下の『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。』は「でない」ですか?
「ないで」ですか?「ないで」の場合「(1)断定または指定の意を表す」ですか?
だ (助動)(だろ・だつ(で)・だ・(な)・なら・○) (大辞林)
〔「にてあり」から出た「である」が「であ」を経て「だ」となったもの。中世末に東国方言として用いられるようになったという〕
名詞・副詞,ある種の助詞,および体言に準ずるものに接続する。また「だ」の未然形「だろ(う)」と仮定形「なら」とは,動詞・形容詞,助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。さらに,仮定形「なら」だけは助動詞「ます」の終止形にも付く。
(1)断定または指定の意を表す。判断したり強く断定したりする。「彼は学生〈だ〉」「一足す二は三〈だ〉」
A 回答 (10件)
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No.1
- 回答日時:
下の『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。
』は、「ないだろ(う)」「(行か)ないなら」「(行か)ぬなら」「(食べ)たいなら」「(忘れ)たなら」などで、「ないで」ではありません。「ないで」には、否定の助動詞「ない」+格助詞「で」と、否定の助動詞「ない」+指定の助動詞「だ」の連用形「で」の二種類があります。
いかない「で」おこう。{格助詞「で」}
走らないで、ゆっくり歩きなさい。{指定の助動詞「だ」の連用形「で」}■
No.2
- 回答日時:
>下の『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。
』は「でない」ですか?:
『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。』という文の主語は
《「だ」の未然形「だろ(う)」と仮定形「なら」》
です。
未然形・仮定形の2つについて記述している箇所であり、連用形《だつ(で)》については一切触れていません。
お酒は飲ま ない だろ(う)。
お酒は飲ま ぬ だろ(う)。
お酒は飲み たい だろ(う)。
お酒は飲まなかっ た だろ(う)。
お酒を飲ま ない なら。
お酒を飲ま ぬ なら。
お酒を飲み たい なら。
お酒を飲まなかっ た なら。
下の「打ち消しの助動詞「ない」に接続助詞「で」,あるいは断定の助動詞「だ」の連用形「で」の付いたもの,打ち消しの助動詞「ない」と打ち消しの接続助詞「いで」とが交錯してできたものなど,諸説があって,まだ確定していない。(2)この語を一語とみて,打ち消しの助動詞「ない」の連用形とするもの,接続助詞とするもの,などの説もある〕」は確定されていないので辞書に記載されてないのですか?
大辞林
〔(1)この語の成立については,打ち消しの助動詞「ない」に接続助詞「で」,あるいは断定の助動詞「だ」の連用形「で」の付いたもの,打ち消しの助動詞「ない」と打ち消しの接続助詞「いで」とが交錯してできたものなど,諸説があって,まだ確定していない。(2)この語を一語とみて,打ち消しの助動詞「ない」の連用形とするもの,接続助詞とするもの,などの説もある〕
No.3
- 回答日時:
#2です。
>確定されていないので辞書に記載されてないのですか?
