中国共産党は軍閥の一つですか

Question

中国共産党は国民から選挙で選ばれた訳でなく、神様から選ばれたのでもない。すると、軍閥の一つが生き残ったものなのでしょうか。蒋介石の国民党も大陸と台湾で悪事を行ったと聞きます。共産党の憲法では農民と労働者のための政党であると言いながら、奴隷にしている。どちらも武力で圧制を行う軍閥の一種なのかなと思います。更にチベット征服、ウイグル征服、南シナ海征服などの世界征服の姿勢は共産思想に基づくものでしょうか。膨大な資料を調べれば分かるかもしれませんが、中国に詳しい方で　簡単に教えてもらえないでしょうか。

phj · Accepted Answer

＞中国共産党は軍閥の一つですか

ハイそうです。というより、中国の歴代の支配者はみんな「軍閥出身」です。だからちょっと統制が緩むと（春秋）戦国時代とか三国時代とか清朝の壊滅に伴った各地の軍閥蜂起のようなことが起きるわけです。

その中でもっとも力があったのが蒋介石率いる国民党と八路軍などから発展した共産党軍で、日本の敗戦後、どちらが中国政府を作るかで内戦になり、勝った共産党軍が中国本土を支配した、と言う形です。

＞共産党の憲法では農民と労働者のための政党であると言いながら、奴隷にしている。

これは別に珍しいことではなく、中国の歴史は全部同じで「勝った軍閥がそれ以外を支配する。時によってそれが異民族支配だったりする」だけです。で、これは世界的にも普通のことで、日本のように「有史以来ずっと同じ国家」のほうがめずらしいのです。（というより現在では国号が出来てから、ずっと同じ国は日本しか残っていません）

＞更にチベット征服、ウイグル征服、南シナ海征服などの世界征服の姿勢は共産思想に基づくものでしょうか。
共産思想ではありません。単なる征服欲です。ただ、これも中国とか共産党だけが持つ欲望ではなく、古代から大陸ではあちこちで起きていたことです。たとえばローマ帝国・モンゴル帝国・オスマン帝国などいくらでもあります。

基本的な動機は「自分達の土地を確保して国境線を引いたけど、地面がつながっているのでそれを超えてくる敵を倒していたらどんどん領土が広がっちゃった・・」というものです。

現在の中国がチベットとウイグルを征服したのは、インドやイスラム教国の侵入を防ぐため、でありその点では古代から普通に行われてきたことです（歴史的に普通だったと言う意味で、現代人としてこれを許しているわけではありません。念のため）

phj · Answer

＃１です。お礼ありがとうございます。

＞自己主張の強い中国人をコントロールしようとすれば武力が必要と解釈して良いのでしょうね。
日本人は日本国が、古代から非常に統一された国家をもっているために「政府と庶民は同じじゃない」ということを認識していません。

基本的に大陸の人々は自分が所属している「民族」は意識しても「国家」必ずしも承認しているわけではないのです。
だから「自己主張の強い中国人」というより「自己主張の強い、各地の人々」が地方政府とか軍閥という形で集まってしまうわけです。これは中国に限らず、大陸の国々なら普通のことで、だからヨーロッパ以外の国々は未だに民主化が進んで行かないわけです。

＞それに14億もの我の強い民衆ならば問答無用で抑え込むしかないのでしょうか。

その上で、中国は14億人もいて漢人だけでも10億人いるわけで、これが広い国土に地方政府（と言う名の軍閥の名残）として各地の統治を行っているわけです。
　よく中国政府（共産党の中央政府）が出す統計と、各地方政府の統計の総数が合わない、という笑い話がありますが、これらを統制できないのは「統制しすぎると暴発する」からなんです。

だから中国人で自国の歴史を知っている人々は「共産党政府は中国がバラバラにならないように押さえつけつつ、これだけ民主化（といっても日本人や欧米が考える民主化とは違う）したのは評価する」と考えるわけです。

＞香港と台湾を見ていると中国人は民主化できそうな印象があったのですが・・・
共産党も資本主義経済を取り入れた時点で、民主化の方向性に行くことは分かっているわけですが、いずれ一党独裁と民主主義の両立ができなくなります。

ただ、今の時点で香港の自主独立を放置しておくと、香港に出入りする人々から「おい、香港地方政府（香港軍閥と見做される）の連中は好き勝手できるらしいぞ」となり、地方政府が反乱を起こす可能性も否定できないわけです。

