著作権や意匠権などに絡んで(あるいはその周辺の関連権)に関して、次のような権利の尊重もしくは制限ができるのか、ということに関して考え方のアドバイスをください。
(実例ではなく、時代の変化の中でどう考えたらよいかという判断のための質問です)
最近ホームページやブログを使ったサービスで、個人の方もいろいろやっているケースが増えています。
それらで、運営上、ある国や地域・民族にはみてほしくないとおもうサイトがあったとします。
たとえば(本当に例ですが)、靖国問題にからんでアジアのどこかの国の人間(日本人ではない)が意見する板を立ち上げ、日本人からの意見は現地の心情を理解していないため、書き込みをしてもらいたくない、また日本への紹介もしてほしくないと考えているとします。
その場合、日本からはIPアドレスなどではじけますし、現地日本人の書き込みも管理者権限で削除は可能です。会員制にし、閲覧を地域に限定することも可能です。
しかし、トップページは以前として公開されています。
インターネット同士のリンクは問題なく誰でも行えてしまいますが、そのトップページのスクリーンショット(画面コピー)に関して、これをネット以外のメディア(雑誌やテレビなど)への公開を防ぐことは可能か、というところです。
「このサイトは日本の雑誌やテレビへの紹介ならびにスクリーンショットの無断公開はお断りします」と記載することは可能です。
で、そこに意匠権や使われている画像の肖像権や著作権などを根拠に、第三者が勝手に他メディア(雑誌やテレビなど)に公開することに対して防ぐ方法はあるのだろうか、ということです。
説明のために長くなりましたが、要は日本国内同士でも同じです。
トップページに関して、権利がらみでスクリーンショット掲載制限は、可能でしょうか。
No.1
- 回答日時:
制限することは可能ですが、私的利用のための複製までは制限できないでしょうし海賊版を制限するものでもありません。
結局、無意味だと思いますが。
見られたくない人がいるなら会員制にでもすればよいのではないでしょうか。もしくは、ひらがなやカタカナまじりでパスワードを設定するなど。
この回答への補足
質問で、
>公開を防ぐことは可能か
と書きましたが、防ぐ方法論の質問ではありません。方法論でしたら、インターネットカテゴリにしました。
法律カテゴリなので、トップページで著作権、意匠権、肖像権にからんで、無断転載にたいして法的に対抗できるか、というあたりです。
まぎらわしくてすいません。
ありがとうございます。
書いたように、内容に関しては会員制などの手段を打てます。
質問はトップページのデザインや画像に存在していると思われる意匠や著作が法的にも認められるだろうか(トップページとしてでもいいですし、その画像1点をとってもいいです)という部分。
あと、Gyaoなんかは海外からアクセスすると利用できない旨の警告が出ますが、それを無視して日本国内でとったスクリーンショットを海外に送り、海外のメディアに勝手に紹介されると、日本の映像を期待した意味のないアクセス量が膨大に増えるため、紹介を海外でしたくないというようなケースを想定しました。
No.2
- 回答日時:
著作権法上、著作権者が複製権を専有しています。
但し、例えば報道目的等で「引用」を行なうことは法的にも許される行為です。
したがって、著作権者が上記のような引用までも制限することはできないのではないかと考えます。インターネット等を介して公開した以上は。
ちなみに、意匠権はあまり関係ないと思います。
ありがとうございます。
>但し、例えば報道目的等で「引用」を行なうことは法的にも許される行為です。
聞きたかったのは、この部分でした。
ということは、サイト運営側が「雑誌・TVへのスクリーンショットの無断掲載はお断りします」とトップページに記載があった場合でも、それは効力がない、どの雑誌社も雑誌上に可能と考えていいということでしょうか。
(問題は、そのサイトの存在についての報道ではなく、スクリーンショットをサイト運営側の許可なく画像または印刷された写真として公開すること、についてです)
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
難しい問題ですね。
この手の問題を考えるとき、そもそも「いずれの国の法によるのか」という準拠法の問題が生じ得ます。また、国際裁判管轄の問題も生じ得ます。ですから、同様の問題を日本国内で日本人同士が争う場合と、説例のような場合とでは、考え方や結論が変わってくる可能性が高いといえます。
そこで、まず国内問題について考えます。
これに関しては、著作権法上、公開された著作物は引用して利用できますから(著作32条)、雑誌やテレビ放送などでトップページのスクリーンショットを引用することは認められるでしょう。
引用は、その目的上必要な範囲でのみ、自己の著作物中に採録することを意味するものと解されますが、全体を引用しなければ意味が通じ得ない詩・短歌・俳句・書などは、この限りではないとされます。当該トップページがこのような性質の著作物であれば、全体のスクリーンショットも認められる可能性があるでしょう。
