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以前と同じような質問で申し訳ありません。

記事 https://www.projectdesign.jp/201611/college-spor … の後半辺りにある「これまでの社会は健常者という多数派の都合に合わせてつくられてきたという歴史がある。」という文の「社会」はどの社会を指していると思われるでしょうか。

直接問い合わせてみたところ、記事執筆者が退職したためにお答えできないと言われたため、こちらで質問させていただきました。

すみませんが、よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

次のような文章を読むとき、


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今日の日本社会では、正規/非正規雇用間の格差や働き方の問題をはじめ、雇用や就業をめぐる諸制度──言わば「働く仕組み」──に関してさまざまな課題が浮上し、その解決のためにさまざまな改革が試みられてもいる。
ただし、問題解決のための試みを成功させるためには、何よりもまず日本社会における働く仕組みの性格を十分に理解しておく必要がある
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最初の「今日の日本社会」という提示で、読み手に「社会の仕組み、制度、システム、社会の構成員の均等性や格差あるいは分断状況、社会構成員の経済的立場やその固定性・流動性、家族と家族構成員の関係が社会的地位に及ぼす影響」などに注目してほしいという意図を示しているのだと思います。
おそらく「今日の日本社会」という提示で、「明治期の日本社会」や「戦国時代の日本社会」「今日のフィリピン社会」「今日のイタリア社会」「今日の北朝鮮の社会」などを思い起こすようなことは求めていないのです。

次の文章を読むとき、
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障害のある人のスポーツは第二次世界大戦後の傷痍軍人のリハビリテーションの一環として始まり、1960年に日本に取り入れられた。それまで病院や施設の中で安静に過ごしてきた障害者は社会復帰の手段としてスポーツを行い、障害者が働く機会が乏しかった当時の社会においてはスポーツに参加することは社会との繋がりを得る手段としての位置づけでもあった。
そうして障害者のスポーツは長い間医療と福祉としての領域に留まることになったのである。近年、バリアフリーやノーマライゼーションという言葉が一般的になり、今年4月は障害者差別解消法が制定された。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて今後障害者を取り巻く環境が変わりつつあるが、これまでの社会は健常者という多数派の都合に合わせてつくられてきたという歴史がある。マイノリティである障害者が社会に適応するためには、障害者が社会に合わせるか、社会が障害者に合わせるしかない。
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途中に出てくる「これまでの社会」は、「2020年の社会」「1960年の社会」「1900年の社会」「欧米の社会」「アジアの社会」「資本主義社会」「社会主義社会」のようなことをイメージすることを求めてはいないのです。

社会の仕組み、各種の制度、各種の社会インフラ、市販供給されている道具類などが、「社会の構成員の多数の属性に適合するようにという視点で供されている」ことに注目し、《今後の社会》は、《「マイノリティの構成員の利用の便」に留意する社会になっていくべき》というような視点を提示しているのです。
直接には、身体障害者のスポーツが記述の対象になっています。
https://researchmap.jp/s4.73.namino
でも、たぶん車いすサッカー競技者と健常者サッカー競技者の混成チームの編成などは考えてないでしょう。 トラック競技、水泳競技、コートでの球技だけでなく、ゴルフでも、格闘技やダンスでも、何かの道具的工夫や競技ルールの変更などで、身体障害の種類や重症度だけで参加自体を拒絶することがない社会になることを、志向しようとしているのでしょう。
ファッションや化粧、旅行、観劇、映画鑑賞、コンサート、レストランでの食事、いろいろのことの楽しみを、身体障害者でも、なるべく低いハードルで楽しめるようにと、身体障害者以外の健常者も配慮し工夫し、制度やインフラを整えていこうとする社会状況を、期待・志向して、提議しているのでしょう。
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