人生で一番お金がなかったとき

毎日のように新聞に三位一体改革の記事、特に義務教育費の削減に関する記事が載っていますが、これに関するもともとの知識がないので、記事を読んでもいまいちよくわかりません(>_<)義務教育国庫負担金は、教職員の給与にだけ使われているのですか?それ以外にも、削減によってどのような影響があるか、掲げているほどの削減は本当に可能なのか、三位一体改革についてなど、なんでも良いので詳しく(出来るだけわかりやすく)教えていただけたらうれしいです。無知なので質問内容が漠然としていて答えにくいかもしれませんが、どれか1つだけでも良いのでどなたかお願いします!

A 回答 (3件)

まずは事実関係から行きましょう。


 
 お尋ねの「義務教育費国庫負担金」は、今年度の国の予算で約2.5兆円になります。
 地方向けの国庫補助負担金総額が約20.4兆円ですから、全体の10%を超える大きなものです。

 この負担金は、小中学校の教職員の給与の2分の1を国が負担するものですから、使途としては教職員の給与に限定されます。(以前は教職員の旅費や学校の教材費も国庫負担の対象となっていましたが、今は対象外となっています。また、教職員の給与費の中でも、退職手当や児童手当、更には事業主である都道府県が負担する共済掛金についても対象外となっています。つまり、純粋に教職員の給料と手当(通勤、扶養、住宅、寒冷地等々)が国庫負担の対象となるわけです)

 削減の影響については、誤解があるようですが、義務教育費国庫負担の削減=教育の公費負担が減るということではありません。
 今回の三位一体改革の出発点は、日本は地方に対する国庫補助金が非常に多く、地方自治体の自主性が制約されていることから、地方が自由に使えるお金を多くするため、国庫補助負担金を廃止してそのかわり国税から地方税に税源移譲しようとするものです。
 すなわち、国は義務教育費国庫負担金を廃止すれば、2.5兆円分歳出が浮くわけですが、その分の税収が地方に行くわけですから、国にとってはプラスマイナスはゼロですね。

 さて、次の問題として、国庫負担金が無くなって地方税にかわったら、地方のような税収が少ないところでは結局入ってくるお金が減って大変なことになるんじゃない?という心配があるのはもっともです。
 このような税源の不均衡を調整するためにあるのが地方交付税で、教育、警察、介護保険、生活保護など、法律に基づいて仕事はしなければならないのに、そのための税収が足らない地方自治体に対して配分されるお金です。
 実は、義務教育費国庫負担金は教職員の給与の2分の1を国が負担するものですから、残りの2分の1は各都道府県が負担してるんですよね。それで、47都道府県のうち交付税の不交付団体、すなわち必要な行政サービスを税収だけで賄えるのは今のところ東京都だけですから、のこりの46道府県では、小中学校の先生の給与を「国庫負担金+地方税・地方交付税」で賄っているわけです。

 これで今のところ公教育の地域間格差は起きていないですよね。(むしろ公教育の質を考えれば地方の方がいいくらいです。都市部の教育はもはや私学なしでは考えられませんが、地方部では公教育が教育サ-ビスの大半を占めていますし、そこから優秀な人材を輩出しています)

 ですから、今全部国でやっているもの(例えば国立大学)をいきなり地方に移すとなると、これは大混乱が起きることが考えられますが、義務教育はすでに国と地方で割り勘でやっていて、その割り勘のうち地方の持ち分について地域間格差を調整する仕組みがあるわけですから、その仕組みを全体に当てはめれば、国庫負担金がなくても大きな問題は生じないのではないかと考えられます。

 つまり、義務教育費国庫負担金を廃止すると、すぐに住民の負担が跳ね上がって教育サ-ビスを受けられない人が出てくるといった事態は考えられないと言うことです。
(一つありうるとすれば、国庫負担金を廃止したときに、同額をきちんと税源移譲せず、何%かを国の財政当局がくすねるようなことをした場合では、ご心配のような事態が起きる可能性があります)

 もう一つ、地方に任せるとまじめに教育をやらずに公共事業ばっかりやるんじゃないかという心配もあります。実は、小中学校の先生については、義務教育費国庫負担金のほかに、いわゆる「標準法」という法律があって、各都道府県は最低でも40人学級になるように先生を雇ってクラス編成をしなければならない義務があります。ですから、国庫負担をなくしたからといって、50人学級や60人学級になって教育の質が落ちるようなことはできない仕組みになっています。
 むしろ、ここ数年は文部科学省が「やめろ」といっているのを聞かずに、地方が独自に30人学級などを独自に行ってきており、国が後追いでこのような状況を追認している状態です。

