こんばんは。質問させていただきます。
モーセ、ケルト神話のケリドウェン、ギリシャ神話のペルセウス、ローマのロムルス、日本神話のヒルコ(エビスや事代主とも関連付けられる)…
世界的に、葦舟やパピルスの籠といったものに入れられ海(や川)に流されていく運命をもった人物の説話があります。
流されるのは、人の形を為していなかったり(日本神話のヒルコのように手足が無いなど)、異形であったり、したからでしょうか?
それとも口減らしの為に間引かれた、水子のようなものも象徴なのでしょうか?
当時は、そういった、子供をカゴや箱に入れ海に流す習慣・風俗・文化が世界的にあったのでしょうか? 上記に挙げた人物たちのように有名でなくとも当時流されたり、そうにされた命がいくつもあったのでしょうか…?
もしくは死産みたいな形でも、遺体の赤ん坊を流したりしたのでしょうか?
地域や神話・伝説によって流された理由は違ったり、神話上の人物は、生きていて流された先で英雄や王となっていますが…
また、流された元の場所から、別の文化圏に流れ着くといったこともあったのでしょうか?
当時の実際の現場ではどういったことが行われ、どんな出来事・文化・風習などが神話や伝承のモデルになったのか、とても知りたいのです。
そして上記に挙げた、代表的な説話と似たもの、近いもの、またそういった神話類型のようなものをご存知でしたら是非併せて教えて下さい!
質問ばかりで本当にすみません。でも知りたくて…。どうかよろしくお願い致します!
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
クリスチャンの方を怒らせてしまうかも知れませんが、
モーゼの話は、
アッカドの実在の王のサルゴンの伝説が元になっているんですよ。
~~~~~~
新アッシリア時代のアッシリア王名表におけるサルゴン伝説
サルゴン自身による発言として以下のような話が記載されている。 「母は私を取り違えたため、私は父を知らない。私はアズピラヌで生まれた。私を取り違えた母は秘密裏に私を篭に入れて川に流そうと考えた。そして彼女は増水した川に私を流した。しかし川は私をアッキ(AKKI)の下へと運んだ。それでアッキは私を息子として育てた。アッキは私を庭師にした。イシュタルは私を愛し、4年間にわたって私に王を担当させた。私は城壁を斧で破壊し、山の頂上へと登り、海岸の国を3度攻め、ディルムンを征服した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB% …
~~~~~~
モーセの伝説だけではなく、
ギリシアのペルセウス、ローマのロムルスの話も、サルゴン伝説が元になっているんです。
ですから、似ていて当たり前なんですよ。
さらに言いますと、
この手の話は、《貴種漂流譚》といわれまして、世界の神話の中でよく見られる話のパターンです。
貴種漂流譚
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B4%E7%A8%AE% …
Wikipediaには書いてありませんけれども、
ギリシア神話のアポロンも、ゼウスの怒りをかって、一度、天界追放の憂き目にあっていますしね。
ヤマトタケルの伝説もこのパターンに分類されます。
竹取物語のかぐや姫そうですし、山椒太夫、アンジュとズシオウの話もそうです。
桃太郎はちょっと微妙ですかね。
日本神話のヒルコは、もっと微妙・・・。
と、身も蓋もない話をしてしまいました(ポリポリ)。
No.8
- 回答日時:
こんにちは。
☆《神殿娼婦》は モーセの時代をくだったときにもいたわけですが 仮りにいまそれを母として生まれた子という場合を取り上げても その人間が神と・もしくは神々とどうつながるのかについては よほど違いがあると考えます。サルゴンは 母としての神聖娼婦をとおして神々へとつらなっていくと思われていたのではないか。
◇この部分は、難しいですね。
ただ、シュメルやアッカド(この二つをあわせてバビロニアという)には、
王は、女神イシュタルの乳で育てられる
という神話、伝説、考えがあったのは事実です。
こうした伝説の形式を踏まえ、踏襲しているだけなのかも知れませんが、
サルゴン伝説の中でイシュタルの名が登場するように、
王と神は結びついている可能性は高いと思います。
ですが、すこしうがった見方をしますと、
サルゴン、アッカド語では《シャルキン・Šarru‐kin》は、「王は真正なり」、「王は正統なり」という意味であり、
これが彼の本名であったとは考え辛い。
サルゴンは、王位・王権の簒奪者なので、その正統性が問題になる。
その正統性を主張するために、
本人がそう名乗ったのか、
後継者などからそのような名、称号が与えられた可能性が高い。
そして、サルゴン伝説が生まれた、創作された・・・。
ということで、まったく政治的な理由であったのかもしれないです。
Šarru‐kin
http://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82 …
