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以前から一部では、“痴漢冤罪”による人権侵害が問題になっていましたが、最近この「教えて!goo」でも、『もし痴漢を疑われた場合、どうすればよいか』のような質問が、何本か投稿されています。
そして中には、裁判官が執筆した本を紹介した回答もあります。

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『「ちゃんと話せばわかってもらえる」は大間違いだ! いきなりの連行、そして逮捕、長い勾留、失職、経済的困窮、社会の冷たい目......。』
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容疑を認めなければ延々と拘束されますので、世の中に明らかになっていない“痴漢冤罪”が かなりあることが推測されますが、今回は“痴漢冤罪”が起こる背景や、『痴漢であると疑われた場合どうすればよいか…』は、他の質問に譲ります。



次のような想定で、教えて下さい。
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Gさん(男性)は鉄道の車内で、Lさん(女性)に痴漢の犯人と間違えられ(Gさんは無実です)、駅事務所に連行されました。
やがて警察官が呼ばれ、Gさんは警察官に引き渡されました。
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<質問1>

Gさんを逮捕したのは、誰でしょうか。

[a] Lさんによる私人逮捕。

[b] 駅員による私人逮捕。

[c] 駅に駆けつけた警察官による逮捕。

<質問2>

[a]、[b]、[c] のいずれでも、それぞれ疑問が残ります。

[a](Lさんによる逮捕)の場合。

車内での痴漢に関する他の方の質問で、『被害者について電車から出た所で、既に逮捕された身分』という回答もあります。
しかし今回の設定では「Gさんは無実」ですから、Lさんは逆に「逮捕・監禁罪」に問われませんか。
それともLさんの行為は故意ではなく過失ですから、「逮捕・監禁罪」は成立しないのでしょうか。まさか女性だからと“あま~い”処分で済ますのが通例とか。

[b](駅員による逮捕)の場合。

駅員は犯行(らしき場面)を目撃していませんから、現行犯が条件である私人逮捕は難しいのではないでしょうか。

[c](警察官による逮捕)の場合。

[b] と同様、警察官は犯行を目撃していませんが、Lさんの言い分のみで、現行犯逮捕するのでしょうか。
現行犯逮捕でなければ、裁判所に逮捕状を請求するという手続きが必要ですよね。でも「Gさんは無実」ですから、物的証拠は何もないはずですが。


以上ご存知の方、教えて下さい。

A 回答 (2件)

その元裁判官がインタビューに答えたものがあります。


http://www.j-cast.com/2009/02/01034490.html

この中に
「どの段階で「逮捕」になるのかは不明確なのですが、おそらく、書類上は「現行犯逮捕」になるでしょう。「ホームの上で、女性に現行犯逮捕された」と。警察官は「その身柄を引き取った」という形になります。私人が現行犯逮捕した場合は、容疑者の身柄を司法警察職員に引き渡さないといけない、という規定がありますので、それに従って「身柄を受け取った」という書類が出来てしまう。ですから、警察で逮捕されたのではなくて、駅のホーム上で逮捕されたことになってしまう。でも、これはインチキです。逮捕というのは、手錠をかけたり取り押さえたりして、物理的に動けない状態にすることですが、逮捕されていないのに、逮捕されたことにしてしまっているんです。
この「インチキ」が、後で大問題になる。勾留の段階では逮捕前置主義(違法な逮捕が行われた場合、それを根拠に行われた勾留も違法だとする考え方)という考え方がとれてられていますが、逮捕がないのに、いきなり勾留されてしまう。でも裁判官は書類だけを見て「逮捕が前にあった」と、だまされる。
裁判官もその点を調べようとはしないんですよね。みんなが少しずつ「ズル」をしている。こういうことの積み重ねで、「ベルトコンベヤー」のシステムは維持されているんです。」(引用元、上記記載 一部抜粋)

