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大腸菌に、あるタンパク質(cDNAは手元にある)を作らせたいのですが、どうやったらいいですか?
先生は「Ca溶液の中で大腸菌を洗って、氷の上において、それからああしてこうして、42℃におく」とかおっしゃってたのですが、これはDNAをどうやって組み込んでいるのでしょう?
また、たくさん発現させるには、どうしたらいいですか?

A 回答 (3件)

ステップ1:発現プラスミドの作成


 大腸菌発現用ベクターが発売されていますので、ベクターの特定の領域(クローニングサイト)にcDNA(インサート)をいれる。
 インサートは、あらかじめPCRでつくる際にcDNAの両端(開始コドンの前と終止コドンの後ろ)に制限酵素部位をつくり、PCR後に制限酵素で切る。使う制限酵素はインサート中に切断部位がないものを使う。
 インサートと同じ制限酵素またはつなぎ目が同じ制限酵素(例:BamHIとBglII、SalIとXhoI、SmaIとEcoRVなど)でベクターのクローニングサイトを切り、インサートを入れる(ライゲーション)。
ステップ2:大腸菌で目的の発現用プラスミドを増やす
 XL1-BlueやDH5αなどの大腸菌を、先生がおっしゃったカルシウム法で処理(以下)し、ライゲーション反応終了液を加える。
<カルシウム法>
大腸菌(XL1-BlueやDH5αなど)を液体培地で一晩培養 → 液体培地で50~100倍に希釈し、一部をとって吸光度計で600nmの波長で計り、0.4~0.5位になるまで培養 → 遠心で集菌し、50~100mMの塩化カルシウムに懸濁、氷中で10分置く → 遠心し、大腸菌の沈殿に、集菌した培地量の1/10~1/20量の塩化カルシウム(同上)に懸濁 → 氷中に数時間置くと、プラスミドの導入効率が上がるが、すぐに使ってもよい → 100μlの大腸菌(塩化カルシウム中)にライゲーション反応終了液(最大10μl)を加え、氷上で30分 → 恒温水槽かヒートブロックを使い、42℃、45~90秒間熱ショックを与える → 氷に戻し2分置く → 900μlの培地を加え、37℃、1時間 → 一部(最大200μl)をプレート(プラスミドの薬剤耐性に注意して抗生物質を含む寒天培地)にまく → 37℃で一晩(16時間前後)置くと、コロニーが現れている
ステップ3:発現プラスミド回収
 コロニーをいくつかピックアップしてそれぞれ適した抗生物質を含む液体培地で一晩培養 → マニュアル法や簡便なキットを用いた方法でプラスミドを回収 → ただしくインサートが入っているか、プラスミドの一部を制限酵素で切ったり、塩基配列を調べたりする
ステップ4:発現
 タンパク質発現用の大腸菌(ベクターに合わせていろいろあります)を塩化カルシウム法で処理(ステップ2と同じ方法)でインサートが正しく入っていたプラスミドを1~10ng導入する

発現プラスミドは、ほとんどがある試薬によりインサートのタンパク質発現を誘導させるようになっていますので、それについて述べます。なぜ誘導するようになっているかというと、大腸菌にとって自分のもの以外のタンパク質を発現することはかなりの負担で、タンパク質の中には大腸菌にとって悪い影響を与える場合が多いからです。誘導に使う試薬で最も頻繁に使われるのはIPTGとよばれるものです。

 発現プラスミドを導入した発現用大腸菌コロニーをピックアップして適した抗生物質を含む液体培地で一晩培養 → 同じ培地で20~100倍に希釈して培養し、一部をとって吸光度計で600nmの波長で計り、0.5~1.0位になるまで培養 → 0.1~1.0mMIPTGを加え更に培養 → 1時間後、2時間後、...、12時間後など、いくつかの時点で一部を取ってSDS-PAGEという分析法を行います。これにより、目的のタンパク質が十分にできているかいないかがわかります。

 ご質問に、「たくさん発現させるには、どうしたらいいですか?」とありますが、発現プラスミド(ベクター)と、インサートと、大腸菌株の間で相性がりまして、たくさん発現するものから全く発現しないものまであります。経験者は試行錯誤しながらやっています。
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この回答へのお礼

おー、まさかこんなに詳しく回答していただけるとは。
大体の流れがわかりました。ありがとうございます!

お礼日時:2002/03/27 20:05

こんばんわ。


正直いって、教科書を買って下さい。
別にいじわるでいっているわけではありませんよ。
ここで十分答えられるほどかんたんではありません!

ごめんなさいね。
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この回答へのお礼

なるほどー。いいプロトコル集などご存知ですか?

お礼日時:2002/03/27 20:10

バクテリオファージのDNAに組み込み、感染させる方法や


プラスミドをベクターとして使う方法などがあります。

ファージは細菌に感染するウイルスで、細菌に感染した際、細菌の染色体DNAに取り込まれたりすることがあるのを利用します。ファージのカプシド(DNAを包む殻のようなもの)の中に組み込みたいDNAを入れて、感染させます。
一部の細菌のDNAに取り込まれ、発現するというわけです。

プラスミドとは、宿主の細胞(主として細菌)の染色体から物理的に離れていながら、安定して機能し複製する遺伝粒子で、細胞の基本的な機能にとって必須のものではないものです。また、染色体から独立して増殖することができるものです。
プラスミドについては以下のサイトで
http://members.jcom.home.ne.jp/biology/QA/items/ …
このプラスミドは大腸菌では環状のものがあります。
そのプラスミドを制限酵素で切断し、cDNAをリガーゼでくっつけます。
このような目的とするDNAを取り込ませるために使うものをベクター(運び屋)と呼びます。
塩化カルシウムの処理をした大腸菌はDNAを取り込みやすくなっており、これとベクタープラスミドを一緒に入れておきます。
すると、ベクタープラスミドが大腸菌に取り込まれます。
プラスミド上のcDNAは大腸菌の染色体DNAとは全く関係なく独立して発現され、タンパクが作られます。

たくさん発現させるにはプラスミドをPCRなどで増幅して大腸菌に取り込まれる確率を上げてやるのが良いのではないかと思われます。
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この回答へのお礼

いつもお答えありがとうございます!

お礼日時:2002/03/27 20:02

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