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マルクスは共産主義の成熟とともに、人民のモラルも
向上していく、という想定の元、共産主義の思想を
構築した、という様な内容の事をある記事で読んだ
記憶がありますが、本当なのでしょうか?

本当だとすると、現実の共産主義国(実際には社会
主義国の段階でとまってましたが)の結末を見る限り
人間のモラルが理想に追いつかなかった事が、結果的に共産主義の今日を招いた気がするのですが...

冷戦が終結して十数年経ち、もうそろそろ好き嫌い
では無く、客観的に自由を取るか、平等を取るか
自分なりに総括したくて質問させて頂きました。
(政治思想的には中道です。)

A 回答 (5件)

気付くのが遅れ、遅くなりました。



>これは機会は均等に与えられるが、それをどう生かすかは個人の選択という意味になるのでしょうか?

それだけなら現状の日本社会でもそれほどの違いはないのだと思いますが、もしユートピアが実現するとしたら、あらゆる個人の選択の自由をすべて容認しても、紛争や社会問題などの悪循環が起こらないレベルまで社会の体系の整備と、そして何よりも人間の意識自体が成長をしなければならないと思います。要するに大規模な人類全体の意識改革が起こらなければなりません。そして最も現実的に意識改革の引き金になるものがあるとすれば、この先の人類史で市場経済がグローバル化された後に起こるであろう社会全体の心理的な混沌ではないだろうかと予測します。個人的にはおそらくすごい事になると思いますので。

>これはわずか70年程度の冷戦期間では足りなかったという意味に理解すれば宜しいでしょうか?

それも一つの学習過程の段階なのだと思います。
冷戦構造が崩壊した事によって最近はグローバリゼーションの波は逃れられないと言われていますが、まだ地球規模で資本主義が完全に定着しているわけではないですよね?
過去において、根底には支配的な欲求を隠しているだけの、本来の共産主義というよりも歪んだ社会主義的なイデオロギーと自由主義的イデオロギーの対立が起こってしまいました。このような人間の悪癖が存在している時点では、まだまだ全然、共産主義向きではないと思います。
先ず世界各地の紛争が完全に止まないと、おそらく共産主義思想にとってお話にならないのではないかと。。。
しかしご指摘の様に、既にヨーロッパなどは時間差が生まれ(ある意味日本などにも)その社民的な傾向が少し現れてきているのも確かなのではないかと思います。
問題は、その流れの中で完全な共産主義が実現するまでの時間と、自然環境が資本主義の横暴さに耐えられなくなって人類が破滅するまでの時間、とちらが早いかということだと思いますね。

>北欧やイギリスなどでは以前からそうだったのですが、税金が高い反面、社会福祉が充実しているというのは、まさに社民だと思うのですが、これは共産主義(または段階としての社会主義)へのステップを登りつつあるという事なのでしょうか?

多分、ゆっくりでも確実に一歩ずつ段階は移り変わりつつあるのではないですかね?
これはあくまでも私的観測にすぎませんが。
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この回答へのお礼

再度ご回答頂き誠に有難う御座いました。

確かに、最終的には全体の意識が結局一番重要なのですね。今まで色々な人に話しを聞いてきましたが、本質的な(ご指摘のような冷戦期の不健全なイデオロギー対立に影響されない)解説に接する機会が殆どなかったので、大変参考になりました。

この様な議論が冷静にできる様な社会になって欲しいものですが、そうなったら共産主義自体も現実のものとなっていくのでしょう。

ご丁寧な解説、改めて御礼申し上げます。

お礼日時:2004/06/30 09:59

実例が存在しないのでただの推測ですが、


マルクスの説いた共産主義の理想型は、実現するなら結果的に平等でありながらも自由になるはずです。

資本主義の争いから起ってくる問題点を検証し、学習、つまり意識レベルの向上により、
共産主義の成熟と共にモラルの向上するというのは理論的には必然で、その想定は正しい仮説だと思います。

勿論、今現在の人間のモラルは、経験不足の為かなり荒れていますから、今の時間軸で考えるとまだ共産主義には程遠いでしょうけど、
いずれは必ず移行する道だろうと個人的には解釈しています。

まぁあれは一種の予言ですから、今共産主義が追い込まれているように見えても、万が一日本共産党が無くなっても、共産主義思想なら、この決して平等ではない資本主義の社会では滅ぶことは無いはずです。
事実、今は資本主義の問題点が様々な形で露呈してきていますし。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
なるほど、資本主義との相克の中で学習が促進されるという訳ですね。

>共産主義の理想型は、実現するなら結果的に平等でありながらも自由になるはずです。

これは機会は均等に与えられるが、それをどう生かすかは
個人の選択という意味になるのでしょうか?

