A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
シュッツのも良かったですが、内山先生のは見まして、内山先生はやはりときどき、一見するとですが、変なような感じのことをおっしゃいます。
怖い先生でした。ディラックのは入門レベルで、いろいろ読破された質問者様には申し訳なかったですね。非常に簡潔に網羅していて読者が多いので引き合いに出しただけです。ディラックはいわゆるエレガント好きで、簡便な記述になる一時的に5次元以上を導入するスタイルを取ったのでしょう。もっと本格的に高次元を導入するアプローチもありますから。
いろいろ読破されたようですから、Gravity(いわゆる電話帳)を発注されてはどうかと思います。そこまでやれる、そして興味もおありですから、決して損はないように思います。
量子力学が複素数ベースであることは疑いを入れません。計算はできるがイメージできないという理由の一つがそれではないかと思います。
しかし、ちょっと解せない面もあります。『なっとくする宇宙論』って、お示しの教科書に比べたら読み物レベルです。n次元空間の曲がり具合を知るには、n+1次元での記述が必要なこともお分かりのはずです。物理学の使う数学が、ほとんどのものが物理的実体を伴わない、数学上のテクニックであることもよく理解できているはずです。
それなのに、空間4次元を使ったら、その物理的実体の検証が必要だと考えておられます。
考えられる原因のうち、個人的に最有力だと思うのは、ピグマリオン症候群と呼ばれる状況ではないかと思います(ピグマリオンはギリシア神話の人物で、自分の作った彫像に恋してしまう)。
物理学が数学を使って、あまりにもうまく現実の事象を説明してしまうため、この宇宙が数学的な性質を内包している、さらには数学的性質こそが実体であると思ってしまう状況です。古代ギリシアのある学派は、まさにそういう迷妄に陥ってしまいました。
もしそんな感じであれば、ちょっと危険です。理解が進まなくなり、現実が理論に合わないと、現実の方が間違っているように感じてしまいます。喩えて言うなら、地図こそが真理であり、現実の風景が地図を模した、と思ってしまいかねないような感じですね。
この宇宙のいかなるものにも数学的性質は内包されていません。物理学は、この世界を理解するために人間が便宜的に規則性などのイメージを導入してみた仮想的なものにすぎません。「このように見える」と「そのような実体である」の間に差異があることは、しっかり把握しておく必要があります。
No.5
- 回答日時:
>しかし物理的実在となると、本当に余剰次元が存在するのかは、検証が必要だと思われます。
お尋ねではないのですが、ここだけ。
物理学として、そういう次元が実在すると思って計算に取り入れるわけではありません。そうしないと計算できないので、計算の都合上、導入してみるわけです。必要なものが得られたら、空間の4次元以上は捨ててしまいます。
一般相対論の教科書では、この世界の空間の歪み具合を扱うため、一時的に空間4次元以上で記述しておいて、得るものを得たらさっさと空間3次元に戻ったりします(「一般相対性理論(ディラック著)」等)。一時的に導入した空間次元が何かは一切気にしません。
似た例では、電磁気学で虚数を取り入れて複素数で式を作り、計算結果から虚数部分を捨ててしまうということは普通に行いますが、虚数部分に対応する物理的実体があるとは考えません。
物理学は数学で物事を記述しますが、各々の数学的操作に全て物理学的実体があるとは考えないわけです。単純な例では、ニュートンの力学法則の式:F=maをa=F/mと書き直しても、何か別の物理的事象を表すわけではありません。F-ma=0と書いて、解析力学につながったという事例はありますが、それで異なる現象が出て来るわけでもありません。。
P.S.
