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水素原子のエネルギー準位と多電子原子のエネルギー準位ではどのように異なるのですか?

A 回答 (1件)

多電子原子の電子軌道は、水素原子の励起状態を順に占めて行ったものです。

ただし、水素電子には、主量子数nの区別しかなく、n=1, 2, 3, 4, …に応じて、2ヶ, 8ヶ, 8ヶ, 18ヶ, 18ヶ, 32ヶのそれぞれ(ほとんど)同じエネルギーの電子が存在し得ます。
つまり、水素原子の原子核に電気素量分の正電荷(+e)が増えると同時に、電子が未だ開いている軌道を低エネルギー側から順に埋めることを繰り返して、原子は構成されて行きます。
1ヶ増えた電子が、原子核の正電荷増加分を完全に遮蔽すれば、上記の手順で、原子は原子番号順に水素原子のエネルギー準位と同じ準位を占めて行きます。しかしながら、実際には電子による静電遮蔽は完全には行い得ません(それは、s軌道以外では電子軌道が球形でないことからも予想されます)。このため、原子番号が進むほど、また電子軌道が外側になるほど、電子は+eよりも大きな正電荷からのクーロン力を感じます。
すなわち、例えばLi電子は、2s準位が最低準位で、(Hと同様に)もう一つの2s準位, 次に6ヶの2p, 2ヶの3s…等の準位を取り得ますが、何れも同じ名前のHの準位よりも深くなります。
そして、Hより大きな原子番号の原子では、(Hではほとんど存在しなかった) s-p間やp-d間といった、同じ主量子数nの軌道の間に明白なエネルギーが現れます(p準位はs準位よりも深く、d準位はp準位よりも少し浅い)。
このため、n=1のHeは水素の1s軌道の2ヶ目を占めて、n=2のLiとBeが2s軌道, Bから6ヶある2p軌道の1つ目から占め始めて、6ヶが埋まるとNeになる。
n=3のNaとMgが3s軌道, Alから3p軌道を占め始めてArで埋まる。
n=4のKとCaが4s軌道で、その後は4p軌道でなく、その前に10ヶの3d軌道を埋めた後に6ヶの4p軌道を占めて行く…。

具体的に考えて行くにはp軌道やd軌道の形状も考えねばならず、かなり大変です。ただ、水素原子様の可能な軌道形態を深いエネルギーから埋めて行くことと、内側の電子による中心正電荷の遮蔽が不十分な効果を考えるれば良いように思えます。
もっとも、3d, 4dの遷移金属元素や4f, 5fの内遷移金属元素は、この原則から外れてます。その理由は良く判ってないようです。
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