
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
断定の助動詞「だ」、「です」は
1. 体言 (名詞)
2. 体言相当のもの (準体助詞「の」、用言の連体形 *後で触れます。)
にしか接続しないのが本来のありかたです。
「だ」は名詞を述語とするときに英語の be 動詞の働きをするものですから、
用言にはつける必要が無いのです。
未然形に推量の助動詞「う」がついた形を用言に接続させるのも、本来は正しくありませんが、
動詞の場合に「意志」と区別する意味も有ってか、広く行われて定着しているため、
今日の学校文法で許容されることになっています。
新聞の政治面などでは「一両日中に発表されよう」のような本来の表現が見られますが、
日常会話では「~されるだろう」が普通になりました。
「である」は連語ですが、「だ」に相当するものですから、上記に準じます。
「来よう」 (推量) → 「来るだろう」「来るでしょう」「来るであろう」
「速かろう」 (推量) → 「速いだろう」「速いでしょう」「速いであろう」
これらを誤りとはしないのです。
冒頭の「体言に相当するもの」について補足します。
準体助詞「の」:
「来るのだ」「来るのです」「来るのである」
いずれも文法に適った正格の語法です。
用言の連体形:
格助詞が接続する場合に「の」「こと」を含んだものとして、「楽しむに限る」「足るを知る」のように使われたものです。
口語では原則として「の」「こと」を省きませんが、「~するにつれて」「~であるにもかかわらず」などにわずかに残存していました。
これらもしだいに「~するのにつれて」「~であるのにもかかわらず」と言われるようになってきました。
「行くなら」はこの範疇の語法ですが、「です」「である」はこれに相当する語法はありません。
ちなみに「なら」<「なれば」ですから、「ならば」は本来誤用です。
(「なら」が「ならば」の「ば」を省いたものと誤解されることがあるようです。)
過去の助動詞「た」の場合に、「行ったら」が正しく「行ったらば」が正しくないのと同じです。
最後に「速いです」は、本来文法上正しくありませんが、現実問題としては許容せざるを得ません。
これは口語日本語の大きな欠陥の一つ
【です・ます体の中で形容詞を文法的に正しく使うことができない】
に起因します。
「速いでした」は認めないとしても、「速かったです」を文法に適った語法に置き換えることができません。
「です」は「だ」の丁寧な形で、
間違いだ→間違いです
明らかだ→明らかです
のように使われます。
「危ないです」と言えるためには「危ないだ」が言えなければなりませんが、こんな日本語はありません。
「危のうございます」は正しい日本語ですが、ワンランク上になります。
「危ないのです」では別の説明的なニュアンスが加わります。
「危ないです」を避けて「危険です」と言うことはできますが、です・ます体の中で「高い」「赤い」などの形容詞をいっさい使わないというわけにはいきません。
それで、違和感を覚えつつ許容せざるを得ないのが現状です。
「たい」「らしい」などがつく場合も同様です。このことから、
「危ないです」「食べたいです」「そうらしいです」という表現が問題ないなら、「欲しくないです」「行かないです」も同じだ。
そう考えたとしても責められないかも知れませんね。
ただ、「欲しくありません」「行きません」は共通語の中で健在ですから、そちらを使うほうが好ましいと言えます。
口語が成立するとき、文語カリ活用を十全に継承して「高かろう」「高かった」とともに「高かります」の形が生まれていたらよかったのですが…(*)
「高かります」が無理なら一段階遡って 「高くあります」と言えば、文法的に正しくはなりますが、
これも共通語に定着しなかったので、方言か二昔前の兵隊さんの言葉のように聞こえます。
でも、「危なくないです」と言わなくても、「危なくありません」が共通語として通用するのですから、
「危なくあります」の消え去ったことが残念でなりません。
また、副助詞が挿入された場合の「速くはありますが、乗り心地はよくありません」なら、方言だとか古めかしいと言う人は少ないのではないでしょうか。
(*) カリ活用の生き残りの例:
「よからぬことを企んでいる」「一言あってもよかりそうなものだ」「楽しかるべき修学旅行が一瞬にして…」「よかれと思ってしたことが…」「幸多かれと祈る」
ご回答ありがとうございました。
1>「だ」は名詞を述語とするときに英語の be 動詞の働きをするものですから、用言にはつける必要が無いのです。
この説明、非常にわかりやすいです。
2>「速かろう」 (推量) → 「速いだろう」「速いでしょう」「速いであろう」
これも、元々は正しくなかったけれど、日常会話で慣用的に使われるようになって普及したということですね。
3>【です・ます体の中で形容詞を文法的に正しく使うことができない】に起因します。
文法自体に問題があるというのは、おもしろいです。
4>「危ないです」と言えるためには「危ないだ」が言えなければなりませんが、こんな日本語はありません。
これも、1>の用言に「だ」は付けられないというルールの一環ですね。
5>「危ないのです」では別の説明的なニュアンスが加わります。
そうなんですよね。「の」が入ると、確かにニュアンスが変わってしまいます。
6>「危ないです」「食べたいです」「そうらしいです」という表現が問題ないなら、「欲しくないです」「行かないです」も同じだ。そう考えたとしても責められないかも知れませんね。
上の3>の文法問題を解決するために、助動詞「す」を新たに作って、形容詞を丁寧に言う場合は、「形容詞」+「す」にしたらどうでしょう。「速いす」「危ないす」「食べたいす」「欲しくないす」....など。何だか、こういう言い方、最近巷でよく聞きますが、もしかして、既に、使われ出しているのでしょうか?
