
精子の競争はほんとにあんなに過酷で激しい必要があるのでしょうか?
ハハの話では、昔金八先生で
「君達は何億もの精子の競争を生き抜いてきたんだから・・・」
みたいな話があったそうですが・・・
一般には精子の受精をめぐる競争って、より優秀な遺伝子を選別するために行われていると言われていますよね?(って、子ども向けの科学漫画の知識ですが・・・)
でも、ほんとにあそこまで激しい競争、過酷な試練が必要なんでしょうか?
以下その理由を書きますと:
1.そもそも精子時代のサバイバル能力が、受精したあとの個体の能力にどこまで反映するんだろうか?
確かに奇形や未成熟の精子が排除されるという意味はあると思います。
また競争に勝利した精子はよりエネルギー産生能力とか、疲労物質の除去とか、そういう能力が高いことは考えられます。
でも精子は鞭毛で動いてますしねぇ~。精子の段階で足が速くても、生まれてくる人間の足が速いとは限りませんよね?
ミトコンドリアの能力の差も、受精してしまえば関係ないですし(父からは遺伝しませんから)
2.ここまで競争が激烈になってくると、もう運の要素の方が大きいのでは?
体力自慢で先頭を行ってたやつが真っ先にやられちゃうなんてことが・・・(ホラー映画のパターンですね)
「教えて君」になっちゃうといけないんで、一応私の予測を書いてみますと:
1.お魚時代の
「たくさん精子がないと食べられちゃうよ~」の遺産をひきずってるのでは?
2.個々の精子の選別というよりも、
たくさんの精子を出せるオスを選別している(大きなツノを持つオスを選ぶように)
なんてのはいかがですか?
以上、びっくりするような真実に出会えることを願ってます。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
まず、つっこみどころから。
精子といえども細胞の一つにすぎない訳で、特殊な細胞といえども、その能力が生産者個人の能力や資質を反映した、何ミクロンかのクローン人間であるかのような擬人化して考えるのは論理展開の誤りです。
従って以下に引用する質問文は、ジョークになってしまいます(^_^;。
>精子の段階で足が速くても、生まれてくる人間の足が速いとは限りませんよね
>そもそも精子時代のサバイバル能力が、受精したあとの個体の能力にどこまで反映するんだろうか
これらはまったく関係ありません。
ちなみに最近のsperm competitionの研究で明らかになったことですが、精子はよく言われるオタマジャクシの形だけでなく、一種類の動物が二種類以上の形の精子を持っていることも珍しくありません。正常な形の中にも頭しかないもの、しっぽが二つあるもの、頭の形がいびつなもの、などなどが発見されています。
さてつっこみ終えて、この質問は非常に興味深いものでした。
「なぜ精子が多いのか?」ということを考えたことはあっても、
>1.お魚時代の
>「たくさん精子がないと食べられちゃうよ~」の遺産をひきずっている
という、出発点に戻って考える意見が非常に斬新だったからです。私はそういうふうに考えたことはありませんでした・・・。とても面白いです。
そういうわけで私なりのよた説をご披露したいと思います。
私が思うに。
発情期の雌が、複数の雄と交尾する種があります。そのような種では、雄はあらゆる場面で他の雄を押しのけることが、自分の遺伝子を残す可能性を高めることになります。
そうではない種、雄が雌を獲得する、つがいで行動する種でも、雄の精子は多い傾向にあります。(3~5億って、マンボウではあるまいし・・・)
性別は男性側の遺伝子によって決定されます。人間で言えばY染色体を持つ精子はX染色体をもつ精子の倍近くいると言われ、軽い分死にやすいのですが、動きも速い。
しかし女性側にとっても子供の性別は自分の繁殖適応上、重要な問題です。たとえば優秀なオスを獲得できた優秀なメスの場合、子供を産む数が少ない雌よりも、多く獲得できる雄を生んだ方が自分自身の遺伝子を広めるのには有利、ということになります。
従って、昨今の考えでは(ここからが怪しいのですが)、女性側もこの精子競争に介入している、ということになります。
セックスは愛し合うもの同士の営みの頂上であるかのように言われますが、実際には、受精を巡って卵子と精子は競争相手でもある、というのが私の考えです。
メス側は優秀な遺伝子を、自分の都合のよい性別で生みたい。オス側は確実に自分の子供を産ませたい。自分に有利な性別で。
その思惑が、メスは精子に過酷な障害物競走を課し、オスは数を多くすることで対抗する方向に生き物を進化させた。
こういうのはいかがでしょうか?
