
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
2(CrO4)2- + 2H3O+ ⇔ (Cr2O7)2- + 3H2O
上記の平衡反応は高校化学の範疇では酸化還元反応とは言わないようですね。
単純にクロムの酸化数だけを見ると、両辺のクロムとも+Ⅵのままで変化していないのが理由のようです。
上記の式は化学平衡反応で、ルシャトリエの原理が作用して、
水溶液の酸性度が高くなると左側に(オキソニウムイオンがない方へ)振れ、塩基性度が高くなると右側に(オキソニウムイオンがある方へ)振れます。
その平衡反応の中では、ニクロム酸イオンがクロム酸イオンにpHにより変化しています。
ニクロム酸イオン(Cr2O7)2-が酸化剤として作用し、7個の酸素原子を放出し3個の電子を受け取ることという、ニクロム酸イオンの酸化還元の反応式を高校化学で習うと思います。
(Cr2O7)2- + 6e- +14H+ → 2Cr3+ + 7H2O ←よく出てくる式ですよね
酸化剤としてニクロム酸イオンが作用するのは酸性(pH”1以下”)ですので、酸化によりpH7まで変化してクロム酸イオンに変化することはないです。
私の説明が拙かったのは、酸化還元反応を電子の授受、原子での電子密度の変化と捉えた時、
酸化数だけから判断して良いのか?という部分で、不明確な説明になってしまったところだと思います。
クロム酸イオン(CrO4)2-では、Crを中心に正四面体に均等に電子密度が分散して2価の陰イオンとなるのですが、
ニクロム酸イオンでは(Cr2O7)2- 2つのCrの間にO原子が入り電子密度に変化が生じて2価の陰イオンになること。
単純に酸化数が+Ⅵのままの無変化だけではないということが、上手く伝えられなかったことだと思います。
No.3
- 回答日時:
クロムの酸化数が変化がないことは、酸化還元反応に関係するかどうかの根拠にはならないです。
酸化数は、1938年にラティマーが、ある対象の原子の電子密度が単体の場合とどれくらい異なるのかを示す目安の値です。
あくまで簡単に原子の電子密度がどれくらいなのかを予想するだけのもので、実際にどうなっているのかは酸化数だけで議論はできないです。
2(CrO4)2- + 2H3O+ ⇔ (Cr2O7)2- + 3H2O
酸化数だけから見ると +Ⅵと変化はしていないので上記の平衡は酸化還元反応ではないと言えます。
そのように解説しているサイトなどもありますね。
しかし、
クロム酸イオン(CrO4)2- は、正4面体構造を持ち、上の平衡では塩基性領域で多くなり酸化剤としては効果が小さいです。
ニクロム酸イオン(Cr2O7)2- は、二つのクロム酸イオンが一つの酸素原子を共有するような形になっています。そしてニクロム酸イオンは酸性環境中では強力な酸化剤として働きます。
酸化数だけでの見かけは変化がないのですが、ニクロム酸イオンはクロムに挟まれた酸素原子が電子の束縛が強い分、残りの酸素の酸化力が強くなっています。
また、上記の式では、クロム酸については、クロムの酸化数がⅥでも、水とオキソニウムイオンの酸化数分が変化しているとも言えますね。
高校化学という範疇で酸化数だけから判断すると、上記の平衡は酸化還元反応が関係ないと言えるかもしれませんが、
実際のところは、酸化力に対してい異なる性質を示しているので、酸化還元反応が起こっているとも言えます。
原子の電子密度がどの様に変化するかは、酸化数ではなく大学の専門課程の計算化学の分野で取り扱わないと実際の状態との比較は出来ないと思います。
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ご回答ありがとうございます!
>高校化学という範疇で酸化数だけから判断すると、上記の平衡は酸化還元反応が関係ないと言えるかもしれませんが
では、高校化学の範囲では、酸化還元反応の時に、酸化剤としてニクロム酸イオンがクロム酸イオンへ変化することはないと考えていいと思いますか?まあ、酸化剤としてニクロム酸イオンがクロムイオンに変化しないと、半反応式に電子が出てこないので、恐らく高校の範囲内では、酸化還元の反応式を書くことはできないと思いますが、、、
お手数お掛けしますが、ご回答宜しくお願いします!<(_ _)>