得意先から100万円ぐらいの売掛金回収が滞っています。
その得意先が破産手続きをしていれば、貸倒損失を計上できることができると思いますが、破産手続きはしておらず、不定期に数万円の返済があります。
その得意先には担保物件(1番根抵当)を設定しているのですが、その対象となる土地が全く売れそうにない土地で実質あてにはできないという現状です。
このような不定期に数万円の返済がある状況では、いつになったら全額返済されるかわからず、当社としては実質的に回収不可と判断して貸倒損失を計上したいのですが、税務上どのような手続をすればよいでしょうか。
損失計上後に不定期に回収される分はその都度益金算入します。
法人税基本通達に照らし合わせると当社の場合次のようになります。
①基本通達9-6-1 法的整理した場合
得意先は法的整理されたわけではないので該当せず
②基本通達9-6-2 事実上の貸倒
担保物件がないことが要件になっていますが、担保物件はあるのでこれにもあてはまりません。
⇒担保を外せばよいのでしょうか?
③基本通達9-6-3 形式上の貸倒
「取引停止後1年以上経過した場合」とありますが、当社では上記のように不定期に数万円の返済があるので、この条件にはあてはまりません。
夜逃げしたわけでもないので、9-6-3適用時に使う手段である、内容証明郵便が所在不明で戻ってくるという手段も使えません。
(これが使えれば貸倒損失計上はOKでしょうか?)
このような状況での、貸倒の損金計上はどのような手続をふめばよいでしょうか?
そもそもこのような状況では貸倒の損金計上はできないのでしょうか?
宜しくお願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
抵当権の抹消は、私は無用だと思います。
理由
抵当権実行しても買い手がいない事が明白な事実ならば、抵当権実行そのものが経費倒れになる。
また、抵当権の設定行為は債権の時効中断行為とは別物なので、所有者が「いつまでも抵当権が設定されていて困る」と言いだしたら「すでに債権消滅してるので、設定解除にはいつでも同意する」と回答しておけば良い。
解除費用は「所有権者」持ち。
仮に第二抵当権者が「売ります」と言いだしたら、それに任せれば良い。
売却代金に対して債権現在額を「ゼロ」として回答する。
つまり「配当はいらん」態度を見せれば良い。
まったく別の話から「この抵当権が邪魔だ」という者が出たら、その者が債権者代位権で第一抵当権の抹消をすれば良い。
「所有者はすでに抵当権で担保される債務が消滅してるのに、抵当権抹消をしない。ために他の債権者が抵当権実行後、自己債権への配当がないと錯覚して抵当権実行に踏み切らない。債務者が行わない行為を債権者(第二抵当権者)が代位して行う」という理由。
これは実務で認められて、抵当権抹消がされたケースがあります。
税法では「抵当権設定がされてると、貸倒にはできん」としてるので、困ります。
抵当権設定に債権消滅事項の中断理由があるだないだという話をしても、次元が違うと言われるでしょう。
所有権者に「債権放棄通知」を出すとともに「こっちで抵当権抹消するから、司法書士が言ったらハンコぐらいつてくれ」と話を通しておくべきだと思います。
No.3
- 回答日時:
少なくとも税務上は貸倒損失に該当しません。
貸倒損失とするためには裁判所による切り捨てや破産の終結、取引停止後1年以上経過などといった特定のイベントが存在しなければなりません。質問者ご自身がお気づきのように、そのようなものは存在していません。ですが、質問の目的は損金算入なのでしょうから、貸倒損失にこだわる必要はないと思います。この場合、個別評価の貸倒引当金の対象になると思われますので、検討する価値はあると思います。相手方の状況が分からないので実際にどれくらい損金算入できるか不明ですが、債務超過による取り立て不能見込み額(法人税法施行令第96条第1項第2号)が該当する可能性があると思われます。
http://www.geocities.jp/mhtax06/hou1101.html
No.1
- 回答日時:
貸倒損失処理に税法が要件をつけてるのは「貸倒損失計上によって恣意的に租税負担を免れることを防ぐ」ためでしょう。
すでに売上に計上してるので、租税負担はしてるのですが、進行期における利益圧縮のために「いっそ、この債権は回収できないと判断する」ことを認めることができないようにしてるわけです。
この点はご質問者が十分に知っててのご相談だと理解します。
1、抵当権の抹消。
2、債務者に「債務免除通知」を送達させる。
など考えられますが、ここで免除金額がまともに問題になるでしょう。
税法では「取立て手数料の方がでかくなってしまう」場合には貸倒損失にしてもええとしてます。
4万円かけて2万円取立てしてては、「なんだかなぁ」だからです(遅ればせながら、阿藤海さんのご冥福をお祈りします)。
債権額が100万円ですよね。
「それは通用しない」と専門家からおしかりを受けるかもしれませんが、私見ですから、許してください。
会社の経理課長などに「毎月取立てに行かせる」のです。
債務者の場所が不明ですが、行き帰りの交通費と課長への日当などを全て計算して出します。
課長には給与を払ってるのですから、実際に日当は支払いませんが、高い給与を払ってる課長を動員してる「コスト」は計上してかまわないでしょう。
前泊、後泊が必要なところでしたら、泊りがけで行かせます。
そして、その記録も詳細に残し「取立てをするためこれだけ費用がかかる」ことを明白かつ客観的にしておきます。
同時に「効果測定」をします。
半年間に「取立て手数料を40万円かけた」「回収額は10万円だった」
このような計数を表にして、取締役会で「この債権は不良債権として切り捨てる」決議をします。
無論、債務者には「債務免除通知」を送達することになります。
任意で支払ってくるのを待ってる自然債権ではないのですから、請求行為をすることは当然です。
紙切れで請求してるだけでは、少額しか払ってこないので取立てに伺うわけです。
その費用が「実際に回収できる額よりも少ないことが証明」できれば、税務当局も貸倒損失処理することに、租税回避のための恣意性があるとは言わないでしょう。
税務調査官に「この貸倒損失は認められない」と言われたら「取立費用と回収の記録」を見せるだけです。
「回収できる額よりも、取立て費用の方がかかってる記録がある。実績です。」
「法人としては、このような不良債権は処理することで取締役会で決議されてます」
回収額よりも取立て費用の方が「現実に多い」のですから、通達に該当するではないですか。
ダメかなぁ?
無論、自然債権となるので、相手が任意に支払いをしてきた額は、売上として処理します。
貸倒処理した額の備忘記録へ入金記録をつけて残額管理をしないと「おいおい、取立てしすぎてるぞ」となります。
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