>今現在の人間のモラルは、経験不足の為かなり荒れていますから

と書かれてますが、これはわずか70年程度の冷戦期間では足りなかったという意味に理解すれば宜しいでしょうか?

又、最近資本主義(というか民主主義)の限界も明らかになっており、共産主義まではいかないまでも社会主義との中間=社会民主主義の流れが出て来ている様に感じます
北欧やイギリスなどでは以前からそうだったのですが、税金が高い反面、社会福祉が充実しているというのは、まさに社民だと思うのですが、これは共産主義(または段階としての社会主義)へのステップを登りつつあるという事なのでしょうか?

もし、お考えを重ねて伺えれば幸甚です。根本的な部分からのご説明大変参考になりました。有難う御座いました。

お礼日時:2004/06/17 15:37

>日本の共産主義運動でも、理想に燃えて取り組んだ人がいる反面、なぜか多くがカルト化(=政治的カルト)してしまった感があり、本来の共産主義の理想からかけ離れてしまった感がいなめません。

これも一種の腐敗でしょうか?それともマインドコントロールの様な別のものでしょうか?

以下、全くの個人的見解です。

政治権力には何らかの正統性が必要です。王制は王の血統を、民主制は人民からの授権をその正統性の根拠としています。マルクスが想定した本来の共産主義は民主制ですが、レーニンによって歪曲されたロシア式共産主義は独裁制(共産党による独裁)です。共産党が独裁する根拠は、
(1)共産党は、労働者階級の権利を代表する労働者階級の党である。
(2)労働者階級は厳しい搾取に堪えて日々を生きるのに精一杯であり、自らの権利を実現するために政治闘争を行う余裕が無い。
(3)よって共産党は、労働者階級の「前衛」として労働者階級の権利を実現する政治闘争を行う。
(4)何が労働者階級の利益か、その実現方法は、共産党が判断する。
という、極めて独善的で押付けがましいものでした。そして、労働者階級の利益は、マルクス・レーニンに遡る共産主義理論から演繹的に、即ち理論的に、導き出されます。

ところが、唯一絶対の理論はあり得ません(あるとすれば、それはもはや神学の領域です)。左翼の諸セクトはマルクス・レーニン主義理論を各々自分流に解釈し、独自の結論を導き出しました。共産主義諸団体は、例外なくレーニンの民主主義的中央集権主義を組織原理としているので、一握りの中央委員が決定した理論がそのまま組織の行動規範となります。

自己の理論を確立した団体は、それと異なる理論を標榜する団体を労働者階級の裏切者、階級の敵と位置づけ、これに対する闘争を開始します。レーニンによれば、共産主義を実現するための戦いは資本家階級と労働者階級の生死を賭けた戦いであり、政治権力を握る資本家階級は国家の組織を動員して労働者階級を弾圧するから、これと戦う手段を選ぶ必要はありません(「目的は手段を聖化する」レーニン)。

このように考えると、小は中核派対革マル派、大はソ連対中国にいたるまで、共産主義者の戦いは仁義無き全面闘争であり、全ての敵を打倒して政治権力を獲得するまで止むことがありません。共産主義者がカルト化するのは、その組織原理に基く宿命だと思います。
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この回答へのお礼

なるほど!納得いくご説明有難う御座います。

政治の正統性定義においても、演繹的な定義では必然的に論証中心となり、現実が捉えにくくなってしまうのでしょうか。そういえば左翼の人って、そういう感じの人多いですよね。
マルクスの時代は精神医学が今ほど発達していなかったのでしょうが、演繹的アプローチだけで”人間”の集団である社会をまとめられると思ってたんですかね。人間も生物であり、帰納法的アプローチが無ければ把握できないのでは?と思いますが...

