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【化学】

センターの過去問で、
ー20℃で冷凍庫に氷を入れておくと小さくなってた→これは昇華
⬆正誤問題で正解。
といったようなものがあったのですが、
水が昇華する時って、大気圧が普通より低くい状態(三重点より低い時)に起こると思うんですけど、
確かに現実世界で氷は冷凍庫で小さくなってると思います。
なんで昇華が起きるのでしょう?

A 回答 (3件)

こんにちは。


確かに昇華は不思議ですよね。他の方々からはいわゆるマクロ的な説明がありますが、
ちょっと、直感的に納得しにくい感じでもあるかと思いますところ、次のような説明ではいかがでしょう。

ポイントは、「実は、-20℃の氷でも、50℃の分子が混じっている」

本来、「熱」と「温度」の問題はとても奥が深いですが、まず、単純には、「-20℃は0℃より温度が低い」ですし、「1気圧では水は100℃で沸騰する」と説明されて、それはおおむね正しいところでしょう。
また、この際の説明として、「熱・温度とは、分子・原子の振動・運動」であり、「0℃の氷の分子は-20℃の氷の分子よりも強く振動している」とか「100℃になると水分子の振動が大きくなり、水分子同士の分子間力と1気圧の外気の圧力に勝って飛び出す。これが沸騰」という説明もおおむね正しいところ。
しかし、これでは、氷の昇華の説明がつかないという点が質問者さんの疑問かと思います。

ここに出てくるのが、「温度は確率的なもの」という考え方です。
真に正確な表現というのは難しいところですが、まあ、別の見方で単純にも表現できます。それが「-20℃の氷には、-100℃の分子もあれば+50℃の分子も含まれていて、平均として-20℃となっている」という点。
もちろん、平均から極端に乖離した温度の分子の存在確率は少ないものの、0ではない確率で存在するいくつかの高温の分子が固体内での分子間力と外気の圧力に勝って徐々に飛び出していきます。
これが昇華。
当然、昇華すると残された固体の温度の平均値はわずかに下がりますが、それでも、全体が絶対零度になりきらない限りは分子同士の振動の干渉の結果として運動量の大きい(温度の高い)分子がわずかずつでも次々に生まれるので、氷は徐々にですがどんどん小さくなります(笑)

さてさて、いかがでしょうか。

なお、余談ですがここで出てくるのが「マクスウェルの悪魔」と呼ばれる思考実験。
「30℃の暑い部屋が2つあったとき、それでも空気にはいろいろな温度の分子が含まれているはずなので、科学が進んで分子ひとつひとつの速度を計測できるようになり、それに応じて2つの部屋の間の小さなドアを上手に開けてくれる「悪魔」を作ることができれば、ほとんどエネルギーを使うことなく片方の部屋を40℃にしてもう片方の部屋を20℃にする「冷暖房装置」ができるはず」・・・。というお話です。
さすがにこのお話の本質は超難しい(私もちゃんと理解できていない)ので、ちょっとググってみてください。
なお、この話はドラえもんにも出てきて、のび太の家のお父さんのビールがよく冷えた代わりにスネ夫(ジャイアン?)の家でボヤが起きるというお話でした(笑)

お役に立てば幸いです。
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この回答へのお礼

ホントにわかりやすいです!ありがとうございます

お礼日時:2020/08/21 22:19

氷にも蒸気圧があります。

固体から気体になることを昇華と言います。
「【化学】 センターの過去問で、 ー20℃」の回答画像2
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>水が昇華する時って、大気圧が普通より低くい状態(三重点より低い時)に起こると思うんですけど、


違います。
例えば、机の上にこぼれた水は常温、常圧で蒸発するでしょ?基本的にはそれと同じことです。その温度が融点よりも低ければ、水が固体で存在しているために、言葉の定義上、昇華ということになるだけです。
沸騰と蒸発は違います。沸騰は蒸気圧が外気圧を上回り、かつ、その物質が液体であるときに起こります。
蒸発や昇華はそれとは違います。

仮に密閉容器に、水なり氷なりを入れておくと、一部が気体となって、平衡状態に達します。その平衡状態というのは、気化や昇華が全く起こっていないという意味ではなく、液体(または固体)から気体になる水と、気体から液体(固体)になる水の量が同じであることを意味します。つまり、水や氷が水蒸気になる変化は常に起こっているわけです。そして、気体になった水は元の場所で液体や個体に戻るわけではありません。気体になった以上、その容器内であれば、どこで液体や固体になっても構いません。元の場所と異なる場所で氷になれば、それが霜ということになりますし、霜ができた分だけ元の氷が小さくなります。

こう言ったことは、平衡などのように、既に習っているはずのことから考えを進めればわかるはずのことです。もっと、理詰で物事を考える習慣をつけた方が良いです。
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