7>「高かります」が無理なら一段階遡って 「高くあります」と言えば、文法的に正しくはなりますが、
「高くあります」は、「高くある」の丁寧な表現でしょうか? 「高くある」の「ある」は、1>のbe 動詞に相当しないですか?
多方面からのご説明、ありがとうございました。実は、最後の方は、頭がちょっと付いていけなくなってます。
No.7
- 回答日時:
No. 3 のものですが、一晩寝て気がつきました。
(4-1)「飛行機の方が、速いです」
(6-1)「彼は、もうすぐ来るです」
この「です」を取ります。
(4-0)「飛行機の方が、速い」
(6-0)「彼は、もうすぐ来る」
そして丁寧語にするために「ます」をつけます
(4-2)「飛行機の方が、速い・・・ます」
(6-2)「彼は、もうすぐ来ます」
これからわかるように、動詞だと「ます」が付けられるのですが、形容詞だと「ます」で丁寧語にできないんです。正確な言い方は(私の中学生時代に文法的に正しかった言い方は)
(4-2)「飛行機の方が、速うございます」
ですが、今どきこんなまだるっこい言い方はしません。そこで、昔は文法的に正しくなかった「です」を強引にくっつけて (4-1) が使われるようになったわけです。
なお、江戸時代は「です」は下賎な用語とされ上流階級の人は使わなかったと言います。「ます」は使われていました。(明治になって地方の武士が東京に出てきて花柳街で「です」を覚えたのが家庭に侵入した、とどこかで読みましたが、この部分は証拠のある話ではありません。)
>「飛行機の方が、速うございます」
そういえば、年配の経営者とか女性の方で、このような使い方をされるのをときどき聞きます。
>昔は文法的に正しくなかった「です」を強引にくっつけて (4-1) が使われるようになったわけです。
確かに「速うございます」は、一般には使いにくいですよね。
ご回答ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
1&2番と3&4番は、今の日本語としておかしくないですね。
しかし5&6番は根本的なところが違います。
晴れ、は名詞ですね。
しかし来る、は動詞です。
動詞に「です」はつけません。
だから、1番を「明日は晴れるでしょう」と
「晴れ」から「晴れる」と替えてみると
明日は晴れるです、とおかしな文になります。
貴方が普段するだろう動作、食べる、寝る、話す等に
食べるです、寝るです、なんて使いませんよね。
サザエさんのタラちゃんはこういう話し方をしますが、幼児ですからね~(笑)
No.5
- 回答日時:
「です」を、「だ」の丁寧な言い方と捉えてみてはいかがでしょう。
「彼女は綺麗です」「彼女は綺麗だ」
「私の部屋は汚いです」「私の部屋は汚いだ」
「おらも行くです」「おらも行くだ」
おそらくNo.3さんが(4)に違和感を覚える理由もここにあると思います。
語尾に「だ」がつくのは、基本的に名詞か形容動詞で、本来は形容詞や動詞にはつかないはずでして、
(4)はそこはそれ、言葉の移り変わりなんじゃないかと私も思います。
(5)に関しては、私は違和感は特に感じません。
No.4
- 回答日時:
小学校3年生と、中学校1年生の国語の教科書に、文の形という概念が載っています。
1何が(は)-何だ。
2何が(は)-どんなだ。
3何が(は)-どうする。
4何が(は)-ある・ない。
品詞的にいうと、(1)は述語が「名詞」(+助動詞)「だ」、(2)は述語が「形容詞」あるいは「形容動詞」、(3)は述語が動詞ということです。
ご質問の文のうち、(1)・(2)は1の形、(3)・(4)は2の形、(5)・(6)は3の形に該当します。
さて、ご質問の六つの文のうち、文句なく正しい(日本語文法にかなっている)のは、(1)・(2)・(3)・(5)の四つです。
(4)は、「形容詞」の終止形に断定の助動詞「だ」「です」が続く形で、本来は誤った用法とされてきましたが、あまりに広く使われるようになったため、学者や国もその存在を認知し、今では中学校の教科書にもそのまま載るようになっています。下記参照ください。
(6)は、山梨あたりでは方言として使われていますが、共通語に基づく学校文法では、もちろん正しくない用法に分類されます。
