架空の映画のネタバレレビュー

半年程前に病で倒れた父が数日前に亡くなりました。
父(故人),母,祖母,長男(私),姉(嫁いでいます)の家族構成で実家に父と母が生活し,長男と姉は自立しています。
祖母は介護老人保健施設に入所しています。

父の遺産は銀行や信販会社などに対して数百万円の負債があり,資産も殆ど無い事から相続放棄をするつもりでいます。
相続放棄の手続きの仕方は同様の質問を拝見して理解出来ました。
ただ,どのような行為が「法定単純承認に当たってしまう」のかがはっきりと分からず不安に感じています。

と言いますのも,母が難病を患っており収入が全く無く(この半年間生命保険の入院給付金と,傷病給付金のみ),
生活費として使えるお金が手元にある現金(約50万),父の健康保険組合に未請求の傷病給付金(約15万),
埋葬料(約20万),高額療養費貸付金の返還分(約5万)くらいしか無いのですが

1 これらのお金に手を付け事は問題があるのでしょうか。
※現金に関しては父の生前の医療費を賄う為に,母名義の銀行口座から引き出したお金も含まれています。
2 父の医療費の未払い分がまだ残っているのですが,支払うと問題があるのでしょうか
母が同じ病院へ通院しているため,通院の度に督促されます。
3 実家(賃貸で契約名義は父)から引越しさせる余裕が無く,当分住み続けるしかないのですが,
住み続けて(家賃を支払い続けて)問題は無いのでしょうか。
4 公共料金の契約名義は母に変更するとまずいのでしょうか(特に加入電話が気になります)
5 葬儀費用が香典を差し引いて約40万円程掛かったのですが,家族に支払うだけの余裕が無いので,
取り敢えず残っているお金から支払うつもりでいますが問題は無いでしょうか。
(父の死亡保険金が入った時点で返そうと思っています)
6 保証人となっていた自動車ローンの返済,自動車の処分を父の生前に行いましたが問題は無いでしょうか

ご教示頂ければ幸いです。

A 回答 (4件)

