
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
siegmund です.
> 冒頭の3行を読んだ限りでは、
> 実在気体を扱って仕事や熱の出入りを計算することは難しい・出来ないと
> 考えていいのでしょうか?
実在気体について,正確な分子間力は誰も知りませんし,
分子間力についてある形を仮定しても,
近似なしに状態方程式や熱力学量を計算することは極めて困難です.
ただし,例えば van der Waals 状態方程式を仮定するなら,
カルノーサイクルの各過程について具体的計算ができ,
効率はやはりカルノー効率になることが知られています.
> 実在気体であっても、
> カルノーの定理の例外ではないという解釈でいいのでしょうか?
まさにそのとおりです.
具体的計算をしないで,
「ただ2つの温度の間で動作する可逆機関はすべて同じ効率を持ち,
その効率はカルノー効率に等しい」
と言えるところがすごいところです.
作業物質によりませんし,細かい過程にもよりません.
> カルノーサイクルの説明には必ず出てくる、
> 平行四辺形がひしゃげたようなグラフの定温過程の幅が狭くなるのかな、
> と思ったのです。
同じ熱量をもらうという条件で幅を比較するなら,
van der Waals 気体の方が理想気体より幅が狭くなります.
van der Waals 気体では (∂U/∂V)_T > 0 ですから,
(実は (∂U/∂V)_T = an^2/V^2 が知られている.n はモル数)
d'Q = dU + pdV で d'Q を同じにしとき dU に食われる分 dV が減ります.
具体的に数式を示していただいたことで、なんとなくつかめたような気がしました。これから少し時間をかけてもう少し理解を深めたいと思います。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
実際の気体であっても液化するような領域に近くないかぎり、理想気体と同じ挙動をするとみて構いません。
実際の気体と理想気体との比較をしたいのでしょうが、理想気体には分子間力や分子の体積はおろか、具体的な質量も比熱も比熱比もありません。 好きな値を入れていいから「理想」気体なのであって、気体の比較の「基準」となるようなものではないのです。実際の気体をカルノーサイクルにあてはめてみても、カルノーサイクル機関自体が実現できていないので、気体の種類の違いによる傾向の比較はできても、その値が「具体的」に意味をもつのかは別の問題になります。 これは物理学よりもエンジンの工学の分野であり、研究者がしているように実際にカルノーサイクルを目指して実験し、データをとっていくしか方法がありません。(もっとも、物理学上の差よりも工学上の問題のほうが影響が大きすぎて、分子間力等の影響など見えなくなるでしょうが)
なるほど、もしかしたら物理化学ではなくエンジンの工学の参考書を見ればいいのかもしれませんね。
もっとも、物理学上の差よりも工学上の問題のほうが影響が大きすぎて、分子間力等の影響など見えなくなるでしょうが
この一文が参考になりました。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
カルノーサイクルの各過程について具体的に熱の出入りや
仕事を計算できるのは極めて少数の場合に限られています.
理想気体はその1つです.
熱機関の効率について言うならば,
「ただ2つの温度の間で動作する可逆機関はすべて同じ効率を持ち,
その効率はカルノー効率に等しい」というカルノーの定理があります.
もし,カルノー効率に等しくなければ,
勝手に(他に何の変化もなく)熱が低温側から高温側に流れるという
おかしなことになるのを示すことができます.
こういう過程は不可能ですから(クラウジウスの原理),
カルノーの定理が成り立つ,という背理法的論理です.
カルノーの定理の説明は大抵の熱力学の本に載っています.
この回答への補足
冒頭の3行を読んだ限りでは、実在気体を扱って仕事や熱の出入りを計算することは難しい・出来ないと考えていいのでしょうか?
よくわからないまま鵜呑みにしているような状態ではありますが、後半部分のご説明については参考書などで読んでいるのです。しかし、実在気体を扱った場合のカルノーサイクルということに結びつけると、実在気体であっても、カルノーの定理の例外ではないという解釈でいいのでしょうか?
カルノーサイクルの説明には必ず出てくる、平行四辺形がひしゃげたようなグラフの定温過程の幅が狭くなるのかな、と思ったのです。(排他体積などによる影響で体積が小さくなるので)
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