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糖尿病の障害年金って今どうなってますか?なんか昔Newsでもらえないって騒いでましたけど

A 回答 (2件)

糖尿病には、いわゆる生活習慣病としての2型糖尿病とは別に、元々血糖値を下げるインスリンが分泌されないことによる1型糖尿病があります。



1型糖尿病では、2型糖尿病とくらべると血糖コントロールがたいへんむずかしく、日常生活上で多くの困難や支障を伴うのが実態です。

大阪では、「糖尿病の障害年金の障害認定基準が2016年度に改正され、かつ、認定が2017年度より地方から日本年金機構へと一元化された際」に、一律に1型糖尿病者の障害年金が不支給(降級)とされてしまうという事態が発生しました。
9名から成る訴訟の結果、昨年2021年5月17日に大阪地裁で判決が下され、1名を除いて、残り8名に関しては「不支給決定には違法性はない」という判断が下されています。

このことが「糖尿病では障害年金をもらえない」といった短絡的な理解を招いてしまっていますが、正しくは「1型糖尿病者の日常生活上の困難や支障が、障害年金の認定にあたって正しく反映されていない場合がある」という理解をすることが重要です。

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結論から言うと、2016年(平成28年)6月1日に改正された、糖尿病の障害年金の障害認定基準そのものは、いままで1度も再改正されてはいません。
これは、改正そのものを決めた下記の専門家会合による議論じたいに瑕疵があるわけではないからです。

● 障害年金の認定(糖尿病等)に関する専門家会合
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-nenkin_2 …

糖尿病の認定は、検査日前からの90日以上のインスリン治療が継続されていることが確認できた者に限られ、かつ、その治療を行なってもなお以下のいずれかに該当する場合に初めて、3級と認定することになっています。

● 糖尿病で3級に該当する状態


内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの


意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの


インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの

● 一般状態区分表


身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの


身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの


歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの


軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの(例えば、軽い家事・事務など)


無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの

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症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する、とされています。

ですが、一般状態区分表のウまたはイに該当してようやく3級、というのが目安になっていることから、一般状態区分表のエ(日中の過半で就床かつ要介助。外出不可能。)で2級、同じくオ(終日就床。全介助。)で1級と、認定はかなり厳しい条件が付くものとなっています。

「認定が2017年度より地方から日本年金機構へと一元化された際」は、地方での緩めの認定結果(本来は3級相当なのに、2級以上とされていた)が、上記の厳し目の基準に反することになっていると見なされて、障害基礎年金しか受けられない人(つまり、3級相当では不支給になってしまう人)が不支給となってしまいました。

● 2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

● 1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

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繰り返しますが、こういった基準そのものには瑕疵(明らかな法的矛盾)はない、と考えられています。

あまり知られていないところですが、大阪の訴訟で問題となったのは、基準そのものというより、「基準のどこどこに合わなかったために不支給という結果に至ったのか」という説明がなされていなかったところにあります。

この件に関しては、2019年(令和元年)10月1日より、不利益処分に係る理由付記文書を通知書に添付する、という運用が徹底されています。
以下のそれぞれのPDFファイルのとおりです。

● 理由付記文書を作成する不利益処分等について

https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/c …

① 新規裁定請求に係る不支給決定
② 障害状態確認届に係る等級変更(降級)
③ 障害状態確認届に係る支給停止
④ 額改定請求書に係る額改定不該当
⑤ 支給停止事由消滅届に係る支給停止事由消滅不該当

● 同 根拠通知
(厚生労働省年金局 事業管理課給付事業室 発/日本医師会 宛)

http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/upload …

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ということで、現在も、障害認定基準(上述)に合致するかぎりは、きちんと認定がなされています。
糖尿病そのものが認定されない、ということはないのです。
その点に関しては、少なくとも、誤解の無いようにしたいところです。
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この回答へのお礼

具体的でわかりやすく説明ありがとうございます

お礼日時:2022/05/04 14:03

検索すれば詳しく解ります

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