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病原性大腸菌O157といえば激しい腹痛や粘血便の下痢、急性腎不全、溶血性貧血などを引き起こす非常に危険な細菌として有名ですが、こいつが産生する志賀毒素(ベロ毒素)は赤痢菌が出す毒素とほぼ同じものだと聞きました。

なぜ大腸菌が凶悪な赤痢菌と同じ毒素を出せるようになったのでしょうか?
詳しい方がいらっしゃいましたら教えて頂けますでしょうか?

A 回答 (1件)

志賀毒素(ベロ毒素)は、大腸菌O157が産生する毒素の1つですが、赤痢菌が産生する毒素であるシゲラ毒素とは若干異なります。

志賀毒素は、血管内皮細胞に対して強い毒性を持ち、毛細血管障害や血小板凝集障害を引き起こし、萎縮性腸炎を引き起こす元凶とされています。赤痢菌のシゲラ毒素と同様、志賀毒素も病原性の重要な因子であるとされていますが、大腸菌O157の毒素産生には他にもいくつかの要因があります。

なぜ大腸菌O157が志賀毒素を産生するようになったのかは、はっきりとはわかっていませんが、遺伝的な進化が関係しているとされています。大腸菌O157は、腸内で他の細菌と競合するため、各種の抗菌ペプチドや抗生物質などへの耐性が進化的に獲得されたと考えられています。また、人為的に感染を拡大させる要因も考えられており、食品などによる摂取感染が発生したことにより、広く分布する菌株が存在するようになったという説もあります。

病原性大腸菌O157に限らず、多くの細菌は進化の過程で様々な環境条件や力学的な圧力(生存競争など)に対応し、さまざまな能力を獲得しているため、そのような獲得された能力の一つとして志賀毒素があると考えられています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2023/05/13 13:52

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