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加水分解反応を起こす時、よく希酸が用いられますがそれはなぜですか?できれば濃酸ではなく希酸である理由も知りたいです。

A 回答 (6件)

>反応速度式に酸が関係することに理由づけはできないのでしょうか?


>あくまで実験的ということですか?

 あくまでも実験が先です。例えばエステルの加水分解反応は中性の水溶液中では非常に遅いのですが、酸性水溶液中では早く進行すること、初期の反応速度は酸の濃度に比例することが「実験的に」求められ、その観察結果に見合うように反応機構が「提唱」されているのです。エステルの酸加水分解の場合には、カルボニル酸素にプロトンが付加することが反応の第一段階であろう、という説が有力になっています。

 一般に、反応速度式は両論式から類推されるのではなく実験的に求める必要があります。化学両論式(反応式)の係数は反応速度式の次数とは必ずしも一致しません。例えばアセトアルデヒドの熱分解反応 (CH3COH → CH4 + CO) では、その次数は3/2であることが明らかにされています。複数の物質が関与する反応では、いくつかの素反応を経由して反応が進行します。それぞれの素反応で形成される活性錯合体も異なりますし、活性化エネルギー障壁も異なります。ですから時間の経過とともに各成分の濃度変化を追跡してそれを解析しない限り、正確な反応速度式を求めることは出来ません。この速度式の次数などから類推して、素反応の順番や関与する基質の種類について決定されていくのです。
※ここで用いた「決定」という言葉は、「確からしい推定」を決定すること、というべきでしょうね。


>ほかに思い当たる理由というについて詳しく知りたいので
>よかったら参考書なんかを挙げてもらえると助かるのですが・・・

 先の私の回答No.3で挙げた「反応速度の制御、温度変化の制御」についてはご質問の本質的な回答ではありません。
 多くの加水分解反応では、水を大過剰に加えます。この理由は(1)加水分解と脱水縮合の平衡を分解生成物の側に偏らせるため、(2)反応基質である水の濃度を上げることによる反応速度向上(特に反応後半)、の二つです。エステルなどの加水分解では(1)の効果は必須であり、シリル基等の脱保護では(2)の意味合いが強いと思われます。さらに大過剰の水が存在するこのような系では、水は基質としてだけではなく希釈溶媒としての働きもするようになります。これらのことは反応速度に影響を与えたり、発熱や吸熱が大きい反応であったとしても系内温度の変化を緩和する結果に結びつくものと思います。実験室レベルの操作では反応速度や温度変化にはあまり気を配らないケースも多いのですが、工業的規模では安全面や生産コスト面で重要な要素になり得るものと思います。

 参考書についてはどれが良いのかわかりません、というよりも私自身どの本を参照にしたのか覚えていない点もあります(すみません)。反応の熱収支については物理化学や化学工学のプロセス計算関連の書籍に良いものがあると思います。反応速度式に関しては、やはり物理化学か反応速度論の本が良いと思います。強いて言えば下記です。

『反応速度論(第3版)』慶伊富長(けいいとみなが)、東京化学同人、
ISBN 4-8079-0532-5、1800円+Tax

以上、もしかしたらあなたの質問の意図を汲み違えた回答をしてしまったかもしれませんがどうでしょうか。
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この回答へのお礼

まさに知りたかったことへの回答で、本当にありがとうございました。
いろいろ細かく聞いてもうしわけなくおもっていましたが、こんなに親切に補足にも答えてくださって感謝しております。

お礼日時:2002/04/16 10:17

Organometsさんの明解なアドバイス後に気が引けますが、「あくまで実験的」


の印象に関して。希酸による加水分解では、反応速度が [H+] に比例するという
実験結果によって、反応機構(理論)が検証されたのですが、それはそれとして、
私が学生の時、実験の課題の『正解』は理論値という感覚を持っていました。
ある理論(仮説)を検証するために実験をして、実験値が理論値に合ったとき
「理論が正しかった」とわかるのが筋なのですが、学生実験の場合は「先人の
実験値を再現できたか」で実験手技を検証していると気づいたのは後のことです。

希酸を使う理由は#3に詳しいですが、どの程度の濃度が希酸でしょうか?
これはケースバイケースで、反応速度を測定するなら、例えば1N塩酸とかが
適当に反応が遅くて測定しやすいでしょう。工業的には、#3ご指摘の副反応
の問題さえなければ、濃塩酸(約12N)くらいは使いたいです。反応容積が
節約できますし、-d[RCOOR']/dt = k[RCOOR'][H2O][H+] の[H2O]は実は
効かないこと(カルボニルにプロトンが付加するところが律速段階となる機構)
を先人が『実験的』に証明しているからです。

# 慶伊先生のお名前、なつかしいです。
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この回答へのお礼

なるほど。どこまでが希酸と呼ばれるのかは考えたことがありませんでした。
参考になります。ありがとうございました。

お礼日時:2002/04/16 10:19

加水分解というと.生体高分子が多くの場合相手でしょう。


すると.酸が強いと高分子が変質したり.rco-orで切れなくて変なところで切れたりするのです。
なるべく穏やかな条件で.を守らないと運が悪いとラセミ化して何がなんだか分からなくなってしまう場合もあります。
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「加水」分解です。

例えばエステルの加水分解ならば、

RCOOR' + H2O → RCOOH + R'OH

反応系の中には水が存在していなければなりません。酸は触媒ですから少量存在していれば十分なのです。
酸の濃度が濃すぎる場合には、目的の加水分解のほかにも余計な反応が起こる可能性が出てきますから、これを防ぐ意味もありますね。

とはいっても酸の濃度が極端に少なくても反応は進行しません。エステルの加水分解の初期の反応速度は

-d[RCOOR']/dt = k[RCOOR'][H2O][H+]

k = 速度定数、[X]は成分xの濃度

であることが実験的に求められています。すなわち、酸の濃度に比例して反応速度が変化しますのである程度の酸の存在は不可欠なのです(ある特定の濃度以上に酸を濃くしても反応速度には反映されないことも確認されているようです)。

エステル以外の加水分解反応でも同様のことは言えると思います。

他に思い当たる理由としては、反応速度の制御、反応熱による温度変化の制御なども場合によっては当てはまるものと思います。

この回答への補足

ありがとうございます。
ところで、反応速度式に酸が関係することに理由づけはできないのでしょうか?あくまで実験的ということですか?
ほかに思い当たる理由というについて詳しく知りたいのでよかったら参考書なんかを挙げてもらえると助かるのですが・・・
よろしくお願いします。

補足日時:2002/04/14 17:23
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水の電気分解と誤解していました


1は嘘です
失礼しました
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この回答へのお礼

わざわざありがとうございます。

お礼日時:2002/04/14 17:23

加水分解だから純水を使いたいのだけれど


純水は電気を通さないので電気分解できないのです
そこで水の特性を損なわない程度に電気を通す薄い酸をつかうのです
農酸を使うともう水とは言えないですよね
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