とあります。
つまりこの裁判官の考え方だと「誰も私人逮捕をしていないのに、私人逮捕という書類ができて、拘束され、逮捕状が出て起訴される」ということになります。

質問に答えるなら
質問1 a.b.c いずれでもない
質問2 
aは明確に逮捕したという意識もないし、現行犯逮捕といえるほど「犯罪を現に認知した」とは言えない場合があります。このような要件で私人逮捕扱いになるから、水掛け論になるし裁判所も「女性側の言い分は正しく、男性は信用できない」という判決しか書けないのです。

bは当然に現行犯を視認していませんので、私人逮捕の要件は満たしません。しかし、鉄道敷地内で起きた事件ですので、警官に引き渡すまで、監視することに問題はありません。

cも現行犯逮捕にはなりません。


要するに正しい司法手続きを無視して「みんなが少しずつ「ズル」をしている」ということなのです。

日本は人質司法といわれるように、やたらに長く拘束できるし、その際に弁護士との接見など自己防衛の手段が諸外国に比べて少ないのも大きな特徴です。

これらの「日本の司法の悪い部分が全部でている」から冤罪が無くならないし、防ぐ方法もない、ということになるのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

回答全体が、“”あ~そういうことか”と、納得できる説明です。

質問文に、

今回は“痴漢冤罪”が起こる背景や、『痴漢であると疑われた場合どうすればよいか…』は、他の質問に譲ります。

と書きましたが、回答をいただき、“痴漢冤罪”がなくならない理由がよく解りました。

ご紹介いだだいた記事の日付をみると、2009年2月1日です。
8年前から問題提起されているのに、今まで何も改善されていないことに、怒りを覚えます。






御紹介いだだいた記事の中に、次のような記者と元裁判官のやりとりがあります。

――(痴漢)冤罪は多いと思いますか?

普通(痴漢事件以外)だったら当然無罪になるような「水掛け論」でも、有罪なんですよね。例えば、判決文には「女性の言い分は信用できるが、男性の言い分は信用できない」と書いてあることが多いのですが、男性の言い分が何故信用できないのかが書いていない。


私の別の質問、
『女性を排除すると「差別だ!」と大問題に。一方男性を排除しても無問題なのはなぜ?』
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9682542.html

と同じ、日本の“男性差別構造”が反映されているのですかね。

お礼日時:2017/05/25 05:13

#1です。

お礼ありがとうございます。

>日本の“男性差別構造”が反映されているのですかね。
はい、その通りですが、痴漢冤罪のメカニズムには日本の司法のダメなところも多く出ています。そもそも、逮捕されたあと、延々と拘束され続ける、というのがおかしいのですが、これは痴漢だけでなく他の犯罪も含めて、一向に改善されません。

>判決文には「女性の言い分は信用できるが、男性の言い分は信用できない」と書いてあることが多いのですが、男性の言い分が何故信用できないのかが書いていない。

これはですね、経緯があるのです。まずそれを説明します。男性差別構造の本質の部分もあります。

1986年に男女雇用機会均等法が改正されると、本格的に、男女共同参画社会にしよう、という機運が盛り上がりました。均等法は、それまで禁止されていた女子の深夜就業や危険な職場への参入などの縛りを廃止し「男性と同等の雇用機会」を設けるようになったものです。

で、そうなると問題になってくるのが「深夜など、女性を性被害からどのように守るか」ということになります。終電がでてしまえばタクシーなどで帰れるので問題ないのですが、問題視されたのは終電間際の車内トラブル、なかんずく「痴漢」の問題がクローズアップされました。痴漢問題は深夜だけでなく朝のラッシュ時なども被害が多く「これから女性がどんどん通勤するようになると、被害者が増える」と考えた政府は「痴漢撲滅キャンペーン」を始めたのです。

実は1988年に関西で「地下鉄御堂筋線事件」という事件があり、それが契機となって、それまで「迷惑行為はやめよう」という程度の周知だったのが「痴漢は犯罪です」とはっきり否定するようになっていったのです。なぜそれまで「迷惑行為」だったかというと、女性のほうが痴漢という言葉に羞恥心をもっていたからです。