別の方の質問に対するアドバイスでも書いたのですが(下記URL参照),相続放棄の問題は,実体の問題と手続の問題とを区別して考える必要があります。

すなわち,ある行為が「法定単純承認」にあたるかどうかということが実体の問題ですが,それがいつどのような段階で問題になるかというのが手続の問題です。便宜上,手続のことを中心に言いますと,まず,相続放棄は,(1)家裁に対する申述をする,これをしないと始まりません。なお,家裁が相続放棄の申述を受理しない場合とは,申述が当該申述人の真意に基づくとは認められない場合や当該申述が「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月を経過してなされたことが明らかである場合,あるいは法定単純承認事由の後になされたことが明らかであるような場合のみです。そして,家裁は,一応,相続人に対して,いつ相続人の死亡を知ったかとか,相続人についてどのような財産があることを知っているかとか,書面照会等の方法で聞きますが,上記の点について明らかな疑いがない限り,積極的に根掘り葉掘り聞くということはしません。つまり,相続放棄の申述は余程のことがない限り,受理されるのが原則なのです。次に,相続放棄の申述が受理された場合,当該相続人は,(2)債権者に対して相続放棄をしたことを伝えるのです(その際に家裁が発行する証明書を示すとよいでしょう)。そして,(3)債権者が当該相続人にそれ以上追及せず,むしろ次順位の方に請求書を送ったりしていれば,それは事実上,当該相続人の相続放棄については認めたと思ってよいでしょう。このようにしてすべての相続人が順次(第1順位・子,第2順位・直系尊属,第3順位・兄弟姉妹)相続放棄をして,その結果,相続人がいなくなったとき,そのときが「相続人の不存在」(民法951条以下)ということになります。そして,その場合に債権者など利害関係人から家裁に申立てがあれば,家裁は相続財産管理人を選任します(申立てがなければ選任されません)。そして,その場合には,当該管理人が相続財産の換価や債権者への弁済,配当を行うことになるのです。なお一方で,相続人が相続放棄をした後でも,債権者は,相続人の一部又は全部に法定単純承認事由があるなどの場合には,「当該相続人に対する相続放棄の申述は効果を生じていない」として,地裁又は簡裁に当該債権の履行請求(訴え提起)をすることができます。ここで初めて実体上の問題,すなわち厳密な意味で相続放棄の効力が問題となるのです。しかし,このようなケースはまれです。前回の回答で記載した訴訟のケースはこのようなまれに「訴訟になったケース」の裁判例なのです。多くの事案(法定単純承認事由があるかどうかグレーな事案も含めて)は,債権者が,すべての相続人が相続放棄の受理をされた段階で回収をあきらめているのが実情ではないかと思います(それでも債権者は「回収不能」ということで税法上,有利な償却をすることができ,債権を中途半端に残しておくよりも有利なのでしょう)。以上を踏まえていただいた上で,質問にお答えします。まず,「相続順位が最も上位の者がまず申述を行って受理された後,次の順位の者が申述を行うという認識でよろしいのでしょうか。」→そうです。「申述書の金額欄は資産・負債ともに大まかな額を書くようになっていますが、後々に本人が死亡した時点での資産、負債を1円単位まで調べられる(若しくは証明する)事になるのでしょうか。」→家裁が1円単位まで調べるということはまずありません。「未請求の傷病給付金の請求は相続人が行うのではなく相続財産管理人が行うという認識でよろしいのでしょうか。」→当該財産(債権も財産)が被相続人の財産と認められる限り,相続財産管理人が選任されていれば,その請求・換価手続は相続財産管理人が行います。「生前既に請求手続きを行っていた傷病給付金と高額療養費貸付金の返還分について,『口座が凍結されているでしょうから』という事で母親の口座へ振込されることになっているのですが、相続放棄の申述の際に母の口座へ振込された理由を説明しても問題があるのでしょうか。」→当該給付金等がもともと被相続人(父)がもらうべき性質のものであれば,被相続人の財産ということになりますから,受領しない方がよいでしょう。したがって,振り込んできても取り分けて残しておいた方がよいと思います。そして,家裁の相続放棄の受理の段階でも,「相続財産と思ったので,一応取り分けておいてあります」と言えばよいのです。それ以上,家裁が言ってくることはないと思います。もっとも,この点は,率直に家裁に相談したらよいと思います。担当の書記官が自ら,あるいは裁判官と相談して,回答をしてくれると思います。なお,私の方で,「相続人の不存在」の話や「相続財産管理人」の話をしたので,混乱してらっしゃるのかもしれませんが,まず以上の話は,いずれにもしても相続放棄の申述をしないと始まりません。とにかく,相続放棄をするという意思が固まっているのであれば,早急に家裁に相談をして,申述書を提出すべきです。このようなことをいろいろと悩んでいるよりも,まず家裁に相談をしてみた方が得策です(家裁は相続放棄をしたらよいかどうかという相談に答えることはできませんが,相続放棄をすると決めている人に対して,書類にどの程度のことを書いたらよいかとかいう教示をすることはできます)。そして,実際に相続人全員が相続放棄をしたとしても,その後,債権者が相続財産管理人の選任申立てをするかどうかはわかりません。債権者皆が回収をあきらめてしまう可能性もないとはいえないのです(さしたる財産はないと見て)。なお,あなたは被相続人に多額の(積極財産を上回る)借金があるということで相続放棄をするというのでするから,この際少額の財産は捨てるべきでしょう。少額の相続財産も欲しいというのであれば,相続放棄をしなければよいのです(しかし,その結果,それを上回る借金も相続することになります。しかし,それは本望ではないでしょう)。すなわち,積極財産だけを相続しておいて,消極財産(債務)は相続しないということはできないのです。その代わり,後で生命保険金(これは遺産ではない)をきちんと受け取ればよいのです。そして,その間,母の生活費が足りなくなるとしても,そこは我慢して,あなた方が援助するなりしてしのぐべきではないかと思います。くどいようですが,相続放棄をする意思であるならば,早急に家裁に相談に行くべきです。家裁は,何もあなた達のことを「おとしめよう」などとは思っていませんから,率直に家裁に相談するのが一番の早道だと思います。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1220633
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この回答へのお礼

昨日に続いて丁寧なご回答有難うございます。

>くどいようですが,相続放棄をする意思であるならば,早急に家裁に相談に行くべきです。家裁は,何もあなた達のことを「おとしめよう」などとは思っていませんから,率直に家裁に相談するのが一番の早道だと思います。

