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今日の日経BPオンラインの記事の中に、リルケがザロメへ送った書簡『フィレンツェだより』を翻訳した哲学者の森有正の言葉、
 「仕事は心をもって愛し尊敬する人に見せ、よろこんでもらうためだ。それ以外の理由は全部嘘だ」
が掲載されていました(森有正『バビロンの流れのほとりにて』筑摩書房)。

私は先日、23年連れ添った妻を亡くし、生きる張り合いをなくしたように感じていたため、この言葉が胸に刺さりました。

弱さを持つ人間が、それでも“仕事”を行って何かを成し遂げようとするには、支えが必要だと思っております。
何が支えとなるかは、周囲の賞賛や、コンプレックスをバネにしたりなど、人によっては様々だと思いますが、私の場合は愛する妻の存在でした。

私自身は物事に淡白なところがあるのですが、妻と一緒なら、様々なことを楽しんだり喜ぶことができ、妻の病気や治療費の苦労など、つらいことがあっても、毎日を楽しく過ごすことができました。また仕事についても前向きに取り組むことができておりました。

しかし、妻を亡くした今は、これからの仕事のプランを色々考え、計画することはできるのですが、「仕事がうまくいっても一緒に喜んでくれる妻がいない」「苦しいときには励ましてくれる妻がいない」と思うと、張り合いが持てず、成し遂げる自信も意欲も湧いてきません。

このままでは妻のことを想い、泣いて過ごすばかりで、先に進めそうにありません。

心の支えや、心の支えであった愛する人を失ったとき、どうするのがよいのでしょうか?
アドバイスをお願いいたします。

A 回答 (1件)

心理士で、元大学教員でした。



私自身、過去に「生と死を考える会」に関わりがあり、定例で開かれる会に出席し、大切なご家族(とくに配偶者の方)をなくされた皆さんのお話を伺い、ときに多少助言といいますか、示唆を差し上げることをしていた経験があります。

このたびは、23年間連れ添われた奥様を喪われ、質問者様には、大変辛く、悲しい状況でお過ごしのことと拝察いたします。

以下、私のささやかな経験をまとめたもので、もしお役に立つようでしたら、幸いに存じます。

まずは、悲しみを十分に表現することが大切ですし、その方が後の立ち直りにも良い影響があると申し上げます。
男が泣くのはみっともないなどといわれることもありますが、男性であっても、辛いことは辛い訳ですし、悲しいものは悲しいのです。
むしろそれを否定してしまい、やせ我慢をすることで感情を抑えつけてしまいますと、後々それが尾を引いて、他の心理的な問題が生じてくることもあります。
悲しみを十分に表現することで、死に対する否定的なお気持ち、怒り、罪悪感、抑うつ感などのネガティブな感情から解放されます。

このように悲しみを十分に表現するとき、お一人でということもできますし、同じ経験を持つ仲間の方たちとともにするということも一つの方法です。
各地で、私が参加していたような「生と死を考える会」と行った名勝の集まりが開かれているかと思います。
今ではインターネットで検索すると、そういう場が見つかるかと思います。
私が参加していた頃は、女性の参加者が多かったのですが、次第に男性の方も少しずつではありますが、増えていました。
今は、男性の方の参加も多いのではないかと思っています。

こういう同じ体験を持つ方とのつながりは、「苦しいのは、あるいは、辛いのは自分だけではない事」に対する気づきを与えてくれ、そこから生きる力を得ることにつながっていきます。
また、励ましにもなりますし、他の仲間の方が立ち直っていくのを見ることで、ご自身が立ち直るヒントをつかむこともあります。

ただ、こういうグループに参加なさる際に、2つ気をつけていただきたいことがあります。
それは、「悲しいにはさまざまな形があることを知る」ということ、そして、「他の参加者の方の悲しみとご自身の悲しみとを比べない」ということです。

他の方のお話をお聴きになって、批判せずにそれを受け容れ、共感することが大切です。

これらによって、ご自身の新しい生き方を考えられるようになってくるでしょうし、その達成に向けたエネルギーも湧いてくるとおもいます。
もちろん、そうした心境に至るまでのプロセスには、個人差があります。
焦らず、その時の悲しみなど、湧いてくるさまざまな感情をご自身のものであると認めることで、悲しみがどこから来るかという、悲しみの由来や、ご自身が何故悲しんでいらっしゃるのかという悲しみの意味まで洞察できれば、自然に立ち直りの道を歩んでいくことができると思います。

いずれにしても、まずは、ご自身が悲しい状況におかれていることをお認めになり、そうした感情を十分に表現なさることから始まると私自身は、考えております。

もし多少とも参考になるようでしたら、幸いです。
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この回答へのお礼

ご回答いただき、ありがとうございます。
急用があり、実家に帰っておりましたため、御礼が遅くなりました。

「悲しみを表現すること」ですが、妻が亡くなって以来、一人しかいない家で毎日泣いております。

和服や外出着など、妻があまり着ていなかったものは整理して、形見分けに妻の実家に持って行きましたが、妻が寝ていたベッド周りや、洗面所や風呂場のこまごましたもの、通院時に着ていた妻の普段着などは、何1つ片付けられず、仕事から帰宅したとき、妻がいたときのままの家に妻がいないのを見ては泣いてしまいます。

仕事中はスイッチが入って、それなりにはやってはいますが、心の中は空洞になった感覚があり、このままでは何もやり遂げられないように思い、今回の質問をさせていただきました。

ご回答いただきました通り、泣くことで何とか日々のバランスはとれているように思うのですが、この状態がずっと続いてしまいそうで、このまま何もできないままになってしまいそうで不安を感じております。

心の支えをなくしたとき、そこから立ち直ることはできるのか?というのが今の不安であり、何か参考になることはないかと探しております。

お礼日時:2014/07/05 19:54

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