ちなみに、
サルゴンの孫にあたる《ナラム・シン》は、メソポタミア史上初めて神と名乗った王さまです。
《ナラム・シン》伝説は、
神の怒りをかって、のちの代に、異民族に侵攻され、亡国。そして、異民族の支配を受けるという、
ユダヤ・イスラエルの亡国ストーリーの元になっているかもしれません。
ナラム・シン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A9% …
質問から外れているかも知れませんが、
ご参考までに、
紹介いたしました。
No.7
- 回答日時:
こんにちは。
★ (趣旨説明欄) 地域や神話・伝説によって流された理由は違ったり
☆ とおっしゃっているとおり 内容はさまざまであると考えます。
その意味は 神話学や民族学(文化人類学)という分野においてそれなりに解釈がなされ この《赤子が海に流される》なる主題について一定の類型にあてはめられるとしても これを哲学としてどう扱うかは また別の問題だと考えられるからです。
民俗伝承の中には 《説話》というジャンルもあります。つまりそれは いわゆるシュウキョウとかかわっていて 或る種の倫理を問うており哲学に踏み込んでいるかと見られます。見られるのですが でもそれでもこのような倫理規範をめぐる思想も 説話を一たん離れて哲学として処理する必要がある。と一般に考えられるからです。(ゴータマ説話には 話が成り立たない内容のものがあります)。
哲学としてどう処理するかには いま触れませんが 神話と歴史物語とも違うと考えられます。どちらも世界観をそれなりに著わしますが おそらく執筆の態度がちがっています。
神話は 人間とその社会の出来事をいと高き神々の世界へ持ち上げて行っていると見られます。
人びとの中で秀でた者を英雄と見なしさらには神として仰ぐといったように 現実から想像力をたくましくして高きところへ上げて行く傾向にあります。あるいは上がって行ってしまっています。
歴史物語は ぎゃくです。昔のこととてそれほど違わないと見られる要素が多いのでしょうが それでも 一たん神(神々)の世界へ上がって行った話を 人間界へと降ろして来ている。つまり 昔の物語は 神と人とのあいだに隔たりを見て 互いのあたかも対話を捉えようとしている。
いまの《赤子を流す》主題についても 物語はその理由を 人間と社会の問題として語ります。
▲ (出エジプト記1:22) ~~~~~~~~
ファラオは全国民に命じた。
「〔* ヘブル人は 人口が増えてかなわぬ。ゆえに〕
生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め。
女の子は皆、生かしておけ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ これを より古いエジプトやメソポタミアの文明における神話の中に先行する話があるとして それらにあてはめられています。
▼ (ヰキぺ:サルゴン(アッカド王)) ~~~~~~
§ 5 サルゴン伝説
§ 5.1 誕生伝説
サルゴンは女性祭司(恐らく神殿娼婦)の子として生まれたためその出生を隠され篭にいれられてユーフラテス川に流された。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ つまり その先行神話からパクって モーセの物語をつくったと言うことですが こんどは それはおそらくその話素がすべて盗作だったとしても 記者の態度はまるで違う。と見ることは 欠かせないのではないでしょうか。
つまりサルゴン王の場合には すでに歴史物語の体裁を採っているかも分かりませんが けっきょくは《神話》の視点をひきずっている。こう見られます。
それは さきほど触れたように 神話は人間とその社会をも神々の世界へと上げて行ってしまう。からだと思われます。
▼ (ヰキぺ:エヌマエリシュ) ~~~~~~~~~~~
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8C% …
上にある天は名づけられておらず、
下にある地にもまた名がなかった時のこと。
はじめにアプスー(真水を司る神)があり、すべてが生まれ出た。
混沌を表すティアマト(塩水を司る神)もまた、すべてを生み出す母であった。
水はたがいに混ざり合っており、
野は形がなく、湿った場所も見られなかった。
神々の中で、生まれているものは誰もいなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ 《神々・生まれる・生み出す母》などが 人間の――擬人化ならぬ――擬神化を示すように思われます。
これをパクッた旧約聖書・創世記の冒頭は こうです。
▲ (創世記1:1~) ~~~~~~~~~
初めに、神は天地を創造された。
地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。