細かくご回答頂いたお陰で不安に感じていた事が取り除けました。
今日にでも家裁へ相談に行ってきます。

ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/08 00:26

#2です。

補足します。現金50万については相続財産に当たることが明らかですと書きましたが,このなかにはお母さんの口座から引き出したものも含まれているとのことで,微妙ですね。やはり気になるのであれば,家裁に相続財産管理人を選任してもらい,同管理人及び家裁の判断に委ねるのがよいと思います(もちろん,質問者さんの意見は述べた上で。最終的にはこれが相続財産なのか,一部母の財産なのかの判断は,相続財産管理人等の判断に従うのがよいと思います。)。なお,相続財産管理人の選任申立ての際には,最低限,同管理人の報酬の原資となるだけの金銭が相続財産にあることを要し,これがないときには,申立人において報酬の原資を予納する必要があります。本件では,一応現金50万円と未請求の傷病給付金15万円があるということなので,報酬の財源は確保されているものと思われます。
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相続人が相続財産の全部又は一部を処分した場合は単純承認をしたものとみなされる(民法921条)。

これが法定単純承認です。ではどの程度の行為が相続財産の「処分」といえるかですが,裁判例には,(1)行方不明であった被相続人の着衣,わずかな所持金,身の回り品などを相続人が所轄警察から引き渡されても相続財産の処分には当たらないとしたもの(大阪高決昭和54・3・22),(2)形見分けを受けることが相続財産の処分に当たらないとしたもの(山口地徳山支判昭和40・5・13),(3)交換価値のない古着をもらい受けることが相続財産の処分に当たらないとしたもの(東京高決昭和37・7・19)がある一方で,(4)相続開始後に相続債権の取り立てをしてこれを収受することが相続財産の一部の処分に当たるとしたもの(最判昭和37・6・21),(5)被相続人が賃貸していたマンションの転貸料の振込先を,賃借人から相続人口座に変更することが相続財産の処分に当たるとしたもの(東京地判平成10・4・24)などがあります。したがって,比較的少額の金銭の受領であれば「処分」に当たらないと判断される可能性はあると思いますが,それはおそらく被相続人の総財産(積極も消極も)との兼ね合いにもよると思います。ご質問の件では,被相続人の負債は数百万ということなので,この額からすると,50万円といった単位の金銭は債権者にとって債務の重要な引き当てとなっている可能性があり,手を付けない方が方がよいと思われます。後は個々の財産が「相続財産」に当たるかどうかという問題があります。まず生前に処分したものは,これは相続財産を処分したことにならないので当たらないと言ってよいでしょう。次に,死亡後に残された現金50万円ですが,これは相続財産に当たることが明らかです。未請求の傷病給付金,埋葬料,高額療養費貸付金の返還分などについては,これらのうち,もともと父が受け取ることになっていたものについては父の財産(債権)ですので,相続財産になると思われます。一方で,もともと遺族が遺族としての資格で受け取ることになっている金員(例えば父の埋葬料)は相続財産ではないですし,生命保険金も,母やあなたが受取人として指定されているのであれば,それは保険契約における「受取人」としての資格に基づいて受領するものですから,相続財産ではありません。それから借家の名義や公共料金の名義は,お父さんのものを変更しても,今後新たに発生する債務及びこれに対応する役務の提供はいずれも新たな名義人に帰属するでしょうから大きな問題はないと思いますが,もっとも厳密には借家人には敷金返還請求権があり,このことで父の契約上の地位を承継することに不安があれば,一旦解約して,新たに母名義で契約した方がよいと思います。その際,敷金の返還は受け取らないで保留しておいた方がよいでしょう。葬儀費用は,父の相続財産で払うのではなくて,とりあえず立て替えておいた方がよいと思います(葬儀費用の負担についてはもともと説が分かれていて,(1)相続財産の負担とする説によれば,相続財産=父の財産から支払っても差し支えないのですが,(2)喪主ないし相続人の負担とする説によれば,当然には父の相続財産の負担とはできず,本来喪主や相続人が負担すべきということになるのです)。以上を踏まえ,手続的には,明らかに母やあなたが受け取ることのできる生命保険金や埋葬料は受け取り,ほかの受領や支払は保留しておいて,まず法定相続人が全員(順次)相続放棄の申述を家裁にすることをお勧めします。そして,その結果,法定の相続人がいなくなった段階で,利害関係人から申立てがあれば,家裁は相続財産管理人を選任します(民法952条)。相続財産管理人には,通常弁護士が選任され,管理人は相続財産及び負債の有無,額を調査をした上,負債については相続財産から弁済,配当するという精算業務を行います。申立てができるのは利害関係人となっており,通常は債権者や特別縁故者(民法958条の3)の候補者から申し立てられることが多いのですが,本件のように相続財産とそうでないものとの区別がよく分からないということで,相続人がその整理,清算をしてもらうために,利害関係人として申し立てることもできるのではないかと思います。しかし,まずは,被相続人が債務超過であると考えているのであれば,相続人全員が家裁に相続放棄の申述をすることから始めるのが大事です(ご存じのとおり,期間は自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月ですので要注意です)。
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この回答へのお礼