この時に政府が取った方策は「痴漢にあったら恥ずかしがらずに申告、相談してください」というもので、鉄道警察隊には女性警官を多く配置して、痴漢対策に乗り出し、被害者が積極的に申告できるようにしたのです。

つまり、この時代の「女性は痴漢ということに羞恥心をもっている。周囲に痴漢被害者だということがばれる、その羞恥心を押し殺して、被害を申告したのであれば、それは真正な申告であろう」という憶測が「女性の言い分は信用できる」というものになったのです。

当時としては、まあ、概ね正しい判断だったのかもしれませんが、それから30年近く経っても、2007年に痴漢冤罪をテーマにした映画などの問題提起があってから10年たっても、これらの判断基準と逮捕要件(運用)が変わっていない、ということが問題なのです。

ではなぜ問題が提起されながら30年も運用が変わらないかというと、それは「社会の原則が、女性は弱くて守るべきもの」という通念になっているからです。
 この通念を信じているのは、多くの女性そして多くの男性、なのが問題であるといえます。男性は自分の首を自分で締めているのです。

もっとも男性側も「ちょっとおかしい」という機運は徐々にですが高まってきています。女性専用車両反対派が実際に車両に乗り込んでアピールしたり、冤罪について強く発言する男性も増えてきました。

でも、まだ「女性は守るもの」という意識を変えるところまでは到達していないのです。
この「女性は守るもの」というのは男女共同参画、男女平等の本質と真逆の考えであることは、質問者様の9682542.htmlの回答に詳しく書きました。(その節はお世話になりました。この場を借りてお礼します)

欧米は実はいまでも「女性蔑視」がまかり通っている社会です。女性は男性に襲われないように、自由に服も選べません。日本のように振り振りのミニスカートで肌を露出していたら「襲われてもしょうがない」という世界なのです。ですから、仕事も含めて欧米女性は「男性並みに自分は自分で守る」ことを心掛けています。

男性のほうも「女性を守る」ということをしないわけではありませんが、無条件に保護するわけではありません。たとえばデンマークには女性専用ホテルがありますが、セキュリティがしっかりしているから値段は高め、になっています。つまり「必要以上に守るためには金がかかる」ということなのです。(それでも男性差別だ、と批判があります)

質問者様も男女が平等に参画する社会、には異存がないと思いますが、現在はそれを実現するための過渡期である、という見方もできるでしょう。そのため、過去の価値観と新しい価値観がぶつかっていろいろ不都合な現象もおきるわけです。

痴漢冤罪問題もその一つですし、草食男子や結婚しない男女なども現象のひとつでしょう。

それに加えて日本の司法が「人権を守るために必要な手続き」を無視してるのですから、構造的な問題は根深いのです。
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この回答へのお礼

再度ありがとうございます。

失礼しました。
回答No.1へのお礼中で、参考でURLを載せた私の別の質問にも、回答いただいていましたね。
気がつきませんでした。申し訳ありません。

>そもそも、逮捕されたあと、延々と拘束され続ける、というのがおかしいのですが、これは痴漢だけでなく他の犯罪も含めて、一向に改善されません。

おっしゃる通りでしょうね。


昨日(5月25日)放送のTBSテレビ「ひるおび!」で、“痴漢に間違えられたらどうすればいいか” を、番組レギュラーの八代英輝弁護士が解説していました。
『駅事務所に連れて行かれる前に弁護士を呼ぶ』だそうですが、これ 絶対無理でしょう。

御紹介いだだいた記事の中に、次のような記者と元裁判官のやりとりがあります。

――最近、男性に、そのような「痴漢冤罪」に対する危機感が広がっているような気もします。電車の中で「痴漢です!!」と言われた場合、どうしたらいいのでしょうか。

それが、「こうしたらいい」という方法があるのであれば、全然怖くないんですよ(苦笑)。決め手がないからこそ、大問題になっているんです。


>日本の司法が「人権を守るために必要な手続き」を無視してるのですから、構造的な問題は根深いのです。

この点が前進すれば、多くの問題が解決するでしょうね。

お礼日時:2017/05/26 07:39

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