又、真理に至った人間はいないにも関わらず、「宗教は麻薬だ」と決め付けてしまうあたりにレーニンの限界もあったのでしょうね。

それにしてもマルクスは、モラルを、延いては人間をどうとらえていたんでしょう?私はマルクスという人が、机上の理論で頭デッカチになった、”肉体を忘れた人間”に思えてならないのですが...

お礼日時:2004/02/23 13:34

東洋にも「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますね。



マルクスが想定していた本来の共産主義は、資本主義が必然的に行き着く「次の社会」でした。当然、生産力も資本主義の水準を凌駕しているはずでした。有り余る生産物を平等に分配できれば、全ての人民の衣食が足りるはずでした。
しかし、共産化が実現したのは農業国や途上国ばかり。ロシアが共産化すればヨーロッパ列強、特にドイツが直に後に続いてくれる、というレーニンの希望的観測が裏切られたため、生産力の裏付けのない畸形的共産主義が成長してしまいました。もとより人民の衣食が足りるはずがありません。

本来の共産主義が成立する可能性があったかどうかは知りませんが、現実に存在したのは社会主義の名にも値しないタダの開発独裁国家にすぎません。しかも、レーニン以来、民主主義的中央集権主義と称する党エリート独裁主義を制度化してしまったのが致命的でした。衣食が足りないばかりか、本来の目的であった平等の実現も、原理的に放棄してしまったのですから。

歴史学者アクトンいわく、「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する。」
腐った国家でモラルが育たなかったのは当然でしょう。

この回答への補足

丁寧なご説明有難う御座いました。
そうでしたね。ご指摘の通り、資本主義の行き着く先が共産主義なのでしたね。マルクスは、実は共産主義には成熟した社会が望ましく、ドイツですら不足を感じており、イギリスの様な”成熟した?”社会で共産主義革命を始める事を望んでいた、という文章を読んだ事があります。
又、スターリンの過酷な粛清も、そうでもしなければ理想を貫徹できなかったという解釈もあるようなのですが、結局行き着くところは、モラルをどの様に向上するかという課題になるのでしょうか...

以前TVで、ベトナム戦争当時のベトナム指導者の一人が「命令系統は工業化社会で発展したものであって、(当時の)ベトナムの様な農業社会にそれを求めるのは無理がある」という様な発言があったのを覚えています。命令系統の上位にいる人間は権限があり、使い方によっては、又国家レベルになれば権力になる=社会の発展において、腐敗とは影の様についてくるものなのでしょうか?

日本の共産主義運動でも、理想に燃えて取り組んだ人がいる反面、なぜか多くがカルト化(=政治的カルト)してしまった感があり、本来の共産主義の理想からかけ離れてしまった感がいなめません。これも一種の腐敗でしょうか?それともマインドコントロールの様な別のものでしょうか?
もし宜しければアドバイス頂ければ幸甚です。

補足日時:2004/02/22 23:43
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マルクスは本当にそう思っていたに違いないと思いますよ。

でなければ、あんなに頑張らないでしょう。しかし、モラルは育ちませんでしたね。旧ソ連ではスチールの机が異常に重たかったそうですよ。いくら質の良い机を作れるかではなく、ノルマが一日に使う材料の鉄の量でしたからね。それが労働者の課題でした。そして、最大の欠点が独裁だと思いますね。独裁政権は例外なく腐っていきますから。それを知ってしまった、もしくは感じ取った民衆も当然「やってられねーぜ」となり、自滅していきましたね。これからも続くでしょうね。昔誰かが「新聞の無い社会は信用できない」みたいなこと言ってましたね。僕の知識じゃこの程度のことしか分かりません。
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この回答へのお礼

ご回答有難う御座いました。全く同感です。
何でモラルは育たなかったのか?という問いかけは心理学の分野になってしまうのでしょうね。一昔前、中国の商売を担当していたときも、「なぜ必要以上にやらなければならないんだ?」という反応を客先にされた記憶があります

ノルマが勤労意欲を奪い、生産性を、ひいては経済力を低下させた気がしたものでした。(当然、批判にさらされない権力の腐敗もありますよね。)

お礼日時:2004/02/17 09:05

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