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ヒトの臨床手術標本の凍結サンプルを使ってVEGFなど血管新生因子の発現を見たいと考えています。

知り合いの外科医曰く、腫瘍などの手術標本を摘出する際に、大き目の動脈や静脈などをまず縛って出血しないようにしてから摘出するとのことでした。頂いた標本は血管を縛ってから少なくとも数十分、サンプルによっては数時間以上は経ってから凍結したとのことでした。

この場合、血流が途絶えてかなり時間が経っているので、組織内の血管新生因子の遺伝子発現は高めに出ていると考えてよろしいのでしょうか?一般的にこの手の実験(血管新生因子の発現をみる実験)をする際は臨床サンプルは使用できない(もしくは生検材料を使う?)と考えてよろしいのでしょうか?

ご意見を頂けたら幸いです。

A 回答 (1件)

一般には、臨床の凍結サンプルを用いて多数のサンプルの遺伝子発現を調べているという論文は多いですね。


しかし虚血状態ですとたしかに、遺伝子発現が動きやすいように思います。
mRNAのターンオーバーはとくに早いので注意が必要ですね。むしろタンパクレベルでの変化のほうが安定に見れるかも知れません。(もちろんタンパクについても分解による制御もありますが、mRNAよりは遅い反応と言う気がします)

最近、cDNA arrayの結果をタンパク発現と比較した報告がかなりありますが、あまり一致しないようです。

実際に生体の機能に重要なのはタンパクレベルでの発現ですから、従って、その意味でも、タンパク発現をELISAないしウエスタンで定量するのがbetterと思います。

VEGFについては腫瘍での発現をみている論文が多数ありますので、そういった方法を参考にされるといいと思います。

Straume O, Akslen LA.
Expresson of vascular endothelial growth factor, its receptors (FLT-1, KDR) and TSP-1 related to microvessel density and patient outcome in vertical growth phase melanomas.
Am J Pathol. 2001 Jul;159(1):223-35.

Slaton JW, Inoue K, Perrotte P, El-Naggar AK, Swanson DA, Fidler IJ, Dinney CP.
Expression levels of genes that regulate metastasis and angiogenesis correlate with advanced pathological stage of renal cell carcinoma.
Am J Pathol. 2001 Feb;158(2):735-43.
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この回答へのお礼

VEGF等の発現をリアルタイムPCRなどでみた論文をいくつか見て、本当に真実なのかとても不思議に思っておりました。
丁寧でわかりやすいお返事、アドバイスありがとうございました。

お礼日時:2006/01/31 13:45

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