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カイコの休眠のしくみについて詳しく教えてください。また温度、日長、栄養状態でどのように変化するか教えてください。

A 回答 (1件)

その昔、カイコガ(Bombyx mori)を、実験のためと称して数千個体虐殺したものです。



昔のノートを引っ張り出してみると、

茅野春夫(1980) UP BIOLOGY 昆虫の生化学 東京大学出版会から要約
・卵で休眠(越冬)する(1年1世代, 2世代, 多世代の3系統がある)
・卵発生時の光条件と温度条件が、次世代の卵の休眠を決定する(つまり、♂は休眠に関与しないし、休眠発現までにタイムラグがある)。
・低温・暗黒条件は、非休眠卵を誘導, 高温・明条件は休眠卵を誘導
・臨界温度(日長)より、高い(長い)条件下で休眠する。
・休眠卵を漬酸処理(一定濃度の塩酸につけること)すると休眠を打破できる(その直接要因は不明。私が学生の当時)。
・直接の休眠卵の誘発は、♀蛹期に食道下神経球からのdiapause hormoneの分泌が、卵巣中の卵に作用することによる。
・休眠卵では、glycogen, polyol(sorbitol, grycerol)が蓄積する。
これは私の研究テーマの終齢幼虫期のsorbitol関連化合物の蓄積と関連しているようで非常に興味深かった。時期的には、どちらも休眠の可能性がある時期である。このpolyolの蓄積には、同じ調節系が関与しているのかもしれない。

カイコガなら、日本語の文献がたくさんあるとおもいますので、正確にはそれを当たった方がよいでしょう。古いですが、「家蚕生化学」伊藤智夫他編(1984) 掌華房など

以上、参考になればよいのですが...
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この回答へのお礼

非常に細かくわかりやすいお返事ありがとうございます。
漬酸処理により休眠を打破することができるということなど知らなかったので、
勉強になりました。

お礼日時:2001/11/08 15:01

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