:
大辞林の場合、「お酒は飲まないで寝る」の「で」は接続助詞と捉えているからだと思われます。
「(飲ま)ない」は、
《名詞・副詞,ある種の助詞,および体言に準ずるもの》ではありません。
また、「で」という連用形であり、未然形「だろ(う)」や仮定形「なら」ではないので、『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形』に接続することもできませんから。
それで「だ」の項目では触れられていないのでしょう。
(以下は念のため)
【だ】の用法について大辞林は、
《名詞・副詞,ある種の助詞,および体言に準ずるものに接続する。》と最初に書いています。つまり、
あれは彼だ。(名詞)
約束は守ってくれ。きっとだ。(副詞)
行ったのは彼とだ。(助詞)
といった用法が基本だということ。ただ、
お酒は飲ま ない だろ(う)。
お酒は飲ま ぬ だろ(う)。
お酒は飲み たい だろ(う)。
お酒は飲まなかっ た だろ(う)。
お酒を飲ま ない なら。
お酒を飲ま ぬ なら。
お酒を飲み たい なら。
お酒を飲まなかっ た なら。
という用法も可能です。
これらは《名詞・副詞,ある種の助詞,および体言に準ずるものに接続》していません。
しかし、このように後件が、
《「だ」の未然形「だろ(う)」と仮定形「なら」》の場合には、
『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形』にも接続しますよ。
と補記しているわけです。
腑に落ちない点はご遠慮なく補足なさってみてください。
No.4
- 回答日時:
「だ」という断定の助動詞の接続は、
1.名詞・副詞、一部の助詞、のほか体言に準ずるものにに接続する。
しかし、ここで、準体助詞と呼ぶにふさわしい「の」が入ると、不思議なことに用言の「動詞」「形容詞」にも、簡単に付いてしまう。「行くのだ」「美しいのだ」(だろ・だっ・で・に・だ・なら)
(ここで「形容動詞」がなぜ出てこないかというと、形容動詞には初めから「だ」が付いているから。)
2.更に注意すべきは、「日本国語大辞典」に二つの「だ」が有ると言っています。これについては、「日本国語大辞典」を直接視てください。
https://sakura-paris.org/dict/ 広辞苑無料検索 にも「二つの『だ』」は出ています。
No.5
- 回答日時:
#3です。
>「食べないでください」の「ないで」は「広辞苑」では何の用法ですか?「助動詞のない」否定を表す。「接続助詞ので」だとするとどの用法か教えてください。
:
「ないで」
広辞苑では、「助動詞ナイの連用形とする説」と「助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説」という2つの解釈がある、としています。
用法は、どちらも「否定して軽く中止」です。
品詞分解・用法は以下のとおり。
・助動詞ナイの連用形とする説。
「食べ」ー動詞「食べる」未然形
「ないで」ー否定の助動詞「ない」連用形(連用中止法)
・助動詞ナイに助詞テ(デ)が付いたものとする説。
「食べ」ー動詞「食べる」未然形
「ない」ー否定の助動詞「ない」連用形
「で」ー接続助詞☞(8)あとに補助動詞が続く形で,動作・作用の様態をさまざまに表現するのに用いる。(大辞林「て」)
https://sakura-paris.org/dict/%E5%A4%A7%E8%BE%9E …
この場合の補助動詞とは「ください」のこと。
>「食べないでください」の「ないで」をはっきりと品詞と用法を記載している辞書はありますか?
:
【いまだ定説をみない】と書いている辞書もあるくらいですから、一方だけを断定している辞書はないと思います。
「ないで」
広辞苑では、「助動詞ナイの連用形とする説」と「助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説」という2つの解釈がある、としています。
用法は、どちらも「否定して軽く中止」です。
*「助動詞ナイの連用形とする説」は「否定して軽く中止」これは下の連用形のところに「で」が入るという説ですか?
活用
未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
なかろ なく
なかっ ない ない なけれ ○ 形容詞型
*「助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説」も「否定して軽く中止」
「助詞テ」の用法は「広辞苑の接続助詞」の中に該当するものはないのですか?
No.7
- 回答日時:
#5です。
>*「助動詞ナイの連用形とする説」は「否定して軽く中止」これは下の連用形のところに「で」が入るという説ですか?
:
いえ、違います。
「助動詞ナイの連用形とする説」というのは「ないで」自体が連用形という意でしょう。
辞書によって見解がバラバラなので、我々は振り回されますね。
天国の門さんの疑問・質問は、辞書語釈表現の問題点や、日本語の曖昧性をあぶりだしている場合が多く、極めて的を射たものと言えます。
なので回答するほうも楽しいのですが、何しろ、回答者は基本的にド素人ばかりなので、ご迷惑をおかけしていることと思います。
その点はご寛恕のほどを。
日本人でも何もわかっていない人は大勢います。
そういう人に限ってわかったフリをするので困りものなんですがね。(笑)
>*「助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説」も「否定して軽く中止」
「助詞テ」の用法は「広辞苑の接続助詞」の中に該当するものはないのですか?