神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。
神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、
光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。
神は言われた。「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」
神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。
・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ このときには まだ人たるアダムもエワも 生まれていなかった。言いかえると ここでは 神について擬人化してその思いや行動を表現しているというのみであって むしろ人間界とはそのつながりが絶たれているとさえ見られます。
こう考えるなら――その説明は簡単過ぎましょうが―― 同じ誕生伝説であっても サルゴンとモーセとでは 神と人との切り結ぶ関係を捉える視点が違うと考えられます。
《神殿娼婦》は モーセの時代をくだったときにもいたわけですが 仮りにいまそれを母として生まれた子という場合を取り上げても その人間が神と・もしくは神々とどうつながるのかについては よほど違いがあると考えます。サルゴンは 母としての神聖娼婦をとおして神々へとつらなっていくと思われていたのではないか。
モーセと神とのあいだには 超えようにも超えられぬ絶対的な隔たりがありますから。つまり 物語は あたかも神の意志が歴史に刻まれて行ったという体裁をとりつつ 問題は 人間が人間とのあいだでどう考えどう振る舞ったかに移行して行っている。と見ます。
そしてしかも その中の秀でた人間が 英雄や王になることが 問題ではない。そうではなくダヰデ王にしても あやまちを侵しつつも いかに神のこころにもとづき――ということは おのれの実存というあり方においてどう哲学するかを考え実行して――生きることが出来るか。これを問い求めているわけです。(伝承としての《詩編》)。
お問い求めへの答えではないかも知れませんが 哲学カテとして こう考えます。
No.6
- 回答日時:
古代バビロニア、シュメルなどにおける《神聖娼婦》を誤解なされると困りますので、
Wikipediaの神聖娼婦の記述を読んでください。
神聖娼婦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%81%96% …
神聖娼婦は、いわゆる娼婦や売春婦とは異なるもので、
宗教儀礼、神事として、
王と女神の結合、《聖婚》に参加する巫女のような女性です。
No.5
- 回答日時:
NO4に少し付け加えます。
サルゴンが川に流されたのは、《神明裁判》なのだろう、といわれています。
サルゴンの母親は、おそらく神聖娼婦であったであろうと推測されています。子供を作ってはいけない身であった、あるいは、なしてはならない子供であった。そこで、川に流し、神にその生死を委ねた、神意を問うた。
古代において、川は神さまでもありますので。
No.3
- 回答日時:
モーセの話ですね。
イスラエル人があまりにも増えたのでエジプトのパロが産まれた子供をみんな殺させてしまうという事になったので、可愛くて殺せなかったモーセのお母さんがカゴにモーセをいれて流したのですね。
No.2
- 回答日時:
海に流すのは海の彼方や海中にある楽園に届けると言う意味もあったはずです。
この考え方は海洋民族にほぼ共通する考え方です。また、文明の多くは川に関連して発達していますから、川に対してこのような考え方を持っていたはずです。川の中に龍神の屋敷があったりという類型の伝承のある淵や滝は日本にもあります。
回答種の知識では、東洋だけですが、神仙思想に於ける蓬莱山、仏教で言えば観音菩薩の住むと処とされる補陀落(ふだらく、ほだらく、サンスクリットではポタラ)など、海の彼方にあると考えられてきた楽園があります。
余談ですが、補陀落については、後に補陀落渡海という捨身行(促進物のように自分の命を差し出す行)が行われています。
No.1
- 回答日時:
正確な答を知る者ではありませんが・・・
>地域や神話・伝説によって流された理由は違ったり、神話上の人物は、生きていて流された先で英雄や王となっていますが
パターンによって違いますが、おそらくは人口増加に伴う生息地である新天地の発見や移住がが元になっていると思います。
農耕が始まってからは人口は増える一方で、生息地は赤道直下から極地までに広がっています。
一地域で賄いきれなくなった人員は、新天地を求めて開拓を繰り返し移住を続けたのでしょう。
件の神話は人類の版図の拡大に伴うストーリーだと思います。
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