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No.2
- 回答日時:
人間は動物と違って、意味を求める動物です。
だから人生が虚無で生きる意味がないと言われると、生きる気力がなくなります。
しかし、人間以外の他の動物は生きるのに何か意味があるかとか、意味がないと生きられないなんてことはなく、そんなこととは無関係に生きています。
つまり、生きるのには本能さえあれば充分で、生きる理由なんか必要ではありません。
ところが人間は岸田秀が言うように「本能が壊れた生物」ですから、他の動物とは異なって生きる意味がないと生きてゆくのが、ぜんぜんできないとまでは言えないとしても、ひじょうに困難です。
人間は生きる意味を必要とするという点では「病人」です。
それは人間が意識だとか観念を持っているからです。
動物は環境と一体に生きていますが、人間は意識とか観念で環境からみずからを引き離し、それを対象化して、客観視することができます。
自己の周囲の狭い環境を乗り越えて、全体としての世界は何なのか、そして自分はどうしてこの世界の中に存在しているのかと問うことができます。
広大な宇宙は意識を持っていませんから、みずから宇宙が存在している意味を問うことがありませんが、人間は自分を宇宙から切り離して、宇宙の存在理由を問うことができます。
パスカルのいうように人間は意識を持って考えることができるという点では宇宙よりも偉大です。
しかし、これを自らの生存に限って言うと意識を持っていること、みずからをその置かれた環境から切り離して、その存在理由を否応なしに問わざるを得ないということは、生きている理由がないと自らの生存を脅かし、身の破滅を招きかねない危険性でもあります。
この危険性を察知し、たとえ人生が無意味でも、それを絶対的に肯定して、生きよと言ったのが哲学者ニイチェです。
ニイチエによれば動物がそうであるように、生きることはもともと意味なんかない、ところが意味がないと生きてゆくことが難しいから古代より、人類は宗教を発明して、生きることが、人生があたかも意味があるかのように誤魔化してきた。
キリスト教はイエス・キリストの物語である「聖書」の物語で、人生が意味があるかのように人々に教え、人生が本当は無意味なのを「隠ぺい」してたきた。
宗教の役割は人生が無意味ではなく、生きるに値するものだと人々に教えることです。
キリスト教に限らずすべての宗教は人生が意味があると教えてきました。
しかし、ニイチェに言わせれば、キリスト教は「ニヒリズム」の宗教です。
人生が虚無だということ、「ニヒル」だということを「隠ぺい」してきた。
人々は人生が意味がなく、虚無だということを直視してこなかった。
しかし、今や私たちは人生は本当は意味などなく、虚無だということを直視し、それでもそれを絶対的に肯定して生きなければならない。
それが「永遠回帰」の思想です。
「永遠回帰」とは虚無が永遠に続くということ、無が永遠に続いたとしても、それを受け入れるということです。
世界が、宇宙が存在する理由が一切ないとしても、人生の意味は自分でそれを設定して、それを生きとおす以外にない。
つまり、世界が、人生が本来無意味だとしても、それとは無関係に自分で人生の意味を見出して、それを生きればよいのだということ。
これまで人間は世界が、そして人生が存在する理由とか意味があるかを問題にしてきたが、人生が生きるに値するかということは、そうしたこととは無関係なのだ。
たとえこの世界が虚無の上に浮かぶ幻想だったとしても、生きることには意味がある。
人生自体になんらの意味がないとしても、私が人生の意味を自ら設定し、それを生きることには意味がある。
人生に客観的な意味がないとしても、主観的には、私一人に関していえば意味がある。
だから「人は虚無の世界でも生存可能」です。
というより、世界はそれ自体では虚無なのですから、それとは無関係に人生を考えるべきだからです。
世界が虚無だっていいじゃないですか、幻だっていいじゃないですか、それとは無関係に私は生きているのだから。
人生の意味を世界に求めるべきではなく、世界とは無関係に求めるべきです。
>人生の意味を世界に求めるべきではなく、世界とは無関係に求めるべきです
そうですね
意味(⊃幸せ)は自身が定めるものですから
回答ありがとうございました
No.1
- 回答日時:
虚無(無=不確定性無限)の潜在的認識可能性の変移
(時系列化=記憶=過去=時間軸)の相補分化としての
宇宙(空間的広がり=予測=未来)において、環境は
自我成立のための必要として派生していると言える。
階層現象性を表面的に捉える事で、そうした原理的補完性
(不確定性原理に基づく物理)は潜在化し、現象表面的な
有限性=存在との対立が生じる(自己矛盾としての物体)。
一方、そうした自己存在の本質に根差した意志を持つならば、
「自由自在(自らに由って自ら在る)」に生きられる。
この回答への補足
回答ありがとうございます
人が自我確立に際し、環境を、すなわちこの世界を必要としていると私も思います。
とすると、自我確立後に自我有する人が虚無世界(五感の出動機会皆無)に移っても生存可能は理解出来ますが、生まれたばかりの人間(もしくは幼児期まで)がかの虚無世界に移り意思を持って自由自在に生きられるでしょうか
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