だから習近平は「欧米などから民主化が後退していると思われても、共産党の独裁性が崩れないようにするためには香港を強制的に共産党に従わせるしかない」と考えて居るわけです。

これを放置すれば、各地の地方政府が「共産党の指導は受けない」と暴発する可能性があり、そうなるとまた戦国時代に戻ってしまい、漢民族は貧乏になってしまう可能性が高い、ということになるわけです。だから習近平にとって他に選択肢はないわけです。

基本的に「国家の中に居る人々を統制して、国家の枠組みを維持する」と言うのはものすごく大変なことなのです。これが比較的楽なのは、日本ぐらい、だって日本は国家体制が統一されてから少なく見積もっても1500年間同じ国でやってきているからです。だから逆に日本人は他国が「なぜ分離したりくっついたり、民衆を抑圧したりするか分からない」のです。

比較的歴史の長いイギリスでもスコットランドの独立運動があったように、アメリカですら子供たちに毎日国旗に向かって「忠誠の誓い」を唱和させているように、殆どの国で「今の政府がこの国を支配しているのが正しいわけじゃない」と考える人たちが大勢いるわけです。

逆にそういう「正しくない政府」と思われている側は「民衆にスキを見せると、蜂起されて革命になる」と思っているから、強制的に民衆を押さえつけることになります。
　ちょうど隣の韓国は日本や欧米のような「国民国家」と途上国の「政府が信任を受けていない国家」の中間のところにあって、だから「内戦にはならないけど、大統領は辞めた後必ず悲惨な目にあう」ということになるわけです。韓国大統領を支持する勢力と同じぐらい「大統領を支持しない勢力」があって、常に引きずり落とそうとしているからです。

世界的に見て「軍閥」というか、どこかの民族や宗教的な組織が軍事力を持ち、一定規模の領土を支配して民衆を従わせるのが「国家」で、例外は日本と欧米ぐらいなので、中国共産党も成り立ちから言えば軍閥の一つだったし、今でも「共産党がデメリットになったらいつでもクーデターするぜ」という地方政府とか軍閥はあるので、習近平もなかなか大変だと思います。

とはいえ、その結果中国人民の目を外に逸らす目的で尖閣問題や南シナ海を使われるのは日本として困るので、日本政府や日本人は中国を常に警戒する必要があります。

tanzou2 · Answer

中国共産党は軍閥の一つですか
　↑
お、鋭いですね。

指摘されて気がつきました。

中国という一国を背景にした特別な
軍閥と言えるでしょう。

中国共産党は国民から選挙で選ばれた訳でなく、
神様から選ばれたのでもない。
　↑
悪い日本や、欧米列強から祖国を救い、
ここまでにした、というのが正統性の
根拠になっています。

共産党の憲法では農民と労働者のための政党であると言いながら、
奴隷にしている。
　↑
中国は共産党党員が贅沢をするための
組織になっています。
それを支えているのが、武力です。
つまり、人民解放軍です。

更にチベット征服、ウイグル征服、南シナ海征服などの
世界征服の姿勢は共産思想に基づくものでしょうか。
　　↑
共産主義にはそうした傾向がありますが、
中国のそれは一帯一路に基づくものです。

angkor_h · Answer

中国共産党は、例えば田舎の中学校の不良グループのようなもの。
学校の中に半勢力が起きないように全生徒と先生を監視しながら仲間を増やしています。
誰かが反旗を振り返そうとすれば、すぐに全力でつぶしにかかります。
一般的に言えば、不良グループは普通の生徒や先生には手を出しませんが、
「中国」という田舎ではそんなやさしさは全く存在しません。
(地方の中学生さん、例えてごめんなさい)

中国における国家規則の最高位は「中国共産党規則」であり、その下に「憲法」があります。
憲法の目的は「中国共産党を守ること」であり、そのために国民の行動を制限するためのものです。
今回香港に適用した「国案法」は正にそれ、
中国共産党の政策に反する意見は全て犯罪、と言う法律なので、
誰もが自由に言葉を口にできなくなってしまったのです。
香港に元々ある「基本法」、新たな「国案法」、
この矛盾する規定は国案法が優先、解釈相違は中国共産党が解釈する、
と言う、やりたい放題になってしまいました。

これに対して、自由社会国は批判していますが、中国共産党は「内政干渉」として無視。
この中国に賛意する国も多いですが、独裁国家のほかに中国からの財政支援国です。
ご参考まで。

shockdia · Answer

軍閥転じて貴族ですね。

中国共産党は軍閥の一つですか