なぜ数を多くすることで対抗したのか、というと、粗製濫造するためでしょう。粗製濫造されるから小さくなったのか、それとも小さくしたから数を多くせざるを得なかったのか、卵と鶏のどちらが先かはわかりませんが、「メスが子供を産むが、オスはそうではない」という事実が、数を多くする「数撃ちゃ当たる」方式のオスに有利にさせたのだと思われます。
人間の場合、女性が妊娠可能なのは一ヶ月の間、排卵期間の半日程度です。動物の多くは一年に多くても数回、少なければ数年に一回です。チンパンジーなど5年に1回です。(排卵は別)
そのわずかなチャンスに、もしオスが「ちょっとまって、今その気になれないんだ。」なんて言っていたら、そのオスは子供を残せないか、その種は滅びていたのではないでしょうか。
オスは使い捨て、という言葉もありますが(お怒りになりませんように)、多くのオスがメスを獲得するために競争する中、精子の数を多くする、受精させることが可能な臨戦状態をいつでも保つことが有利であったのではないか、と思います。雌と違い、種を提供するだけのオスは種をばらまいた方が有利だからです。
そのために数が多く、小さい状態でたくさん作れるようにならざるを得なかった、小さいのをたくさんという粗製濫造の結果、奇形率が高くなってさらにより多くなっていった(正常な男性でも4~6割は奇形)、形を多くすることで、他のオスとの競争を分担する兵隊精子が増えた・作りやすくなった、のでは?
―――といったことを考えていたのですが、ヨタがすぎたでしょうか。
精子がその他の機能を一切捨てて小さくなるためには、卵子が受精後の機能を全て持っている必要があるわけですしね。
しかし、精子の数の多さが、メスは自分で子供を産めるが少数精鋭にならざるを得ないこと、オスは子供を産めないが生産性は高い、そのために他のオスとの競合が生じる、そういう生態学上の問題も関わってくるのではないかと思います。
なぜなら、魚の雌は種によって数万から数億の卵子を産むことができますが、哺乳類などはそうではない。それを考えると、哺乳類のオスが精子の数が多いのは、それだけ莫大な数である必要があったのではないかと思います。
なるほど、皆さんのおかげでかなり見えてきました。
まず、「精子が何億もあるのは、競争によって優秀な遺伝子を選別するため」という仮説(これが私だけの勘違いだったのか、広く一般に思われている俗説であるのかは不明ですが)は、ほぼ否定されたといっていいでしょうね(ほぼ、というのは、生命の根本にかかわるような欠陥が、これらの障害によって排除されることもあるだろうから)。
私の疑問の出発点は、激変する環境の中でどのような遺伝子が「優秀な=生き残り、子孫を残しやすい」かは、実際に生まれて、子孫を残すまでわかるわけがない。ましてや体の器官(内臓も筋肉も脳も無い)も、活動する環境もまったく違う精子時代のサバイバル能力が個体のそれとどれだけ関係あるのか?ということにありました。
(KINGBIRDさんの「ジョーク」という表現を聞いて、昔教科書で見た、精子の中に小さな人間が入っている図を思い出しました)
ですから、皆さんの意見を聞いて、非常にすっきりしました。
また、精子の数がいつからそんなに多くなったのかは不明ですが、オスの論理、メスの論理、オス同士の、また種全体の論理など、さまざまな論理が絡み合って精子の数を引き上げていった(遺伝子を独占したいオスの論理と、遺伝子の独占を許さず種の多様性を維持したい種の論理が、ともに精子の数を引き上げるほうにベクトルが向いているということも興味深い点でした)という点も非常に驚きでした。
さて、私の方からもヨタ話です。
>正常な形の中にも頭しかないもの、しっぽが二つあるもの、頭の形がいびつなもの、などなどが発見されています
ということから、将来精子の共同作業に応じた分業体制がさらに進化していく可能性がある
というのはいかがでしょうか?
