No.7ベストアンサー
- 回答日時:
西洋文法で説明するには、二通りの方法があります。
第一に、西洋語の文法に無理矢理当てはめる。
かつて、英文法をラテン語文法で記述しようとしたように、多少の無理には目をつむる。
第二に、西洋言語学の概念で説明する。
目新しい専門用語が増えるのには目をつむる。
まず西洋語の文法に無理矢理当てはめてみましょう。
日本語には「名詞+スル」と「名詞-ヲ+スル」という二つの形がある。
「名詞+スル」は英語の -ize に相当し、動詞を作る。
「ご説明する」であれば、
敬語の接頭辞「ゴ」+名詞「セツメイ」+動詞化接尾辞「スル」
これで一語。
英語で、
nationalize
名詞 nation+形容詞化接尾辞 al+動詞化接尾辞 ize
これで一語であるのと同じ。
また、「スル」は敬語として活用する。
スル―イタス―クダサル
「ご説明くださる」は
敬語の接頭辞「ゴ」+名詞「セツメイ」+動詞化接尾辞「クダサル」
「ご説明いたす(いたします)」も同様。
「名詞-ヲ+スル」のほうは、英語の
give/make an explanation
などに相当する。
つぎに、西洋言語学で。
「説明をする」
give/make an explanation
これらの「スル」give/make は軽動詞(light verb)と呼ばれる。
時制などは軽動詞が、実質的な意味は名詞が担う。
さらに名詞が動詞と一語化する。
これを編入(incorporation)という。
アフリカやネイティブ・アメリカンの言語でよく見られ、一文が一語化することもよくある。
「説明をする」「説明する」のペアも名詞「セツメイ」が動詞「スル」に編入したと考えられる。
なお、軽動詞は英語では give, get, make, have, do など、多数存在するが、日本語も「スル」以外に「イタダク」「クダサル」「イタス」などいくつもある。
「ご説明くださる」であれば、「ご説明」が「くださる」に編入したものである。
「軽動詞」も「編入」もありふれた言語学用語ですので、検索してご確認ください。
お手数をおかけしました。感謝します。
一般動詞と思って辞書を調べませんでした。
御回答で特殊用法の用語が有ったので辞書を調べたら
「くださる」はいろんな用法が書いてあり、
御+動作性漢語に付くときは補助動詞でした。
ようするに1語化するという御説明と合致しております。
No.6
- 回答日時:
「くれる」ですが、授与を意味する他に「どうしてくれようか」などの意味で使う場合もあります。
この場合は「どの様に対処しようか」との意味であり、単純に物の授与を示唆することとは少し趣も異なります。原点からすれば「どの様な判断を下そうか」との意思判断ともとれます。
Yes or Noの二項的判断で括る性質の問題とは言えないのではないでしょうか、しかも一方の原理に基づく形での。
No.5
- 回答日時:
「日本語の動詞」には自動詞と他動詞の他に「自他同型」と呼ばれる形のものがあります。
これは文字どおり「動詞の終止形」として、見かけ上は同じであるが、それに付属する助詞によって自動詞として使うケースもあれば他動詞として使うケースもあるとの二つの側面を持つ動詞の性質に基づく分類といえ、例えば「開く(あ・く)」があります。この動詞を活用変化させますと「開かない・開きます・開く・開くとき・開けば・開けろ」と「開けない・開けます・開ける・開けるとき・開ければ・開けろ」との二つの活用形式があることもわかります。
なぜこの様な話をするかといえば、日本語の文法と外国語の文法を同列に並べて一概には語ることができない、否適切ではないとの前提もあるからです。
外国語と一括りにすることにも疑義があり、ドイツ語では冠詞と名詞の組み合わせを語尾の違いで示し、それが二格であるならば、文中の何れに置こうともそれが所有を示すことを明示することとなり、英語ならばそこまでの詳細な規定に拘泥するとはいえません。
英語ならば文型によって、SとC、OとC、OとOの関係を知ることが特徴付けられてもいます。そしてこれら外国語には「助詞」がないことも日本語とは全く性質を異にするともいえます。
むしろ冠詞や語順が全てを規定するといってもよいでしょう。
話を元に戻しますと、「ください」が必ずしも授与動詞であるとは限らず、~してください、などの様に指示命令をするとのケースもあり、この「ご+名詞+ください」を例にするならば、「ご自愛下さい」との文の意味をとるならば、「ご自愛して下さい」との謙譲語と同じになります。意味を通じさせることに問題もありません。
「ご連絡下さい」も同様です。「ご連絡して下さい」との「動詞を名詞化して使う」とのケースです。「ご寛恕下さい」は「お許しを願います」との意味になります。こうした形は「ご+漢語動詞+ください」の形です。
