
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
私もNo.1の方の言う通りだと思います。
あえて付け加えさせて頂くと、かつての金本位制では、通貨供給量が、金及び金に兌換できる外貨の量に連動していましたから、国内外で自国製品の競争力が落ちると、輸出入バランスの悪化は、金準備&外貨準備の減少→マネーサプライの減少に直接つながる為、他国の通貨切り下げの景気への悪影響の度合いは、今よりももっときついものだったはずです。「為替切り下げ競争」という言葉には、「意図的に切り下げる」というニュアンスがあるので、為替の変動相場が一般的になった現在では、「これが切下げ競争だ」といえるような例は中々ありません。いわゆる「口先介入」や金利政策で、ある程度は為替相場を意図的に動かせますが、自ずから限度があるからです。
あえて探せば、
最近の円安に対して、中国が懸念を示していますが、これは、日本が円安容認発言」等で円安に誘導し、輸出競争力を増して景気の下支えを狙っているのではないか、と中国は考えており、それにより中国製品の競争力(特に日本市場でのそれ)が落ちる事をいやがっている、と理解する事ができます。
1997年のアジア通貨危機に於いては、タイバーツの切り下げをきっかけに、東南アジア諸国の通貨が連鎖的に急落しました。これは、タイが変動相場に移行し大幅にバーツが切り下がった事により、その他のアジア諸国がタイに比べて大幅に競争力を落とし、その結果として経常収支の悪化の可能性が高まった為、それを先読みした市場参加者が、各国通貨へ大量の売りを浴びせた結果、と考える事もできるでしょう。
最近のアルゼンチンの経済危機も、ブラジルの通貨切り下げで、ドルと完全にリンクしていたアルゼンチン・ペソが非常に割高になった事が、ひとつの大きな要因です。
上の例のうち、最初の「円の例」は、意図が働いているのかも知れませんが、一般論としては、変動相場では意図的に為替を動かせなくなったので、「通貨切下げ競争」ではなく、「市場による切り下げの連鎖」が起きるようになった、と考えたらどうでしょうか。
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