時:
結構見落としがちですが、槍は鉄を使う部分が少なく安いです。
一方刃の部分が多く、また穂ではなく刃を作らないといけないので高いです。
手入れも刃のほうが大変です。
薙刀の普及率が低かった大きな理由は高いからです。
どちらが実戦的かと言えばそう変わらないですが、薙刀で戦うものは薙刀が壊れたらそうは補給できませんから槍も扱えないといけません。江戸時代になってしまうと刀と薙刀と槍と全てもつのは、上級武士以外かなり負担でしょう。
刀だけ、あるいや刀と槍が精いっぱいという武士が多いと思います。
No.5
- 回答日時:
鎧や兜などの防具が発達したので、薙刀では大きなダメージを与える
事が出来なくなった為ではと素人考えで思ってます。
鎖帷子も鎧も編み上げた物ですので、突く槍が有効ですよね。
中国の武器である、薙刀と槍を合わせた戟の使い手が居ないのが、
何でも取り入れて日本風にする民族性を考えると誠に不思議なのですが・・・
主旨からは外れますが、日本刀は、世界一美しい武器ですよね。
確かに斬るのは難しいですよね。刃筋を立てないと切れませんが、乱戦の中で動く相手に対して、刃筋を立てて斬るのはものすごい熟練の業がいりますね。でも、突くのや刺すのは、確かに斬るより簡単だと思います。
源平の頃は、戦争も小規模で職業軍人の戦いだったので、斬るという高度な技術でも問題なかったのでしょうが、戦争が拡大して、農民が戦争に駆り出されると、やはりにわか作りの兵であれば、斬るより簡単な突く、刺すを主力にした武器にしたいですよね。また、防具があったら斬るよりは突くほうが、有効ですよね。たしかに。
No.6
- 回答日時:
吉良方では薙刀を持って戦った記録が残っています。
持ってはいけない事でもないようです。
ただし、
武士は絶えず戦の心構えをしておくのがたしなみです。
すなわち、喧嘩の準備は不逞です。
戦ですから槍を持つのが武士です。
薙刀を持って喧嘩をしに行けば主君の名に傷が付くでしょう。
本当ですね。吉良家の当主は薙刀で戦ったとなっています。
江戸時代になると、薙刀は女子の武器で、武士が持って行くには、なぜかカッコ悪い雰囲気があります。これが平安時代の僧兵だと、薙刀がぴったりで、かっこいいです。
時代の流行で、もしかして、中世以降は薙刀はかっこ悪い武器になってしまったのかもしれませんね。逆に日本刀は実戦ではあまり役に立たないのに、名誉の武器になっているのと反対に。
No.7
- 回答日時:
問題はむしろ、「なぜ薙刀が普及したのか?」にあると思いますよ。
だって、槍は長さを調整しやすく、生産コストが安く、突いても叩いても使えるし、使いこなすのに訓練が少なくて済みます。どこをどう考えても「槍を使った方がメリットが多い」のです。その証拠に、槍は世界中の歩兵で使われていますが、薙刀的な「長い棒の先に片刃の刃物」をつけた武器はほとんどありません。ヨーロッパのハルバートくらいですかね。
なにより、平安以前の時代には日本でも槍が主力だったわけです。つまり、なぜか槍が廃れて薙刀が主力になった時代があったということなんですね。
で、なぜかなーと考えたのですが、特に資料的根拠に基づいたものではないのでその程度で聞き流していただいて充分なのですが、たぶん、「平安時代に平和な時代が長く続いたから」だったのではないかなと思います。
平安末期、今の大河ドラマくらいの時代になってくると武士が台頭してくるわけですが、当時の武士というのは特殊技能集団だったわけです。武士以外に戦争ということができる人たちはいなかった。武器を使いこなすというのは当時の日本では特殊技能なのです。平和な時代が長かったでしたからね。
特殊技能だから、むしろ「素人じゃ使いこなせないもの」のほうが自分たちの価値が上がるわけですよね。槍なんか使われて、農民風情が武士と互角に戦われては困るわけです。我々だってもし槍を渡されたら何日か練習すればなんとか使えるようになる気がしますが、薙刀を渡されてもちょっとやそっと練習してもどうにもならない気がしますよね。
弓(当時の武士の主力武器)を使えるようになるにはかなり訓練が必要ですし、太刀もまた然り。それに薙刀が加われば、どの武器も「使いこなすにはかなりの訓練が必要」ということになり、そうなれば戦争をしようと思ったらそういった訓練を受けている武士に頼らざるを得なくなります。だから、あえて使いこなすのが難しい薙刀が主力になったのだというのはどうでしょうか。
