言葉の結晶が文学である以上、偉大なる文学作品は我々が日常使う言語の発達にも重要な貢献をしてきたと考えます。
出展は不明ですが文学作品が豊富かつ文学の歴史が長い言語ほど単語の数が多いという指摘を見たことがあります。
つまり、言葉が洗練され、高度化していく背景には、時間的・内部的な発展だけでなく、偉大なる文学作品が外部から起爆剤となって言葉を洗練させ高度化させてきた歴史があるのではないでしょうか。
現に明治以前と以後とを比較したときの文学作品の増加、海外文学の翻訳によって日本語の語彙の数は飛躍的に増加しました(これについても具体的な研究内容をご存知の方がいれば教えてください)。
たとえば源氏物語の影響で日本に広がった概念や言葉、あるいは内田魯庵のドストエフスキー作品の日本への翻訳からはじまって日本に新しく入ってきた概念、または意識の流れによって書かれたトリストラム・シャンディをはじめて日本に紹介した夏目漱石の影響など、
「この言い方、この表現の仕方はこの文学作品によってはじめて言葉・語彙として取り込まれ(世に広がり)、それ以前はこういう言い方をする言葉の使い方は存在しなかった」
などという事例を、みなさんがご存知の範囲で構いませんので、知っている限り教えていただきたく思います。
文学作品の影響史や、上田敏の詩集海潮音、森鴎外の於母影など、文学界に絶大な影響を与えた詩集の表現方法が日本語の語彙に与えた影響などについても興味があります。
文学に関する影響史をテーマに回答をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
残念ながら、文章語は常に口語の後追いです。
日本語の古典を思い出して下さい。
明治になって突然日本語が変わったわけではありません。
言文一致体は口語とは別物になってしまった文語を、口語に近づけたものです。
言語の発音、語彙、文法を変えるのは常に口語です。
文章は口語に追随することしかできないのです。
文学作品が増加するのは、言葉というよりも、印刷技術が発達したからです。
活版印刷こそが鍵です。
手で書き写したり、版木で1ページ分彫ったりするのは、あまりにも非効率です。
翻訳と言葉の変化については、柳父章の著作をご覧下さい。
語彙や文体について詳しく分析されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E7%88%B6 …
他にも、翻訳文体の影響で受動態が増えたとか、そういう研究がありますが、でもまあ、あまり強調しすぎるのはどうかと思います。
そもそも、かたい文章語は漢文訓読の文章が元ですから。
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