カワサキが試験販売した電動マイクロコミューター、ノスリスはどうでしょうか?
大きくて、重たくて、振動と排ガスから逃げられないガソリンエンジンで走る事を前提に進歩発展してきた既存の自動車の、動力系統だけをBEVに載せ替えた旧態依然としたBEVが多い現状ですが、
大きく、重たく、振動があり、排ガスを出す原動機を前提とせず、小型電動モーターを使って人間が移動する事を根元から発想しなおしたミクロモビリティは、半径20キロ以内の移動手段を独占してゆくような革新的な製品でなのしょうか?
それとも、1970年ごろに発売され、ソフィアローレンまで起用して大宣伝したけれども自然消滅して行ったホンダの原動機付きペダル自転車(ラッタッター)の様にギミックとして消えゆく運命なのでしょうか?
日頃からパーソナルモビリテーの将来を考えているエンジニアの方、コンパクトシティーの設計企画をされているビジネスマンの方、過疎地の高齢者移動手段の問題に取り組んでいる行政マンの方、そして革新的BEVで一儲け考えているアントレプレヌアーの方々より、100台限定で発売され、即日完売した川崎のノスリスの評価、感想など、思いも竹をキィうゆういただけると有難いです。
A 回答 (2件)
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No.1
- 回答日時:
こういうのは何年も前から中国製が出回っていて、それについては以下のようなことになっています。
・電動だけで動くので原付と同じ扱い。
・原付と同じなので保安部品、つまりブレーキランプやバックミラーがなければ許可が下りない。
・許可が下りないため公道で使用不可。
こいつが公道を走れるようならば、それに倣って中国製の格安電動自転車が大量に出てくるのではないかと思いますから、楽しみですね♪
カワサキのノスリスも中国製電動アシスト自転車と同じ様なもんだと言う評価ですね。
どうしてその様な評価になるのか知りたいです。
教えて下さりありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
クルマの研究者で、自民党が言うところのPM(パーソナル・モビリティ)及び、現在クラウドファウンディングで人気の『ラストマイル』ヴィークルの研究を、ここ20年で2回、延べ6年間ほど実施しました。
話が長くなってしまいそうなので、事実関係から。
まず、認識がかなり間違っています。
>小型電動モーターを使って人間が移動する事を根元から発想しなおしたミクロモビリティは
自転車にモータを装着した『必要最小限の動力車』は、1970年代には既に存在しました。(当然ですが3輪車も既にありました。っといいますか前輪2輪で左右輪間に積載する3輪車は、ハーレーの様な『まともなバイク』にさえありました。)
例えば米国では、EV及び内燃機関ヴィークルの両方で、当時100社を超えるメーカーがあった、とされています。(個人商店や田舎の発明家的規模のところが多く、メーカー数が正確に把握されていません。)
ノスリスは、『根元から発想しなおした』『革新的な製品』ではなく、既に淘汰され忘れ去られた市場の製品の『焼き直し』です。
>1970年ごろに発売され、ソフィアローレンまで起用して大宣伝したけれども自然消滅して行ったホンダの原動機付きペダル自転車
『ラッタッター』は、そんなハンパな乗物ではありません。自転車ペダルを持たない、完全な原付一種の『バイク』です。
※元々イタリア、フランス、オランダ、ドイツには、自転車にエンジンを付けた『MOPED』(モペッド)という乗物が存在しました。(現在も存在しています。)
これは14歳以上であればバイク免許を取得せずとも届出だけで運転出来るという、『免許を持たないヒト達の救済措置としての動力付き乗物』です。
元は自転車なので自転車同様ペダルを持ち、ペダルを漕ぐことによってエンジンを始動させる構造です。現在でも日本で、TOMOS(トモス)というオランダ製のモペッドが購入出来ます。
※日本でも、例えばダイハツがフランスのヴェロ・ソレックスをライセンス生産した『ソレックス』を売っていましたが、所詮は自転車、ソレックスはメ一杯頑張っても40㎞/hも出ないショボい動力性能でした。
日本には、届出だけで乗れる『モペッド許可証』は無く、モペッドも『免許が必要な』原付市場となります。
当然、ホンダ・スーパーカブや富士重(現在のスバル)ラビット、三菱シルバーピジョン等『本格的原付』の敵ではなく、ダイハツ・ソレックスは原付市場の一角にクイ込むことが出来ませんでした。
※しかしスーパーカブの運転には、クラッチレスとは言えマニュアル変速が必要で、リヤブレーキもペダルです。この運転操作は、自転車からの乗り換え者に対して障害となりました。
そこで登場するのが、変速操作が不要でブレーキ操作が自転車と同じホンダ・ロードパルです。構造の簡略化により極端な低価格を実現し、原付ブームが巻き起こります。
ロードパルはソレックスの様な『不便な』原付ではなく、自転車ペダルが無い完全な原付バイクです。始動時にガチャガチャ漕いでいたのは、ゼンマイ式スターターを『巻く』動作です。(当時原付用の安いセルモーターが無く、ロードパルはホンダの大発明『ゼンマイ式スターター』を装備していました。バイクのキックペダルの様なペダルを何度か上下させてゼンマイを巻き上げ、リヤブレーキレバーを握りながらボタンを押すと一瞬でゼンマイが開放され、それでエンジンを始動する構造でした。)