ですから西洋文法を基準とするとの考え方からすれば、それは前提が異なりもしますので、欠陥文であるとは言えないのでは疑問符の付く問題ではなかろうかと存じます。
因みに「ご」は敬語的表現であり、それに対応するのが文末の「ください」となります。花屋に行って「バラの花を下さい」と店員に伝える時には「バラの花を売って下さい」との意味であり、「バラをくれ」といっても「ただでくれ」という意味ならば、それは相手から奪い取るとの意思を示すとの理解もあれば、ぞんざいな言い方で「バラの花を買いたい」を示しているととらえることも可能です。
杓子定規や金科玉条の形で西洋文法を緩用されることは如何なものかと存じます。
No.4
- 回答日時:
> 「下され」は漢字を使っていてもかなで書けば解るように和語なので
自他動詞区別困難の問題が無く、明らかに他動詞機能だけです。
何ゆえ「を」が入らぬか不思議。
質問の組み合わせでは役割が補助動詞に変わったからですかね。
<補助動詞≠他動詞>⇒目的語不要⇒「を」無しかなあ。
確かに、「くれる」の命令形が「くれ」です。「くれる」は「人がわたしに~をくれる」のように使います。(こちらが相手に「くれる」場合がありますが、説明は省略)その尊敬語が「くださる」で命令形が「ください」です。
あなたがおっしゃるとおり、「やる」→「さし上げる」・「もらう」→「いただく」などと 同様に敬語を表す補助動詞となりました。だから「ものをくださる」のような実体があるものではありません(なにもくれません)。ただ、『誰の動作か』を保持しながら、(相手の動作だから)尊敬語の意味のみを表します。ついでに言えば、「さし上げる」はこちらの動作で「謙譲語」、「いただく」もこちらの動作で「謙譲語」。
これらは「やり・もらい動詞」とか、「授受表現」と言われます。
「あっちへ行ってください」と言えば、「行く」という動作が主体で、「行く」という自動詞が問題になるだけです。「ください」はただ尊敬を表すのみです。(命令の意味は残ります)
「この本を買ってください」なら、「買う」の他動詞が主体ですから、「本を」という目的格を持つことになります。
No.3
- 回答日時:
研究者ではありませんが、
「西洋文法的には」という点については、西洋の言語(いろいろ系統がありますが、主に印欧語として考えると)、そもそも助詞というものが無かったりしますので、日本語文法として考えるしかないのではないかと思いますが・・・・。
文法用語を用いて解釈すると、という意味なのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
「ご連絡ください」「ご説明ください」「ご信用ください」を「ご連絡をください」「ご説明をください」「ご信用をください」とするべきだとおっしゃるのですね。
わたしは、「連絡せよ」「説明せよ」「信用せよ」というサ変複合動詞の命令形を尊敬語にすると、「ご連絡ください」「ご説明ください」「ご信用ください」になるのだと思います。(その時に「サ変」動詞の部分が「くれ」になりますがーこれが慣用だといわれればそれまでです)
対して、あなたは「連絡をくれ」「説明をくれ」「信用をくれ」のように「くれ」を尊敬語にして「連絡をください」「説明をください」「信用をください」とし、さらに尊敬の度合いを高めるため「ご」をつけたというお考えのようですね。しかし、そうして出来た「ご連絡をください」「ご説明をください」「ご信用をください」のなかで、日本語として明らかにおかしい、「ご信用をください」というのが出てしまいます。
元来、これらの例のように頭に「ご」が付くのはその後の名詞が「漢語」である場合で、あとの名詞が「和語」である場合は、「お」がつきます。例 「お話しください」「お信じください」これらには「を」が入り込む余地はありません。
結論として、あなたは「述語の部分」の中に「目的語」をいれるべきだとお考えになっていますが、目的語(西洋文法的にいえば)は(日本語の場合)述語の前にを置きます。
<わたしどもを> ご信用ください(お信じください・信じてください)
もう一つ大事なことは、漢語を用いた動詞(漢語+する)が自動詞か他動詞か、はっきりせず、その両方を兼ねているものが多いことです。明らかに自動詞と考えられる場合は、目的格(西洋文法でいう目的語)を取りません。(当然のことですが。)例 墜落する・死亡する・逝去する(なんでこんな変なのばかりでてくるの!)・勝利する・抵抗する・登校する・当選する等々。
「下され」は漢字を使っていてもかなで書けば解るように和語なので
自他動詞区別困難の問題が無く、明らかに他動詞機能だけです。
辞書にもそう書いて有ります。
何ゆえ「を」が入らぬか不思議。
質問の組み合わせでは役割が補助動詞に変わったからですかね。
<補助動詞≠他動詞>⇒目的語不要⇒「を」無し
かなあ。
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