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みなさんの曲を聞いた感想を聞かせてください。曲を知っている人に限られますが。モーツァルトのレクイエムの中のDies Ireという曲です。みなさんがこの曲を聞いて感じた事などなんでもいいので自由に書いてください。後、モーツァルトのレクイエムは、ジェスマイヤー、バイヤー、モンダー版などありますが、何がどのようにそれぞれ違っているんでしょうか。できれば詳しく教えていただきたいです。

A 回答 (1件)

曲の感想は、一言で表すとすれば「モーツァルトらしくない」という感じですね。


それまでに作曲されているモーツァルトの曲のイメージで聞くと、ガラガラと音をたてて崩れるという感じです。
モーツァルトがこのレクイエムを作曲した時のエピソードがいくつか残っていますがその中に、『今までとは違い、かなりまじめに作曲に取り組んだ』という話が残っています。事実かどうかは不明ですが、それまでの作曲はほとんど即興に近く、たいして時間もかけずにつくられていたそうなのですが、このレクイエムには初稿譜(下書き)が残っており、彼自身が納得のいく出来にはなかなかならなかったらしいです。

そのせいかどうかは知りませんが、それ以前に作曲されているモーツァルトの曲と比較すると、モーツァルトらしくなく、半ば強引に計算された(そしてなんか計算が間違っている)曲に感じます。
その反面、初めて作曲家として壁にぶつかったという感じも読み取れます。ある意味「人間らしい」曲だなあと感じました。


様々な版があるのは、モーツァルトが作曲途中で死んだからです。依頼されていた曲で代金ももらっていたので納品せねばならず、未完成部分を弟子のジェスマイヤーが作曲しました。
(モーツァルトが完成させていたのは全曲中1曲だけ)
弟子と言っても、当時の作曲はほとんど即興が多いですし、皆が皆あのような音楽を作れるわけではないので、ジェスマイヤーが作曲したレクイエムとしては一定の評価が得られたかもしれませんが、「モーツァルトの作品」としては評価の得られる作品には値しませんでした。
たいていの作曲家は、レクイエムや交響曲を作る際に、下書きやモチーフのいくつかを書いたメモを残してくれるので、それを元に繋ぎ合わせたり、補強したりして完成品に持って行くことが出来るんですけど…なんせ普段からそれをやってない人だったんで(--;)

20世紀に入って、それ以前に作曲された作品とちょっと響きがかけ離れすぎてるので、「モーツァルトらしい『響き』や『様式』」を分析し作り直したのが、バイヤー版(ドイツ 1971年)やモンダー版(イギリス 1986年)です。また、復刻版が出たことにより、ジェスマイヤー自身の才能が再評価されています。

〈各版の大まかな違いは〉
バイヤー版…モーツァルトの最晩年の音響と様式に立ち帰るためにオーケストレーションの手直しを行った。
モンダー版…バイヤー版の線上に立ち、モーツアルト自筆譜のないサンクトゥスとベネディクトゥスを省省略、続唱の終結に新発見のスケッチに基づく新たなフーガを加筆。

この後、もう一度ジェスマイヤー版に立ち返って修正するランドン版(アメリカ 1990年)も出ています。
まあ、どの版も『完璧』という版はないですね。演奏者や時代の好みもあるので…
200年近く経ってから復刻版が出ているのは、19世紀末から20世紀始めに様々な作曲家により、古典派の作風が改めて評価され始め、作曲家と作品を丹念に深く分析しその作曲家の時代の響きや音楽を再現しようとする分野が確立したためです。(バイヤーもモンダンも作曲家ではなく音楽学者です。)

長くなりましたが参考になれば幸いです。

参考URL:http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/mozart …
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