このゼンマイを巻く仕草を、ホンダは『ラッタッター』と命名しました。
※ロードパルの市場は、日本に於けるモペッド市場の様に、自然淘汰されていません。
モペッドを意識した自転車的フレームのロードパルは、後発のヤマハ・パッソルの『足を揃えて座れる』フラットステップに人気を奪われ、またヤマハが原付市場に乗り出して来たことにより原付用小型セルモーターが安く出回る様になり(いわゆる『量産効果』によるコストダウンです)、原付市場はステップがフラットで電動セルを持つスクーターに取って替わられます。
これが『原付スクーター』市場として現代まで続いています。ロードパルが築いた『自転車の様に運転出来る原付の市場』は、今日まで脈々と受け継がれているわけです。
>革新的BEVで一儲け考えているアントレプレヌアーの方々
この部分はちょっと余談になりますが。
最初に申し上げた通り、ノスリスは商品企画としては古いものです。現在の『革新的EV』構想は、『ラストマイル』の乗物に移行しています。
これは、将来的都市交通が公共交通を前提に構築されることを想定したもので、公共交通の『駅』を降りてから目的地までの『ラストマイル=最後の1マイル』の移動の為に使う乗物を指します。その為、簡易的な乗物というだけでなく、公共交通に持ち込める『折畳み機能』が重視されます。
これらの乗物は、15年ぐらい前から世界中で開発ブームが巻き起こり、クラウドファインディングで盛んに開発費が募集されています。『インディゴーゴー』や『キックスターター』などの、クラウドファインディングのプラットフォームを丁寧に検索してみてください。現在は一段落ついた感じで落ち着きを取り戻しつつありますが、それでもまだ『ラストマイル』の乗物が容易にヒットします。(そういえばノスリスも、カワサキの自腹でなくクラウドファインディングでカネを集めて作ったとされていますね。)
っという前提を認識して頂いたところで、さて。
>カワサキが試験販売した電動マイクロコミューター、ノスリスはどうでしょうか?
・・・何度も申し上げている通り、これは大昔の企画の焼き直しに過ぎません。『自転車大国』中国では、既にこの種の乗物が異常な低価格で大量に販売されており(この種の乗物は、性能ではなくまず『安いものが勝つ』で市場が形成されていきます。ebayを検索してみてください。ノスリスの様な乗物がフツーに売られています)、もし日本でこの市場が発生したとしても、安い中国製に淘汰されるだけだと容易に想像出来ます。
現状では、何故カワサキがこんな原始的(!)な乗物を今のタイミングで発表したのか『全く意味が分からない』ヒトが多いでしょう。
が、これには・・・実は法規制の緩和が絡んでいる、と見ています。
最近、電動キックボードの路上走行が認可されました。これは多くのヒト達には『へーそうなんだ』程度の話ですが、仕事でモビリティの将来構想を考えている我々からすると、『乗車装置(イス)が無くてもナンバーが取得出来た』という点で驚愕の出来事でした。今までの国交省の態度からすると、到底信じられないほどの規制緩和です。
で、ここから先はあくまでもワタシの想像ですが・・・と最初にお断りしておいて。
詳しくは言えませんが・・・『簡易的交通手段』に関して、近い将来、とんでもない規制緩和があるというウワサがありますが、ノスリスの発表は、この規制緩和を前提としたものではないか?っという話です。(もしその『ウワサの』規制緩和がホントに実施されたら・・・ノスリスは自転車相当となり、ペダル無しのモデルでも、運転に免許も届出も不要となります。)
ペダル付き(電動アシスト自転車相当)とペダル無し(原付相当)の両方を出した点や数量限定という点を考えると、ノスリスは『市場調査』が目的に見えて来ます。
勿論、そういう規制緩和が行われたら、安い中国車が大量に日本に入ってくるでしょう。
しかし。
電動アシスト自転車登場時にも同様のことが起こりましたが、結局中国製は定着せず、高価ですが市場の要求に合致した性能を持ち、信頼性が高く修理も効くヤマハ製やブリヂストン製が市場を占めています。
ノスリスがいち早く市場要求を実現したら、この市場でカワサキが主導権を獲得することも可能でしょう。
要するにノスリスは、①乗物としての先進性を示すものではなく(実際、ノスリスには先進性が示せるほどの新しい技術は使われていません)、②法規制の変化を見据え、新たな市場の構築に向けた社会実験・・・の意味があるのではないか?ということです。
自民党のPM構想に振り回された経験のあるワタシとしては、法規制緩和には懐疑的ですが、カワサキはそう考えていないのかもしれません。
なるほど。
電動三輪車は乗り物としての先進性がないと判断され、カワサキのベンチャーが成功しないと見込んでいるわけですね、、、。
日本の二輪車メーカーが、普及価格帯においては、ほとんど海外生産の逆輸入で商売している現状から見て、カワサキのノスリスも中国工場か、フィリピン工場かインドネシア工場あたりで生産して日本に輸入すると思うのですが、ノスリスに限って日本製になるという予測をされた理由はなんでしょうか?
教えて下さりありがとうございました。
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○ 思いの丈を共有いただけると有難いです。
質問文中にあるホンダのペダル付きバイクとは、ラッタッターで宣伝された1970年代の機種ではなく、1980年代になって販売されたHONDA peopleという車種でしたので、訂正します。