架空の映画のネタバレレビュー

技術将校・技術士官などの技術系統の軍人は大将にはなれませんか?
これは日本だけでなく、海外でも同様ですか?

A 回答 (1件)

日本海軍に話を限る。


兵科、機関科、主計科、医科、歯科医科、造船科、・・・
様々なセクションがあった。

このうち兵科と機関科と主計科の士官だけが「将校」と呼ばれそれ以外は「将校相当官」だった。

さらに艦長職や司令官職に就けるのは兵科将校だけであり機関科や主計科の将校はそういう職に就けなかった。
これは、現在商船の船長になれるのが航海士上がりだけであり、機関士や事務からは船長になれないのと対応している。

なぜなら、受けてきた教育が違うからである。
兵科将校は海軍兵学校で戦術や戦略に加え、人の上に立つにふさわしい教養と精神、知識や技能を叩きこまれる。
それらを長年の軍人経験を通してさらに磨き、艦長や司令官、大将にふさわしい人間になっていくのである。
機関科将校は機械を操るのが主務であり、人の上に立つ必要はない。
だからある日「さあ艦長をやれ」と言われても無理である。

大将もそうである。
大将は軍人最高の地位である。
当然、誰から見てもその地位にふさわしい能力と識見を備えていなければならない。
それだけでない。
大将は少将や中将の上に立つ、つまり「将に将たる」立場である。
綺羅星のごとき高官を指揮しなければならない。
それは、天賦の才に加えしかるべき教育と訓練を受けないと身に付かない。
それが海軍兵学校であり海軍大学校であった。
この学校を経由しない兵科以外の将校士官は、大将になる能力なしとされ、その道は閉ざされていた。

兵科将校と特に機関科将校の間に横たわるこの差別は「二系問題」と呼ばれ海軍の深い病根となった。
その差別は時代を追うにつれ解消されていったが、兵科機関科の差別がすべて撤廃されまとめて「海軍将校」と呼ばれるようになるのは昭和19年のことである。
もう日本の負けと海軍の解体は決まっていた。

なお、この二系は英国海軍の直伝である。
日本海軍でさえ弊害を無視できなかったのだから、今これをそのまま用いている国はないはずである。
たとえば、副長から艦長になりたければ、いったん学校に進み、艦長養成の課程をクリアするというルートが一般的である。
副長経験を重ねたうえでこの課程もパスすれば「艦長要員」としてプールされることになる。

もちろん兵学校あるいは士官学校を出ていない者は今でも不利である。
ここで叩きこまれることは将校(士官でなく)の必要最低限の素養なのである。
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