なぜか。その理由は、断定の助動詞「だ」(丁寧に言えば「です」。文法的にはほとんど等価)の用法(接続の仕方)にかかわっています。その説明に入る前に、「だ」の活用を挙げておきます。
「だろ(未然形)/だっ・で(連用形)/だ(終止形)/な(連体形)/なら(仮定形)」
普通、文法書では、「だ」は次のような言葉に接続すると定義されています。
・名詞や一部の助詞に接続する場合は
→すべての活用形で使える。下例は名詞に接続する場合。
例「晴れだろう。晴れだった。晴れではない。晴れなので~。晴れなら~。」
・動詞や形容詞の終止形や助動詞の終止形に接続する場合は
→未然形「だろ」、連用形「で」、仮定形「なら」だけしか使えない。下例は、形容詞と動詞の場合。
例「速いだろう。速いであろう。速いなら~。」
例「来るだろう。来るであろう。来るなら~。」
以上は「だ」で説明しましたが、理屈は「です」でも全く同じです。先ほど「~速いです。」は本来誤用であるとしたのは、それと対応する「速いだ。」が誤用だからです。
では、なぜそのような接続詞しかしないのか。
それに今、答えるのは、自称学校文法の専門家の私レベルではとうてい無理です。
国文法の専門家にお聞きください。
ただ、十日ほど時間をいただけましたら、自分なりに勉強して、結果をご報告したいと思います。
この回答への補足
済みません。お礼を書いた後で気付いたことがあります。
>・動詞や形容詞の終止形や助動詞の終止形に接続する場合は
→未然形「だろ」、連用形「で」、仮定形「なら」だけしか使えない。
この件ですが、<未然形「だろ」、連用形「で」、仮定形「なら」だけしか使えない。>という考え方が一つと、もう一つの考え方としては、<未然形「だろ」、連用形「で」、仮定形「なら」の場合、その前の動詞や形容詞が、「名詞」扱いされている>という見方もできそうな気がしてきました。
例えば、「負けるが勝ち」の「負ける」は本来動詞ですが、ここでは、名詞扱いになっているのと同じような原理が働いているのではないでしょうか?
ご回答ありがとうございました。
#3の方からもご指摘のあった(4)は、正式には間違いなんですね。全然知りませんでした。
>先ほど「~速いです。」は本来誤用であるとしたのは、それと対応する「速いだ。」が誤用だからです。
なるほど。「速いだ。」をおかしいと感じるセンスがある以上、「~速いです。」もおかしいと感じるセンスがあっても良いはずなのに、私は気付きませんでしたね。
>ただ、十日ほど時間をいただけましたら、自分なりに勉強して、結果をご報告したいと思います。
せっかくですから、お待ちしております。よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
(1), (2) は名詞ですから「です」が付いても問題ありません。
用言(動詞、形容詞、形容動詞)ですが、50年以上前に口語文法の教科書で
・用言の終止形に「です」、「でし」は付かないが「でしょう」は付く
と習いました。
したがって、その頃から (3), (5) は認知されていました。
(6) は論外として (4) には違和感を覚えます。私は絶対使いません。
kobarero さんが (4) に平気なのは時代ですから仕方ないとして、(5) がおかしい、と感ずるのは意外です。
口語というのは時代で変りますから、(4) が認知されつつあるのは仕方ありません。今の人が「ら」抜き言葉を平気で使うように。
(ただ、テレビで見ていると一般人が「ら」抜きで話しているのに、字幕では「ら」を入れてますね。完全には「ら」抜きは認められていないようです。)
ご回答ありがとうございました。
私がおかしいと感じるのは、(6)だけです。(5)は全然おかしくないです。(5)がおかしくないのに、(6)がおかしいのは何故かというのが私の質問でした。質問文が、悪かったも知れませんね。
それにしても、(4)に違和感を感じるというのは、びっくりです。日本語って難しいんですね。
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