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(まず、以下について、事実認識が誤っていましたら、ご指摘を願います)

キリスト教では聖母子像がよく見られます。
東方キリスト教では、マリア・キリストともこちらを向いた姿で描かれているようですね。
ところが、15世紀ころから、両者ともこちらを向いた姿、ではなくなったようですね。
母が子に、子が母にまなざしを向けているのが多くなったような気がします。

質問は、なぜ15世紀ころから、マリア・キリストの視線の方向が変わったのですか。

A 回答 (5件)

ルネサンスの影響です。


古代ギリシャ、ローマの彫刻は「サモトラケのニケ(紀元前)」に見られるように、非常に写実的で肉感的でした。
ギリシャ悲劇が誕生した時点で、人間の本質的な感情は全て(アンビバレンス、近親相姦的欲望、コンプレックスなどの複雑なものも)書かれ尽くしてると言われています。
「人間こそが万物の尺度」であるという哲学があり、芸術は人間への深い造詣と多様性から生まれました。

しかし、暗黒の中世時代にそれらは失われ、絵画はイコンとなってしまいます。原因はキリスト教の台頭です。
ご指摘の「こちらを向いている聖母子像」や「全能者ハリストス」といった平板なモザイク画、テンペラ画が作られる時代は1,000年におよびます。

その後、十字軍の失敗、イタリア経済の発展、オスマントルコの侵攻などいろいろあって、ルネサンスが花開きます。
ルネサンスでは、古代の文芸復興が目指されました。
ミケランジェロのダビデ像(1500年頃)はその象徴です。

古代のヒューマニズム溢れる芸術とキリスト教が融合したのが、「見つめ合う母子像」が描かれるようになった背景です。
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この回答へのお礼

早速の御回答ありがとうございました。
1.<古代ギリシャ、ローマの彫刻は「サモトラケのニケ(紀元前)」に見られるように、非常に写実的で肉感的でした。>なのですね。
2.中世に入ると、<絵画はイコンとなってしまいます。原因はキリスト教の台頭です。><平板なモザイク画、テンペラ画>になるのですね。
3.<古代のヒューマニズム溢れる芸術とキリスト教が融合したのが、「見つめ合う母子像」が描かれるようになった背景です。>なのですね。
今の私たちにとって、中世は<暗黒>だったのですね。

お礼日時:2020/08/26 08:35

理由はいくつかありますが、「宗教画の役割」という視点から見ると、それは「信者を増やす役目」があったわけです


イエスが「神の子」となったのも「神」を具象化できないキリスト教が「イコン」を利用して、
異民族に布教する手段のためです。
従って「神の子」や「マリア」は布教対象者に「語りかける必要性」があったのです。従って前を向きます。
ところがある程度布教活動が必要のなくなった地域では「より信仰への理解」を深めさせるために、
聖書の内容を劇的に描くことが好まれるようになりました。
同時にルネッサンスも起こり、さらにその後の宗教改革で、より聖書の内容が重視されるようになったのです。
因みにラテンアメリカのキリスト教布教には「マリア」と「十字架」が大きな役割果たしたのも、
そうした「キリスト教の異民族布教」と関わっていると思います。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。
1.<異民族に布教する手段のため>に<神の子」や「マリア」は布教対象者に「語りかける必要性」があったのです。従って前を向きます。>
2.<「より信仰への理解」を深めさせるため>、<聖書の内容を劇的に描く>ことになったのですね。<より聖書の内容が重視されるように>なったのですね。
キリスト教も、時代によりそのアッピール方法を変革しているのですね。

お礼日時:2020/08/27 18:18

たまたまそのような作りにしたら、クールと思った人たちが多かったのでしょう。


で、真似た。

その程度のことでしょう。
後付けでいろいろ言うことはできると思いますが、初めはそんなもんです。
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この回答へのお礼

早速の御回答ありがとうございました。
<たまたまそのような作りにしたら、クールと思った人たちが多かったのでしょう。
で、真似た。>ですね。

お礼日時:2020/08/25 18:28

park123 様



その絵画を 描いた 当時の、画家の「感性」の違いによる
のではないでしょうか。

聖母子像を「被写体」という「観念」で捉える画家は、母子共に
自分(画家) の方を 見る・・・という視線で、描くでしょう。
いわゆる「カメラ目線」という感覚で 描いたのでは?

対して、母子が 互いに見つめ合う姿を 描いた画家は、おそらく
「被写体」ではなく、「自然体」のままの...人間の姿そのものを
写し撮り、表現しようとしたのではないか・・・という 気がします。

画家の感性により...人物も、景色も、色調も 全く異なりますよネ^^!
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この回答へのお礼

早速の御回答ありがとうございました。
1.<「被写体」という「観念」で捉える画家は、><いわゆる「カメラ目線」という感覚>だったのですね。こっちを向いて、と言ってシャッタを押したのですね。
2.<「被写体」ではなく、「自然体」のままの...人間の姿そのものを>なのですね。母子に影響しないように、隠し撮り?のようなものですね。

お礼日時:2020/08/25 18:27

やはりルネサンスの写実主義の影響でしょう。


ルネサンス以前は聖母子像に限らずキリスト像も正面をむいていましたよ。
下記のサイトでみられればわかるようにルネサンスで大きく画風がかわっています。

聖母子像に見るルネサンス期の写実の進化
http://kunig.main.jp/wordpressks/2017/07/08/%E8% …
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この回答へのお礼

サッソクノ御回答ありがとうございます。
引用して頂いた資料に
<キリスト教の聖人たちの表現を、 中世における天上人としての扱いから、現世人として描くように改革する。>なのですね。
<ルネッサンス>により、母子が<天上人>から<写実主義>で表現した<現世人>に変貌したのですね。

お礼日時:2020/08/25 18:21

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