とにかく、いろいろと目からうろこが落ちることばかりでした。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
精子が卵子へ到達するにはいくつかの壁が立ちふさがっています。
精子はこれらを壊しながら進む必要がありますが、そのときに必要になるのは酵素です。
精子は酵素により壁を破壊しながら進むのです。
このとき強力な壁を壊しながら進むには膨大な量の酵素が必要になります。
しかし精子の頭部はわずか数マイクロメートルしかなく、酵素を含む先体はさらに小さいため、精子一匹に含まれる酵素の量はほんのわずかです。
したがって多量の酵素を運ぶために多量の精子が必要になるわけです。
すなわち、勢い良く先に進んでいったものたちは後に続くものたちの道作りをしてくれているのです。
故に、卵子を勝ち取った我々は遺伝的に優れているというわけではなく、多くの犠牲の上に成り立った道を進み偶然に卵子を獲得したのだといえるでしょう。
少ない精子では受精率が低下するため、sinzoさんのおっしゃるように精子をたくさん出せるオスが自然選択(選別)により増えていったものと考えられます。
なろほど、
そう考えると、精子たちは単純な競争ではなく、お互い共同しあって卵子を目指していると見ていいかもしれませんね。
う~ん、今までぼんやり考えていた精子像が、だんだん変わってきました。
いや、ほんとにありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
精子と言っても一種類ではないそうです。
どういう事かと言うと、人間の雄は倫理的に一日に何人もの雄と交尾をする事はありませんが(セックスと言う意味とは違うと思って下さい。)動物の場合はそういうことがよくあります。
例えば、2番目に交尾をした雄の精子のうち「先発隊」は先に交尾をした雄の(他の個体)精子を攻撃して排除し、次の部隊が卵子に向かいます。最後の部隊は逆に「第三の男」の精子に備えて防御ラインとなるべく働きます。
つまりより多く「自分の」遺伝子を残そうとするのです。
自分の精子同士全部と競争している訳ではないそうです。
そうか、自分の精子同士の戦いと言うよりも、他のオスの精子との戦いのために、分業体制をとっているんですね。
確かに、人間以外の動物の場合、メスの発情期間も短いですから、交尾すればそれで一安心と言うわけにはいきませんね。
追加の質問で申し訳ありませんが、
1、攻撃や防御のための「武器」のようなものはありますか?
2、ディフェンス、オフェンス、突入?の各部隊の、外見上そのほかの特徴の違いのようなものはあるんでしょうか?
他の方でもかまいませんので、もしわかればお願いします。
No.1
- 回答日時:
優秀な遺伝子を選別しているのではなく、多くの
精子の犠牲の上に成り立っていると聞いた事があります。
猿で例えますが、ボス猿が生きている間、すべてのメスに
受精させるのではなく、量が少なくなれば、受精しにくく
するシステムを取る事により、いろいろな猿の遺伝子を
残そうとするシステムに。
同一だと、ボス猿の遺伝子が壊れてたりすると、全面
する危険性があるので。
また、運という物があるかは分かりませんが、草食動物
では、足の速さよりも、生き残るには運の要素が強かった
と言う考え方もあるそうです。
調べていくと、肉食動物に狩られるのは、必ずしも
足の速さでは、ないみたいですし。
なぁ~るほどぉ~、
つまり、一匹のオスが全部のメスを独占してしまうということが無いように、ある程度交尾して薄く(失礼!)なると、受精できないようにすると。そういうわけですね?
そうして種の多様性を保っているんでしょうね(確かに、次の世代がみんな同じ病気で全滅したりしたら困りますからね)。
そうか、今まで、「メスの側が用意する障害は、何であそこまで過酷なのか」「やっぱり女は怖いわ」などと思っていたんですが、そういう深い理由があったとは。
いや、目からうろこです。ありがとうございました。
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