:
これは、おそらく「助詞デが付いたもの」の誤植だと思われます。
ちょっと見落としていましたね。
仮にそうだとすれば下記に該当しそうです。
「で」
❷
[二](口語では助動詞「だ」の連用形とする)「ある」「ない」などを伴って指定の意を示す。…の状態で。平家物語1「偏に女御の様―ぞましましける」。天草本伊曾保物語「この金かねを下さるることは恩に似て恩―ない」。
*NO3の説明で「ないで」ではないことは分かりました。
*次に「大辞林」の「で」の用法を(8)あとに補助動詞が続く形で,動作・作用の様態をさまざまに表現するのに用いる。「見上げ―いる」「書い―しまう」「行っ―みる」「し―やる」「読んであげる」「木を切っ―くる」
と教えていただきましたが「形容詞型の活用語の連用形に接続する」で「ない」の「連体形」はあてはまらないようです。「大辞林」のほかの「で」も調べてみましたが当てはまるものはないようです。何か「大辞林」で当てはまるものがありましたら教えてください。
*したの「広辞苑」の「で」は「でない」の「で」だと思います。「ないで」の「で」も当てはまるのでしょうか?
「で」
❷
[二](口語では助動詞「だ」の連用形とする)「ある」「ない」などを伴って指定の意を示す。…の状態で。平家物語1「偏に女御の様―ぞましましける」。天草本伊曾保物語「この金かねを下さるることは恩に似て恩―ない」。
No.9
- 回答日時:
>>「食べないでください」の「ないで」は「広辞苑」では何の用法ですか?
まず、
>>下の『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。』は「でない」ですか?
という質問自体が誤読による誤りです。(大辞林)の
下の『「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。』が言っているのは、
「ないだろ(う)」「(行か)ないなら」「(行か)ぬなら」「(食べ)たいなら」「(忘れ)たなら」などで、「ないで」とは関係ありません。この誤読、誤解にもとづき思考しているので混乱しています。
広辞苑は、
ないで
(成立未詳。助動詞ナイの連用形とする説、助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説などがある)否定して軽く中止したり、依頼の意を表したりするのに用いる。雑兵物語「敵に会は―死なない時は」。「二度とし―」
とし、一語とはしていません。したがって、どの用法かは問題になりません。
>>「食べないでください」の「ないで」をはっきりと品詞と用法を記載している辞書はありますか?
どの辞書も連語、つまり二つの語の連なりとして扱っており、一語とはしていません。なので、品詞は問題にならず、句とすべきものです。
【大辞林】
ない-で (連語)
〔近世初期から関東方言に用いられ,江戸語以降広く用いられるようになった。江戸語でのくだけた言い方では「ねえで」となる〕
動詞および動詞型活用の助動詞の未然形に接続する。
(1)打ち消しの意味で下に続ける。「勉強もし―,遊んでばかりいる」「他(ヒト)の気も知らねえで,まことに憎いよ/人情本・辰巳園(初)」
(2)「ないでは」「ないでも」の形で,打ち消しの条件を表す。「なければ」「なくても」の意。「こっぴどい目にあわさ―はおかないぞ」「傘を持って行か―も大丈夫だろう」
(3)文末にあって,婉曲的に禁止の意を表す。「もうどこにも行か―」「やたらにお金を持ち出さ―ね」
(4)「いい」「くれ」「ほしい」などの補助動詞・補助形容詞を後ろに伴って用いられる。「今日は出かけ―くれ」「もうそんな所へは行か―ほしい」
〔(1)この語の成立については,打ち消しの助動詞「ない」に接続助詞「で」,あるいは断定の助動詞「だ」の連用形「で」の付いたもの,打ち消しの助動詞「ない」と打ち消しの接続助詞「いで」とが交錯してできたものなど,諸説があって,まだ確定していない。(2)この語を一語とみて,打ち消しの助動詞「ない」の連用形とするもの,接続助詞とするもの,などの説もある〕
