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重要な一部の事業の譲渡をするに際して、対価の金額が客観的な評価では50億であるところを、10億での譲渡を要求し、手続きが行われた(株主総会の特別決議等)場合の効力はどうなるのでしょうか?

A 回答 (1件)

対価不公正の事業譲渡につき株主総会特別決議が成立した場合の事業譲渡の効力については、複雑、難解な法律問題となります。


おおざっぱに言えば、以下のようになる。

すなわち、対価不公正の事業譲渡承認決議は、831条1項3号の取消事由を帯びると解されます。
譲渡相手が譲渡会社の株主で議決権行使した場合、そのものずばりですし、譲渡相手が議決権行使しない場合でも、3号の類推適用説が有力。

また、50億のものを相手の言いなりで10億で売る議案には、取締役の忠実義務違反が内在するため、それ自体で、(決議方法の法令違反)1号取消事由があるといえる。
10億で売る議案審議に際し、議案提案取締役が10億が適価と説明したら、説明義務違反の1号取消事由。

どのような取消事由と構成するか、学説は若干、錯綜しているが、おおむね取消事由があるとされる。

取消事由ある株主総会決議は、取消しの訴えなく決議の日から3月経過で瑕疵が治癒するから、そうなると事業譲渡は有効確定。

取消しの訴えが提起され、認容判決確定すると、決議を欠く事業譲渡として無効(何人との関係でも無効)

また、取締役の会社法355条違反により会社に損害が出るので、株主総会決議後、事業譲渡効力発生までに、会社法360条に基づく差し止め請求も可能。
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