紐理論、さらに超紐理論(と、さらに後継理論)では空間4次元以上に実体があるとしますが、それは4次元以上の空間も残す必要があるため(だそう)です。
何度も意見申し上げて申し訳ないのですが、回答者様がかなりの知識をお持ちの方だと思って言っているので、なにとぞご容赦くださいませ。
>必要なものが得られたら、空間の4次元以上は捨ててしまいます。
>一般相対論の教科書では、この世界の空間の歪み具合を扱うため、
>一時的に空間4次元以上で記述しておいて、得るものを得たらさっさと空間3次元に戻ったりします
>(「一般相対性理論(ディラック著)」等)。
>一時的に導入した空間次元が何かは一切気にしません。
ディラックの相対論の教科書を持っていないのですが、私は相対論の教科書は
杉山直先生の「相対性理論」、フリースバッハ先生の「一般相対性理論」、内山龍雄先生の「相対性理論」、佐藤勝彦先生の「相対性理論」は全部読破しました。
読破してなくとも辞書的に使っているのも、メラー先生の「相対性理論」内山龍雄先生の「一般相対性理論」、ランダウ=リフシッツの「場の古典論」をもっていますが、
これまで読んだ中で
>一時的に空間4次元以上で記述しておいて、得るものを得たらさっさと空間3次元に戻ったりする
という方法に出くわしたことはありません。
>似た例では、電磁気学で虚数を取り入れて複素数で式を作り、
>計算結果から虚数部分を捨ててしまうということは普通に行いますが、
>虚数部分に対応する物理的実体があるとは考えません。
電磁気学では虚数部分を捨ててしまうこともありますが、
量子力学や素粒子論では虚数iはなくてはならないものであり、捨て去ることができません。
量子力学における虚数iの物理的意味は、物理学者でさえよくわかってないんじゃないか?と思います。
これは、日本物理学会が主催する講演会で一般人から「量子力学や素粒子論にいける虚数iの物理的意味は何ですか?」という質問が出たときに、そこにいる多くの一流物理学者達が誰も答えることができなかったことからもわかります。
だからといって、虚数iに物理的意味がないということではなく、まだ解明されていない、と私は考えています。
話しがそれましたが。
どうも回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
>さらに質問なのですが、wというのは何を表すのでしょうか?
4番目の空間軸です。x, y, z軸は一点(原点)で互いに直交しており、それは可視化して表現可能です。
その一点(原点)で、さらにx, y, z軸全てと直交する軸がwですが、可視化できません。3次元空間、つまりこの宇宙の外にある軸ですので。それはx, y, zから類推して了解する必要があります。4次元以上になっても同じです。
ただ、数学的操作としては、軸(次元)が幾つであっても、同じ形式の数式でしかありません。
私のしつこい質問に答えていただきありがとうございます。
数学者や物理学者は簡単に次元をドンドン増やしていってしまい、無限次元なる概念も存在するようですが、これが私のような凡人には全く理解不能でして・・・(苦笑)
数学的には
x^2+y^2+z^2+w1^2+w2^2+・・・+wn^2+・・・
というように単純に増やせるのはわかるのですが、
しかし物理的実在となると、本当に余剰次元が存在するのかは、検証が必要だと思われます。
宇宙の加速膨張の発見でノーベル賞を受賞されたシュミット博士の講演を聞きに行ったことがあるのですが、シュミット博士は「私は4次元をイメージできないし、4次元をイメージできるという物理学者に会ったこともない。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
「あぁ、4次元をイメージでいないのは私だけじゃなくって、シュミット博士や他の物理学者もイメージできていなかったんだ」と安堵したのを覚えています(笑)
まぁ、4次元は特殊及び一般相対論や素粒子論で検証されているので、100歩譲って実在していると考えてよいとしても、5次元以上は検証されてないですよね。
検証されていないものを物理学に持ち込んでよいものか?とは思います。
長々となってしまいました。回答どうもありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
3次元球面が意味するのは、球面が2次元のものではなく体積を持つ立体だということです。
超球面と呼ぶこともあります。球面自体は2次元的なものですが、曲がっているので平面に収まらないため、2次元では表せず、3次元の方程式で表します。
同様に、3次元のもので曲がっているものは3次元では表せず、最低でも1次元多くして考える必要があります。そのため最低でも4次元が必要となります。
4次元で表す方程式には独立変数が4つ必要です。だから、x, y, z, wと4つになります。
さらに質問なのですが、wというのは何を表すのでしょうか?
ミンコフスキー時空なら4次元目はcdtとなりますが、曲率半径を表す
-R^2=x^2+y^2+z^2-w^2
におけるwって光速度cとか時間dtとも異なる概念ですし。。。
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