【明鏡国語辞典】
ない‐で
〘連語〙
❶ 打ち消しの意を伴って、文を中止したり、連用修飾したりする。〜ず(に)。
「食べ━、待っていた」
❷ 《「いる」「おく」「済む」などの動きの完了や処置を表す表現を伴って》打ち消した状態を維持する意を表す。〜ず(に)。
「まだ寝━いる」
「持っていか━済みそうだ」
❸ 《「…━いられない」「…━済ませない」「…━おくものか」などの二重否定や反語の形で》事態がどうしても生じる意を表す。
「飲ま━はいられない」
「つかまえ━おくものか」
❹ 《文末で使って》禁止を表す。
「こっちに来━」
【日本国語大辞典】
ない‐で
(成立未詳。→補注)
1 打消の中止法または連用修飾に用いる。「は」「も」などを伴って、条件を示す場合もある。*洒・南閨雑話「酒でものまないで何をたのしみに」
2 (「いい」「くれ」「ほしい」など)補助用言を続けて用いる。*人情・英対暖語‐二「後はお咄し遊ばさなひでも宜ござゐますヨ」
[補注]成立については、まだ定説がない。「ない」は打消の助動詞と見られるが、「で」は助詞か断定の助動詞の連用形か、決めかねる。文法上の扱いについては、全体を接続助詞とするもの、打消の助動詞の連用形とするものなどが見られる。
■
No.10
- 回答日時:
#7です。
>*次に「大辞林」の「で」の用法を(8)あとに補助動詞が続く形で,動作・作用の様態をさまざまに表現するのに用いる。「見上げ―いる」「書い―しまう」「行っ―みる」「し―やる」「読んであげる」「木を切っ―くる」
と教えていただきましたが「形容詞型の活用語の連用形に接続する」で「ない」の「連体形」はあてはまらないようです。「大辞林」のほかの「で」も調べてみましたが当てはまるものはないようです。何か「大辞林」で当てはまるものがありましたら教えてください。
:
たしかに。
わたしはまったく気づきませんでした。
これは辞書側の不備の一例と言えるかもしれません。
大辞林の他、大辞泉・広辞苑・日国・学国・明鏡・新明解・精選版日国も確認しましたが、新明解(活用形に関する記述無し)以外は「活用語の連用形に接続する」といった記述で一致しています。
ただ、明鏡だけは、
《助動詞「ない」は「なく(っ)て」のほか「ないで」も使う。》
という注釈が記されている。
「活用語の連用形」以外に接続できる旨を明記しているのは、この明鏡だけ。
この「ないで」については、《成立未詳》《諸説あって未確定》などという記述を各辞書が堂々と書いているわけで、文法的説明が難しいほど極めて特殊な形であるのは確かなようです。
とはいえ、その成立の選択肢として、
《打ち消しの助動詞「ない」に接続助詞「で」》
を挙げている以上、その場合の接続助詞「で」は、どういった用法に該当するのか?という点は明記する責任がありますね。
当方としても、それに気づかないまま回答を続けてきたという点で忸怩たる思いもあり、その点、改めてお詫び申し上げます。
当面は一語で「助動詞ナイの連用形」あるいは「成立過程未詳の連語」と割り切って覚えるのが賢明なのかもしれません。
何かお気づきの点が出てきましたら、また教えてください。
>*したの「広辞苑」の「で」は「でない」の「で」だと思います。「ないで」の「で」も当てはまるのでしょうか?
「で」
❷
[二](口語では助動詞「だ」の連用形とする)「ある」「ない」などを伴って指定の意を示す。…の状態で。平家物語1「偏に女御の様―ぞましましける」。天草本伊曾保物語「この金かねを下さるることは恩に似て恩―ない」。「吾輩は猫―ある」
:
断定の助動詞「だ」の連用形という点では同じですが、体言・準体言につながる用法のようなので、その点では異なるような気がしますね。
「ないで」の場合、少なくとも《指定の意を示す》という用法ではないように思います。
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