プロが教えるわが家の防犯対策術!

落語家・桂文蔵がヨーロッパ公演の出来事をラジオで語っていました。
演題は、古典落語の芝浜です。

魚屋の亭主が芝の浜で大金の入った財布を拾って急いで戻って来ました。亭主が酔って寝ている間に、女房は財布を大家にこっそりと届けます。亭主は起きて“あの財布は?”と言うも妻は、“財布? 夢よ”と納得させてしまいました。

公演の後、客席でヨーロッパ人の聞き手たちが、彼女の行為を巡って討論を始めたそうです。主題は、女房が ”夢よ”と嘘をついたことは、是か非か、についてです。

日本の社会では、おそらく、妻の行為はほぼ容認される、と思います。ときには、彼女の行為は、仏教由来という“嘘も方便”もあり、女房の鑑として称賛されることもある、と思います。

妻の嘘は、黒い嘘なのか、白い嘘なのか、と二分されたように、ヨーロッパ社会では、キリスト教の伝統もあり、“嘘も方便” は、簡単には容認されないのでしょうか?

A 回答 (3件)

これは、もっと一般化すれば、正義論として


論じられている問題です。

欧米キリスト教国家では、全知全能の一神教
たる神の国ですから、善悪も神が創ったことに
なります。

だから、善悪は時代や立ち位置により、変化しない
普遍的な概念になります。

日本などは違います。
善悪などは、時代や立ち位置により変化するのが
当然と考えます。

現代の価値観で評価すれば、歴史の英雄の多くは、
独裁者、侵略者、殺人鬼です。

ワシントンは米国では建国の英雄ですが
英国では反逆者です。

日本人にとっては、こういうのは違和感を感じませんが
彼等は違います。

絶対神が創った善悪がこうであっては困るのです。

だから、彼等は正義論と、延々と数百年も議論して
いるわけです。
現代ではロールズの正義論が有力ですが、これとて
総てをクリアーしているわけではありません。




妻の嘘は、黒い嘘なのか、白い嘘なのか、と二分されたように、
ヨーロッパ社会では、キリスト教の伝統もあり、“嘘も方便” は、
簡単には容認されないのでしょうか?
  ↑
そういうことです。
妻のウソは、社会的には正義です。
しかし、夫にウソついた、ということは
悪です。

ある行動が、一方では善で、一方では悪、つまり
相対的であっては、まずいのです。

戦国時代に来日したイエズス会と、字も読めない日本庶民の
問答記録が残っています。

「善だ悪だ、というが、そんなもの、時代や立ち位置に
 より変わるのではないのか?」

神父は上手い答弁が出来ませんでした。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
分厚い(うまく表現ができないのです)教授、感謝します。(いつものことながら)

1.ヨーロッパでは、<全たる神の国ですから、善悪も神が創ったことになります。>
<善悪は時代や立ち位置により、変化しない普遍的な概念になります。>
したがって、善悪を確立するためを、<彼等は正義論と、延々と数百年も議論しているわけです。>
客席であろうが。
2. 妻の行為のように、<ある行動が、一方では善で、一方では悪、つまり
相対的であっては、まずいのです。>
3.したがって、“嘘も方便”は、かの社会では滅相もない、ことなのですね。

日本育ちの私から見たら、ヨーロッパの思想は堅苦しいものですね。”議論は後回しだ”、”理屈は理屈”、などを愛用している社会とは肌合いが違いますね。”まあいいか” “空気を読め”などは言えないのですね。
正義など思いもしなかった私ですがは、紹介して頂いた正義論(ロールズなども)に少し(ほんの少し)柄にもなく、関心を向けようと思います。
ありがとうございました。考えの幅が広がりました。

お礼日時:2018/07/01 19:07

嘘も方便という表現があるかはわかりませんが、


巧妙なレトリックやユーモアで切り抜けることについては容認されているのではないかと思います。
聖書には、イエスの「カエサルのものはカエサルに」という言葉もあります。
あれ、なんにも質問に答えてないのに、
「イエス、なかなかうまいじゃん」と評価されてます。

世界中にブラックジョークは山ほどあります。
イギリスのジョークなんてひどいです。
こんなのです。

「サンタは、ユダヤ人の家をどうやって見わける?」
「煙突のところに駐車メーターのついてる家がユダヤ人の家だ」

「アイルランド人は、どうやって自殺する?」
「鏡に向かって自分の姿を銃で打つのさ」

これについて是非を問う人なんていません。だってジョークなんだから。
おそらく、落語がなにかってことが、わからなかったんじゃないですか?
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
1.<巧妙なレトリックやユーモアで切り抜けることについては容認されている>のですね。妻もこれで切り抜けざるをえなかったのですね。
2.落語は長い<ジョーク>であるから、そのストーリー展開をいちいち吟味するわけにはいかないのですね。

お礼日時:2018/07/05 19:40

あまり容易に結論を求めないほうがいい問題だと思います。

    • good
    • 0
この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
<容易に結論を求めないほうがいい>
ですね。むずかしい問題ですね。

お礼日時:2018/06/30 20:20

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!

関連するカテゴリからQ&Aを探す