詳細なご返答を頂き有難うございます。

恐縮ですが、ご返答内容について再度ご質問させて頂きます。

>以上を踏まえ,手続的には,明らかに母やあなたが受け取ることのできる生命保険金や埋葬料は受け取り,
>ほかの受領や支払は保留しておいて,まず法定相続人が全員(順次)相続放棄の申述を家裁にすることをお勧めします。
父が亡くなった事を健保組合へ連絡した際、生前既に請求手続きを行っていた傷病給付金と高額療養費貸付金の返還分の振込先について、「口座が凍結されているでしょうから」と言う事で母親の口座へ振込される事になっているのですが、相続放棄の申述の際に母の口座へ振込された理由を説明しても問題があるのでしょうか。

>本件では,一応現金50万円と未請求の傷病給付金15万円があるということなので,報酬の財源は確保されているものと思われます。
未請求の傷病給付金の請求は相続人が行うのでは無く、相続財産管理人が行うという認識でよろしいのでしょうか。

>まず法定相続人が全員(順次)相続放棄の申述を家裁にすることをお勧めします。
相続順位が最も上位の者がまず申述を行って受理された後、次の順位の者が申述を行うという認識でよろしいのでしょうか。

あと、申述書の金額欄は資産・負債共に大まかな額を書くようになっていますが、後々に本人が死亡した時点での資産、負債を1円単位まで調べられる(若しくは証明する)事になるのでしょうか。
と言いますのも、生命保険金が入るまでの母の生活資金がご質問で書いている現金しか無いため、母はその現金を生活費に充てているため、父が死亡した時点で現金が幾らあったかが正確に把握出来ないので不安に感じています。

宜しくお願いします。

お礼日時:2005/03/07 02:28

かなりご心労のようで、お察しします。



>どのような行為が「法定単純承認に当たってしまう」のかがはっきりと分からず不安に感じています。

まず、3ヶ月以内に相続放棄の手続きを済ませてください。次に、祖母の分についても、相続放棄の手続きを済ませましょう。さらにお父さんに兄弟がおられるのなら、祖母につづいて相続放棄の手続きを済ませてください。これで単純承認はなくなり、お父さんの財産を処分できなくなります。

あとはお父さんにまつわるお金の扱いになります。

1.お母さんの難病のための給付金は相続財産ではありません。生活費としての現金はお母さんのお金と考えればいいでしょう。お父さんの健康保険への給付金請求は諦めてください。埋葬料は相続財産から拠出できるお金で問題ありません。

2.お父さんの医療費未払い分は、立て替えて払っても問題ありません。立て替えた人が相続人に償還請求できないだけです。

3.賃借権の相続は、単なる相続とは言えず、家団論(現に住んでいる人が継承できるという考え方)をとる学説もあって、難しいところです。とりあえず今後も賃借料を払うということで契約名義を変更して貰えるように交渉してみてください。

4.公共料金の名義はお母さんに変更しても問題ありません。また、電話加入権についてはNTTも言ってるように資産ではありません。

5,香典は相続財産ではなく、基本的には喪主に帰属すると考えられます。さらに、今回は葬儀費用の方が高くついているので、なにも問題ありません。
生命保険も相続財産ではありません。ただし、一人あたり500万円を超える分には相続税がかかったように思います。

6.お父さんの生前におこなったローン返済、車の処分はいずれも全く問題ないです。
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この回答へのお礼

さっそくの返答有難うございました。

>また、電話加入権についてはNTTも言ってるように資産ではありません。
資産だという認識をしていましたので参考になりました。

お礼日時:2005/03/07 01:23

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