問題は、「雑誌やテレビへの紹介ならびにスクリーンショットの無断公開はお断り」という旨の記述の、法的有効性です。1つは、そもそも権利が存在するのか、もう1つは、契約の有効性の問題です。
前者に関しては、少なくとも著作権法上は、引用という形での無断利用は公衆に認められています。これは、一般的に、著作権の制限であると説明されます。この規定が任意規定か強行規定かという議論は聞いたことがないのですが、おそらく後者でしょう。したがって、契約でこれを覆すことはできないと思います。
(ちなみに、著作権法32条は「利用できる」と書いています。したがって、複製に限らず、放送などの公衆送信や、上演なども含まれます。)
後者に関しては、たとえ権利が存在したとしても、トップページを見た途端、見ず知らずの人と契約を結ばされることになってしまいますから、このような形での契約はそもそも無効ではないかという問題です。
次に、肖像権ですが、これは明文の規定がありません。肖像権に関してはほとんど無知ですが、この権利はあくまで「自己の肖像をみだりに使用されない」権利であったかと思います。そうであれば、すでに公衆の目にさらされているウェブサイト上の肖像は、保護に値しないといえるかと思います。
もちろん、その肖像を利用して、その人物の名誉・声望を害するようなことがあれば、不法行為として処理されることになるでしょう。
したがって、国内問題としては、政治的・感情的問題への配慮は別にして、法的な拘束力を持ってやめさせることは難しい、ということになると思います。
翻って渉外的問題を考えると、先にも述べたとおり、裁判管轄の問題、準拠法の問題、外国裁判所の判決の承認・執行の問題、等々、さまざまな問題が出てきます。相手国によっても事情が異なり得ます。ですから、これについては、ケースバイケースで判断するしかないでしょう。
ただ、実際問題としては、たとえば説例のようなケースでは、法的問題より感情論が先走って、問題が別の方向にシフトしていく可能性が高そうです。
だいぶポイントがみえてきました。
現存するサイトがネット上のリンク以外の形(雑誌や放送)での、引用や紹介されることについて、スクリーンショットの扱いがわからなかったのですが、やはり引用という形でとらえて良さそうな感じがします。単なる一文と、たとえシンプルだとしても画像としての効果の違いもあると感じるため(画像のほうが印象に残るという前提で)、サイト側がそれを拒否できるか、なにか権利を主張するだろうかというあたりを整理できました。
ただ、国を超えた場合は、ちょっと微妙というか相手がどう出るか、また政治的な抗議になった場合は別でしょうね。
参考になりました。
No.4
- 回答日時:
#2です。
「無断掲載はお断りします」と記載されているということは、複製を許諾しないことを確認的に述べていると理解できます。したがって問題として、この文言自体に効力があるかどうかよりも、元々著作権法によって無断掲載は許されないというのが原則です。
従って、「スクリーンショットをサイト運営側の許可なく画像または印刷された写真として公開すること」は、「引用」の要件を満たす範囲においてのみ許されると考えます。たとえ雑誌であってもTV等の報道であっても、引用の範囲を超えて行なうことは許されません。
日本で裁判になった例では、ある人物の写真を、あるTV局がウェブサイトからダウンロードしてTV番組の放送で使用し(引用の範囲内ではなかった)、著作権侵害と認定されたケースがあります。
http://www.translan.com/jucc/precedent-2005-03-2 …
著作権は存在しているが、引用の要件を満たす、というあたりですっきりしました。
ネットは公の場であり、公開が当たり前みたいないわれ方をしていた黎明期から、現在はIT技術の進歩から、制限を加えたいケースがあるのではないか、というのが疑問の発端でした。ネットにおいて大っぴらに紹介されたくない権利の主張がどこかからかあるだろうか、と思ったのがきっかけでした。
私の質問のような個人サイトや、Gyaoを例としてあげたアクセス増加をサイト側が望まないケース。
また中国のような、国内外でつくられたサイトで、中国人民には見せたくない紹介したくない(させたくない)というケースもあります。
たとえば中国では情報統制からからWikipediaへのアクセスが中国国内からできません(香港除く)。そこには文化大革命や過去の中国の現実で人民に知られたくない、外国の観点から書かれた記事があるからだと思います。
しかし、下記のような代理サーバが立てられており、ここは中国大陸からもアクセスできます。
http://encyclopedia.thefreedictionary.com/Cultur …
この場合、この代理サーバ側も中国には積極的に紹介されたくないと思うかもしれないし、中国側もこの存在自体を持ち込まれたくないと、考えるのではないか、というあたりが発端でした。
日本国内だとこれがないので、著作権や意匠権あたりで、なにか権利が主張できるかという部分で考えてみましたが、実質的には引用をとめることは無理でしょうね。
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