 ということで、結論から言えば、義務教育費国庫負担制度の廃止により、直ぐに教育を巡る状況が大幅に変わる可能性は低く、少しずつ地方の特性に応じた教育が取り入れられていき、教育の質を巡る地域間競争が行われることにより、教育の質は最終的には今よりもよくなる可能性がある(最悪でも悪くはならない)ということになると思われます。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません(>_<)非常に詳しく、かつわかりやすい回答をしてくださってとても参考になりました。「国はいったい何を考えているの!?」と熱くなってしまいましたが、そのような事態が起きる可能性は低いのですね。良かったです・・・義務教育の質がもっと良くなってくれることを祈ります。どうもありがとうございました!!

お礼日時:2004/11/04 17:50

義務教育は憲法に書かれた国民の権利であり、逆に言えば国の義務です。


ですから、本当は国がやるべきことなんですが、それを地方自治体に負担させている代わり、国が地方自治体に資金の支援をしましょうということです。

それが国庫負担金になるわけですが、使途が給与に限られるかどうかはわかりませんが、学校建設費や教科書代に
比べれば、給与が最も大きな負担でしょうから、給与の割合が多いのは間違いないでしょう。

これが削減されれば、地方自治体は国からの援助がなくなる分だけ、教育費を住民から徴収することになりますので、それが払えない住民は、小中学校に通えなくなってしまいます。
つまり、「貧乏な家の子どもは学校に来るな」といってることに等しい訳です。

なぜこの義務教育費が狙い打ちにされたのかと言えば、数ある省庁の中で、文部科学省が最も弱体と
言われており、こういう議論を跳ね返せないからです。
これがもし、財務省や経済産業省など力の強い省庁の権限に関わることであれば、とっくに潰されています。

ですので、「何を削減すべきか」ではなく、「弱い省庁の権限をもぎ取る」という発想で出てきた話なので、
言われている額の削減が実施されてしまう可能性はあります。

ただ、これだけ国民の反対が強いので、素直に国会を通るとは思えないのですが、今の政権は国民に負担を
強いることが大好きなので、そんな意見は無視して通してしまうかもしれません。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません(>_<)省庁によって強弱があるのですね。それにしても、ただでさえ義務教育の内容が薄く浅くなっていて疑問を感じるばかりなのに、家庭の経済事情によって学校に行けるか否かが決まってしまう可能性があるのはひどいですね!!こんなことをしても国民には全然利点がないですよね・・・どうもありがとうございました!!

お礼日時:2004/11/04 17:44

私も勉強中の身なのですが……



三位一体改革:地方交付税、補助金、を削減する一方で地方に税源移譲を増やすこと。

これは”地方分権”の理念が基となっています。また、国としては国の財政が逼迫してきたので、地方にはできるだけお金をあげたくないという面もあります。ここには親(中央政府)と子供(地方自治体)の間の仕送り(補助金)でたとえるとわかりやすいと思います。

つまり、今までは親(中央政府)からの仕送り(補助金)がたくさんあったので子供(地方自治体)はアルバイトをしなくてすんでいました。しかし、親の収入が減ったので{長引く不況による歳入不足、赤字財政累増などのため}、仕送りが減りました。そこで、子供はアルバイトをしなくては生活ができません。親はアルバイトを許すのが普通ですが、今議論していることは、このアルバイト(税源移譲=地方の収入を増やす)を親がどの程度許すのかについてです。仕送りは減らすがアルバイトは認めない、認めたとしても少しだけ(仕送り減額分以下)ということです。

また、義務教育費を減らすということは、極端な話ですが、財源が乏しい地方自治体によっては学校に行けない子供たちもでてくるというこうとです。国防と並んで国がするべき重要な役割のひとつである教育を放棄することと等しいのです。


説明が長くなりましたが、財政の授業で教えられた内容はこのようなものでした。さらに深い理解のためには財政学一般の書物を読まれることをおすすめします。

参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4641161 …
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません(>_<)授業をお受けになっているとのことで学生さんでしょうか?やはりこういうことも授業で取り上げられるのですね(*^_^*)

アルバイトの例は、すごくわかりやすいです。あ、なるほど!!と納得しました☆本当にどうもありがとうございました!!

お礼日時:2004/11/04 17:40

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