入れ歯洗浄剤について

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質問者：rosetta
質問日時：2014/08/13 01:18
回答数：2件

部分入れ歯を使うことになって部分入れ歯用ポリデントを買いました。ところで、括弧して「一部の部分入れ歯には使用できません」とあるのですが、これはどういう意味でしょうか？

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回答 (2件)

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No.2

回答者： duraphat
回答日時：2014/08/13 03:49

　結論から申しますと純チタン、チタン合金、銀合金ろうで変色の可能性があるため使用できないということで、上記金属を使用していない一般的な部分入れ歯は問題ありませんということです。

チタンは保険外の義歯で使用され、銀合金ろうは保険の入れ歯で金属同士をろう着するために使われる金属のことですが、いずれもすべての部分入れ歯に於いて使用されているものではありません。

　金属と言うものは一般的には酸素と結合して酸化被膜を作り、これが変色の一つの原因となります。金合金などの化学的に安定した貴金属では酸化被膜を作りにくく変色しにくいとされており、シルバーアクセなどに使われる銀合金等の非貴金属は酸化しやすく、酸化力のある液体(代表的にはハイターなどの家庭用塩素系漂白剤)に漬けておいたりすると容易に酸化して変色します。部分入れ歯に使用される金属は多岐に渡りますが、歯科の保険治療では一般的に金銀パラジウム合金及びコバルトクロム合金、保険外ではこれに加え金合金及びチタンが使用されますが、通常使用上はいずれも変色は少ない金属です。ただやはり酸化力の強い液体に漬けておけば特に銀合金、金銀パラジウム合金、コバルトクロム合金は変色してきますし、銀合金や金銀パラジウム合金では酸化以外にも唾液や食物中の硫化物と反応して硫化銀による黒い変色を起こすことがあります。銀合金は脆いため入れ歯の金具にあまり用いられませんが針金の金属同士をくっつける材料、銀合金ろうとして用いられる場合があります。

　変色すると見た目が悪く使用上差し支えがでますので、入れ歯用洗浄剤ではこういった金属の腐食を避ける必要があります。このため漂白剤成分も強力な塩素系ではなく酸素系漂白剤とし、部分入れ歯用ではさらにpHを中性付近に調整し、部分入れ歯用ポリデントでは防錆剤も配合しています。逆に松風の赤ピカのような強力タイプの洗浄剤は次亜塩素酸ナトリウムを漂白剤として含んでおり、この場合は強力な酸化作用によるプラスチックの劣化を避けるために部分入れ歯でなくても長時間の使用は避ける必要があります。
　
　上記対策の為、部分入れ歯用とされているものであれば通常の使用法、漬けておく時間等がメーカー指定通りであればまず変色はしないと思われますが、それでも塩素系ほどではないにしても酸素系漂白剤を含んでいますので、10時間以上といった長時間の浸漬により、あるいは何らかの原因で溶液のpHが10を上回るアルカリ性であったりするとチタンといえども変色を起こしてくるとは考えられます。ただそうであればチタンに限らず金銀パラジウムやコバルトクロムでも変色してもおかしくはないと思われますし、ポリデントにしてもパーシャルデントにしても部分入れ歯が使える義歯洗浄際の成分はほとんど同じでpHも中性から弱アルカリ性に調整されています。事実入れ歯に使用されている金属の変色が完全にないと言いきった商品もほぼありませんし、まあ成分すら書いていないものは論外として、良く見ると注意書きに変色が認められた場合は使用を中止せよと書かれていたりします。ですから部分入れ歯用ポリデントだけがチタンで問題となるとも思えないのが私としては少し腑に落ちません。金合金はもともと変色しにくいですし、チタン製義歯は100％自費の保険外義歯なのでそのあたり予防線を張っているのか？と勘繰りたくもなります。

　ざっと調べた範囲内ではフィジオクリーンキラリではチタンおよびチタン合金での変色はないとパンフレットできっぱり明記しています。成分的にはあまりポリデントやパーシャルデントと大して変りはないようですが、二酸化チタンが触媒として入っており、洗浄が短時間で終了するため変色への影響が少ないということだと私は解釈していたのですが、一晩漬け置きするとより洗浄効果があるとも書いているので(部分入れ歯のことは指していないのかもしれませんが、普通の人がそれを見れば部分入れ歯でもそうするでしょうし）、それでも変色はないと言い切れるのか？と気にはなりますが、まあメーカーがそう言いきっているのだからそう信じるしかない？

　基本的には金属を使った入れ歯は洗浄剤による変色の可能性はゼロではない、部分入れ歯用と明記されているものをメーカー指定通りに使用して、変色した場合には歯科医師と相談せよ、ということになるでしょうか。