ではなぜその薙刀が廃れたのかというと、それもまた実に合理的で、戦乱の時代になると戦う人たちの数が増え、「既存の武士だけでは数が足りなくなってきた」からだと思います。正社員だけじゃ足りないから、派遣やフリーターも必要になりました。
これといった技術を持たない連中を戦力にしなければならなかったので、熟練度が低くても使いこなせて使いやすい槍がまた復活したのではないでしょうかね。そして槍から始めて技術を高めた人たちが増えてくると、敷居が高い薙刀より敷居が低い槍の技術を学ぼうという人が自然と主力になっていたのでしょう。車を運転して楽しいのはMT車だけど、楽なのはAT車で、どっちが主力になっていったかを考えれば分かるでしょ?AT車から運転し始めた若者が「MT車を極めよう」ということにはなかなかなりません。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
長刀というのは、「長い柄の先に、日本刀がついたもの」と考えて下さい。
使いようによっては有効な武器であり、後世に「女性が使う武器」となったのは、
「遠心力を利用できるので、男性より非力な女性でも、複数名が狭い所の防御をするのであれば役に立つ」
という性質を有します。
ですが、槍より武器として使い難い点として、
(1) 他の方も指摘されるように、使う鉄の量を考えると、長い柄の先に穂先がついた槍の方が圧倒的に少ない。
(2) 長刀が「斬る武器(薙ぐ武器)」であるのに対し、槍は「突く武器」「集団で、叩く武器(この場合、先端の穂先はナマクラでも構いません)」であり、槍の方が遥かに扱いやすい。
(3) 日本の鎧は、戦国時代の半ばに火縄銃が導入されるまで、革の小片(小札=こざね)に漆を塗って表面を硬くしたものを綴り合わせた構造だった。この構造の鎧は、日本刀や長刀のような「斬る武器」には相対的に強く、槍や弓矢のような「突く武器」には相対的に弱い。よって、敵が立派な(強度の高い)鎧をつけていると、斬る武器である長刀は有効性が落ちる。
(4) 後世に、女性が使った長刀は、夜戦の戦場で使うものとは違い、ずっと軽いもの。平安時代や源平合戦の時代に、戦場で使われた長刀は、ずっと重くて「殴られた」だけで相手にダメージを与え、敵の鎧を切り裂けるような強力な武器であった。その代わり、このような「実戦で有効な長刀」を使いこなすには、武士の平均を超えた腕力が必要だった。
(5) 戦国時代に、長刀のような「強力な斬る(薙ぐ)武器」として「大太刀(野太刀)」「長巻」が実用されたことが記録されています。
大太刀(野太刀)とは、刀身が2メートルくらいある、刀のバケモノです。
下記のようなものが、現存しております。
現物を調べると、実戦で使用した形跡が認められるとのことです。
http://d.hatena.ne.jp/daddyscar/20100719/1279486 …
このような、人間に振り回せるとは思えない武器を駆使したと伝えられる武士が、朝倉家家臣の
真柄十郎左衛門直隆
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E6%9F%84% …
です。大相撲の横綱が、剣術の奥義を極めたような人物でしょうか。オリンピックに出れば金メダル確実、というような身体能力を有する人だったと思われます。
「長巻」というのは、大太刀よりは超人的な身体能力を要しない、「斬る武器」です。
下記で解説されております。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B7%BB
ただし、やはり並の武士では「長巻」は使いこなせなかったようで、武田家の水軍大将で、駿河国持舟(用舟)城主だった、向井正重が、長巻の名手であったと伝えられます。水軍の戦いでは、敵に致命傷を与えなくても、敵の兵や水夫を傷つけて動けなくするだけで良いので、長巻で薙ぎ払う戦法が有効だったのでしょう。
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