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経済学に詳しい方にお尋ねします。
メーカーと小売店が共に市場支配力を持っているときに合併すると、小売価格が低下する可能性があります。その理由は何ですか?

A 回答 (1件)

一言で言うと、「二重」の限界化(double marginalization)が解消されるからです。

メーカーが財の生産を独占し、その製品を小売店が独占的に販売しているとする。簡単なモデルを作って分析してみるとよくわかる。
ステップ1.この製品に対する消費者の需要は
 Pr = a - Q     (*)
で与えられ,メーカーの費用曲線は
 C = cQ      (**)
ただし、Pr=この製品の小売価格、a=パラメータ(定数)、Q=製品の販売量(生産量)、c=メーカーの生産1単位あたりの製造費用(限界費用)で一定とする。すると、独占小売点はメーカーから卸売価格Pwで買うとすると、小売点の利潤Πr
   Πr =PrQ - pwQ
となるが、小売企業は小売利潤を最大化するために、限界収入=限界費用へ設定する。限界収入=a - 2Q, 限界費用=Pwであるから、小売店は与えられた卸売価格Pwに対して
   a - 2Q = Pw   (***)
となるように販売量Qを定める。よって、小売価格Prは, これを需要曲線(*)代入することで
 Pr = a - (a - Pw)/2 = (a+Pw)/2   (****)
となる。これを見越したメーカーはメーカー利潤
   Πm = PwQ - cQ
を最大化するため、限界収入=限界費用によって価格を決定する。メーカーの限界収入は(***)より、a - 4Qであり、限界費用は(**)よりcであるから、
  a - 4Q = c
よって、
  Q = (a-c)/4
これを(***)に代入して卸売価格Pwは
  Pw = a - (a-c) /2 = (a+c)/2
となる。よって、これを(****)へ代入することで小売価格Prは結局
  Pr = [a + (a+c)/2]/2 = (3a+c)/4
ということになる。

ステップ2.メーカーが小売店を統合したらどうなるか?このときはこの時は統合企業は需要曲線
 P = a - Q
費用曲線
   C = cQ
に直面する独占企業になるから、限界収入= a - 2Q, 限界費用=cより、独占生産(販売)量と独占価格はそれぞれ
   Q = (a-c)/2
P = (a+c)/2
となる(確かめてください)。上と比較すると、わかるように、統合すると販売量は(a-c)/4から(a-c)/2へ増え、小売価格は(3a+c)/4から(a+c)/aへと低下する。

理由は、メーカーと小売が統合することで、2重の「限界化」が一つの「限界化」に「統合」される、ということです。独占というのは、生産を縮小し、価格をつりあげることで利潤を引き上げる。メーカーと小売がそれぞれ独占だと、製造段階で価格を引き上げ、小売の段階でその価格をさらに引き上げるので、生産はさらに縮小し、価格はさらにつりあがるのです。統合すると、消費者が価格下落という利益を受ける(消費者余剰が拡大する)だけでなく、企業の利潤(メーカーと小売の合計利潤)も拡大する(上のモデルで確認してください)。
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この回答へのお礼

助かりました

本当にありがとうございます!!
アホの自分でもとても分かりやすかったです!!

お礼日時:2016/01/15 12:06

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