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MT46は発熱に弱く、このため上越線において151系は4M2Tでも運転不能で歯数比変更を余儀なくされたと聞きます。
たしかに歯数比を大きくした方が勾配に強くなりそうなイメージはありますが、でも問題は引張力が足りず走行できなかったという事ではありません。
なぜこれで解決できたのでしょうか。

発熱が問題なら同じ主電動機を使っている限り状況は変わらないように思うのですが。

それともたとえば同じ直列最終段でも歯数比が小さいと主電動機の回転数が低くなり、電流が多くなるなどということなんでしょうか?

A 回答 (2件)

こんばんは、電車運転士をしております。



質問者様が誤解されている箇所が多く、一から解説しなければならない状態で困惑しております。

>MT46は発熱に弱く

MT46は構造的に弱いわけではありません。過負荷ゆえの発熱です。
つまり、主電動機の出力と歯車比の組み合わせの問題です。

>たしかに歯数比を大きくした方が勾配に強くなりそうなイメージはありますが、でも問題は引張力が足りず走行できなかったという事ではありません。

質問者様は既にご存じだと思いますが、今の交流電動機ですので、フラッシュオーバーを考慮せずに無理を利かせられます。
(例えば、209系を低出力車だと未だに信じている方でしたら、一生理解できないかも知れませんw アレは交流電動機で加速時は過負荷を掛けていますから。)

この時代の直流電動機の場合、フラッシュオーバーに対するリスクや絶縁保護の観点で、主電動機に過負荷は掛けられなかったのです。マージンを多く取っていました。
例えば、昔、高加速度を近鉄の「ラビットカー」も、行きは過負荷だけど帰路は空車で負担が掛からないからできた設計。

主電動機に掛ける負担は、現代より考慮しなければなりませんでした。

主電動機に過負荷を掛けられないゆえ、あとは歯車比で工夫するしかありません。
歯車比を大きくして、主電動機の回転を引張力に振り分けるしか。

質問者様は既にご存じで、釈迦に説法かも知れませんが、
同じ出力の主電動機で歯車比を大きくすれば、

▪️加速力が大きくなる
▪️スピードは伸びないので、高速だと余計に回転を求められる。

つまり、高回転でうるさいか壊れるか、
このどちらかになるので、151系と比べて161系は、

▪️加速力は強い
▪️高速性能は低下

……というクルマになります。

だから、

>発熱が問題なら同じ主電動機を使っている限り状況は変わらないように思うのですが。

ココが大きな誤解になるかと存じます。

本来ならば、151系と161系で済む問題なのですが、
181系が生まれた理由としましては、

▪️東海道新幹線開業で在来線特急が余った。
▪️120キロワットモーター(MT54)の開発。
▪️100キロワットモーターでは、山岳線での加速力は満たすが高速性能や主電動機の高回転化による騒音や加速余力に問題があった。
▪️120キロワットモーターで、歯車比ではなく編成出力で勾配に対する問題を解決した。
▪️最初から高出力な主電動機があれば良いのですが、技術開拓の時代ゆえ、それは結果論でしかない。あの当時、100キロワットモーターを使うしか回答がなかった。

>それともたとえば同じ直列最終段でも歯数比が小さいと主電動機の回転数が低くなり、電流が多くなるなどということなんでしょうか?

回転数を上げたいのなら、界磁側の電流を弱めれば回転数は高くできますから、それは違います。
ただ、弱め界磁率も設計の限界はありましたし、技術進化の過程で、弱め界磁率がひとつのテーマだったのは事実です。
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151系のギア比ではモーターの回転を妨げようとする負荷がかかるため、ギア比を落として負荷がかかりにくくし、モーターの回転を手助けしたため、モーターの発熱が防止できました。



モーターは負荷を排除して回し続ける限り、何時間でも安定して回しづけられます。
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