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液シンよりもGM計数管の方が測定に適している放射性原子って何がありますか?

A 回答 (1件)

放射線計測の基本を勉強していますか?



GM管は「放射線の数」を数える検出器なので、「放射線を出しているのが何の元素か?」は分かりません。通常は「何の原子か」が分かっている状態で使うか、あるいは「放射線があるかないか」「合計の放射線がどの程度か」を測ります。原理的に、アルファ線、ベータ線、ガンマ線が測れますが、アルファ線は透過性が弱いのでGM管の「電離気体」にまで到達するように作るのは難しいです。ベータ線の検出も、現実には難しいことが多いです。

シンチレーション検出器は、「放射線の数」と「放射線のエネルギー」とを測れます。「エネルギー」が分かると、その放射線を放出している元素が何であるかがおおむね特定できます(「核種分析」と言います)。ということで、シンチレーション検出器は、「放射線があるかないか」だけでなく、「その放射性物質は何か」が分かります。

上に書いたように、GM管は「電離気体」を封入する容器が必要なので、放射線を「外から」測るので、放射性物質そのものを通過するときの吸収(自己吸収)およびGM管壁での吸収があり、アルファ線・ベータ線の精密な測定には不利です。
「液体シンチレーター」では、シンチレーター内に「放射性物質」を溶解できれば、放射線の発生元の「内側」で計測できるので、自己吸収や検出器壁での吸収がなくなり精度良い測定ができます。(ただし、シンチレーターに「溶ける」物質でないといけませんが)
ただし、精度が良い代わり「携帯性」は持たせられません。

携帯して現場の放射線を測りたければ、GM管やプラスチックシンチレーター検出器などを使う必要があります。
福島などのように測定対象の核種が限定される場合(「セシウム137」など)、かつ「可搬性」が求められる場合には、価格の安いGM管を使うのが普通でしょう。

ということで、「計測の目的」(何を計測するか)、「携帯性」、「即応性」(その場ですぐわかるか、長時間かけて計測・分析することでよいか)、「コスト」など、いろいろな要因を考慮して、最も適した計測方法を選ぶのが普通です。

どういう観点で調べたいのか分かりませんが、上記に書いたように一般的には「GM計数管の方が測定に適している放射性原子」というものはないでしょう。
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